Rakuten infoseek

辞書

黒鉛【こくえん】

世界大百科事典 第2版

こくえん【黒鉛 graphite】
グラファイト,石墨(せきぼく)ともいう。炭素Cからなる鉱物の一つで,炭素の同素体。図のように,炭素の平面形6員環が二次元的に連なった層状構造をなす。六方晶系。黒色で,金属光沢をもつ。へき開は{0001}に完全。比重2.1~2.2。モース硬度1~2。天然には変成された炭層接触変成岩,片麻岩などの中に産する。融点は3700~4300℃だが,空気中で加熱すると500~600℃以上で着火する。原子面内をπ電子が自由に動きまわるため,電気の良導体で,比抵抗は層方向には10-3Ωcm程度であるが,垂直方向には約100倍である。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

こくえん【黒鉛】
炭素の同素体の一。金属光沢のある黒色不透明の六角板状結晶。天然に産出するものは、石炭が地殻内で変質し炭化の度が進んだもの。工業的にも無定形炭素を原料として多量に製造される。電気をよく伝え、融点が高く、化学的に安定しているので、電極・るつぼ・原子炉の中性子減速剤などに用いる。また、減摩剤・鉛筆の芯しんにも用いる。石墨せきぼく。グラファイト。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

くろ‐なまり【黒鉛】
〘名〙 (錫(すず)を「しろなまり」というのに対していう語) 鉛の異称。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

こく‐えん【黒鉛】
〘名〙 「せきぼく(石墨)」の化学名。〔五国対照兵語字書(1881)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

黒鉛
コクエン
graphite, plumbago

石墨,グラファイトともいう.炭素の同素体の一つ.天然にも,産状によってうろこ状黒鉛,土状黒鉛などとよばれるものが産出するが,無定形炭素を2400~3000 ℃ に加熱(黒鉛化)すると得られる人造黒鉛がおもである.完全な黒鉛構造にするためには3000 ℃ 以上の加熱が必要である.六炭素環が二次元的に連なった層が積み重なった層状構造をもつ六方晶系の結晶.層内の原子間距離C-C 0.142 nm,層間隔0.335 nm.層と層との結合はファンデルワールス力による.普通,うろこ状,粒状,塊状,土状などの集合晶として得られる.へき開は底面に完全.黒~鋼灰色,不透明,金属光沢をもつ.密度2.26 g cm-3(単結晶,20 ℃).硬さ1~2.融点3550 ℃,4800 ℃ で昇華する.構造上いちじるしい異方性を示す.たとえば,電気抵抗は,単結晶層方向で0.40 μΩ m であるが,垂直方向では数けた大きい.したがって,単結晶と多結晶集合体,あるいは粉末との間にはいちじるしい物性の差がある.また,構造の不完全さによっても差を生じる.とくに人造品では,原料および処理方法による黒鉛化度の差による物性上の差も生じる.耐熱性,耐熱衝撃性,耐食性に富む.電気,熱の良導体で滑性がある.化学的に安定な物質で,通常の試薬には侵されにくい.π電子と反応する原子,分子またはイオンは層間に入り込み層間化合物をつくる.空気中での着火温度は500~600 ℃ 以上.粉末を濃硫酸と強酸化剤で処理すると,石墨酸などの構造不明の物質を生じる.各種の電極,とくにリチウムイオン電池用,電動機や発電機などのブラシ,抵抗発熱体,るつぼ,耐火物,減摩剤,鉛筆などに用いられる.原子炉用減速材,反射材として利用するものは,とくに高純度が要求される.繊維状のものは樹脂補強用強化材として,航空宇宙機器,釣り,ゴルフ,テニス用具などに用いられる.[CAS 7782-42-5][別用語参照]ダイヤモンド

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

こく‐えん【黒鉛】

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

岩石学辞典

黒鉛

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

黒鉛
こくえん
石墨」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

黒鉛
こくえん

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

黒鉛」の用語解説はコトバンクが提供しています。

黒鉛の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.