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黒色火薬【こくしょくかやく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

黒色火薬
こくしょくかやく
black powder
最古の火薬組成硝酸カリウムが 60~80%,硫黄が 10~20%,木炭が 10~20%。摩擦や衝撃によって発火しやすく,爆発の威力は大きくない。10世紀頃の中国で発祥したとされ,1242年にはイギリスの自然科学者ロジャー・ベーコンが調合法を記録している。銃の装薬など,当初はおもに兵器用に使われていたが,17世紀のヨーロッパで鉱山における採掘に導入され,フランスのミディ運河の土木工事にも使用された。1831年にイギリスの革商人ウィリアム・ビックフォードが発明した導火線によって利便性が向上し,炭鉱で多く用いられるようになった。19世紀後半に発明された無煙火薬ダイナマイトの普及に伴って生産量が急減し,今日では花火やアンティークの銃など特殊な用途のみに使われる。(→火薬類

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デジタル大辞泉

こくしょく‐かやく〔‐クワヤク〕【黒色火薬】
硝石を約75パーセント、硫黄を約10パーセント、木炭を約15パーセント混合した火薬。爆発力が弱くが多いので、現在では花火に用いる。

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世界大百科事典 第2版

こくしょくかやく【黒色火薬 black powder】
硝酸カリウム(硝石),木炭および硫黄からなる三成分混合火薬。木炭のために黒色を呈することによる名称である。黒色火薬の原形は中国で戦国時代に発明されたといわれる。13世紀にはイギリスのR.ベーコンが黒色火薬の組成を記録している。19世紀後半におけるダイナマイトおよび無煙火薬の発明に至るまでの長い間,黒色火薬がほとんど唯一の発射薬や爆破薬として使われてきた。 まず木炭と硫黄をボールミルで混合,磨砕し(二味混和),次いで硝石を加えて安全を考慮した混合機で混合・砕する(三味混和)。

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大辞林 第三版

こくしょくかやく【黒色火薬】
硝石・硫黄・木炭の粉末を75パーセント、10パーセント、15パーセントずつまぜ合わせた火薬。爆発力が弱く、主に発射用として使用された。現在は花火用。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

黒色火薬
こくしょくかやく
black powdergun powder
硝酸カリウム(硝石)、木炭および硫黄(いおう)からなる3成分混合火薬。
 火薬類のなかでもっとも古くから使われてきたもので、7世紀にすでに中国で孫思(そんしばく)によって黒色火薬の原形が発明されたといわれる。1242年にはイギリスの僧侶(そうりょ)であり哲学者、科学者のロジャー・ベーコンが黒色火薬の組成を記録(『Desecretis』および『Opus Tertium』)している。19世紀後半におけるダイナマイトおよび無煙火薬の発明に至るまでの長い間、ほとんど唯一の爆破薬や発射薬として用いられた。
 木炭と硫黄をボールミルで混合・磨砕する(二味(にみ)混和)。ついで硝石を加えて、安全を配慮した混合機で混合・磨砕する。その後いくつかの処理を行って、黒色粉火薬、黒色鉱山火薬、猟用黒色火薬、黒色小粒火薬などをつくる。
 黒色粉火薬は導火線や速火線の心薬(導火線または導爆線の中央に配置され、燃焼または爆轟(ばくごう)を伝播(でんぱ)する物質)として、黒色鉱山火薬は石切り場などでの大型石材の切出しに用いられる。この場合、黒色火薬は導火線による点火で爆燃するので雷管は不要である。猟用黒色火薬は散弾銃用装弾に用いられていたが、最大圧が高い、煙が出る、銃身が汚れる、吸湿性があるなどの理由のために、この用途では無煙火薬にとってかわられた。黒色小粒火薬は煙火(花火)の打上げや口火などに用いられている。煙火の打上げに使う揚薬(あげやく)は低圧力でも燃える必要があり、黒色小粒火薬はこの性質を備えている。[吉田忠雄・伊達新吾]

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精選版 日本国語大辞典

こくしょく‐かやく ‥クヮヤク【黒色火薬】
〘名〙 混合火薬の一つ。硝酸カリウム(硝石)、硫黄、木炭の三成分を混合してつくる。火つきがよく、摩擦や衝撃で発火しやすい。着火すると急激に燃焼するが、爆発反応は起こさない。火薬の中で最も古くから用いられ、今日では花火や口火などに使用。〔現代語大辞典(1932)〕

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化学辞典 第2版

黒色火薬
コクショクカヤク
black powder

硝石,硫黄,木炭を混合した火薬.12世紀ごろより中国,ヨーロッパで使われはじめ,19世紀末にダイナマイト無煙火薬などが出現するまではすべての部門に適用された.その成分は目的によって異なるが,だいたい硝石75,硫黄10,木炭15を標準としている.250 ℃ 前後で発火する.密閉器内で点火しても,爆速は300 m s-1 以下である.黒色火薬は,粉状,粒状,球状,扁平形状などその目的に応じた形状で使用される.用途は,猟用,爆破用,導火線用,煙火用,軍用伝火薬用などである.取り扱い上,とくに注意を要するのは摩擦,衝撃,火炎,スパークなどに対してすこぶる鋭敏に着火し,伝火することである.生成ガスのなかには一酸化炭素などの有毒ガスを含み,発煙量も多い.しかし,自然分解をするおそれはない.硫黄と木炭とを金属ボールミルで粉砕して混和し,この二味混和薬に硝石を木製ボールミルでまぜる.ここで粉火薬ができるが,これを圧磨機で加圧混合したものを小粒薬といい,黒鉛で光沢をつけたものを猟用などとする.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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