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黒体【こくたい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

黒体
こくたい
black body
すべての振動数放射を反射することなく完全に吸収する理想的な物体。たとえばは黒体に近い。周囲が放射を完全にさえぎり,内部一定温度に保たれている空洞の壁に非常に小さいをあけて外部から見ると,それは黒体とみなされる。黒体から放射される熱放射黒体放射という。

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デジタル大辞泉

こく‐たい【黒体】
すべての波長放射を完全に吸収する仮想の物体。白金黒(はっきんこく)などがこれに近い。熱放射のエネルギー測定の基準体としてキルヒホッフが導入。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

こくたい【黒体 black body】
それに当たるあらゆる放射(光)を完全に吸収してしまう仮想上の物体。熱放射に関するキルヒホフの法則を証明するための思考実験に当たり,1860年にG.R.キルヒホフ自身が想定した。以来,今日に至るまで熱放射に関する基本的な結果(シュテファン=ボルツマンの法則,ウィーンの変位則,プランクの放射則)はすべて黒体に対して定式化されている。しかし,その意義は実験研究の初期には認識されず,結果がばらつき,また理論との不一致がいわれる原因となった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こくたい【黒体】
すべての波長の電磁波を完全に吸収すると考えられる仮想的な物体。磁器などでできた放射を通さない中空の壁面に小さな穴をあけたものが実験に使われる。完全黒体。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

黒体
こくたい
black body
物体の表面は、そこに当たった電磁波(放射ともいう)の一部を反射し残りを吸収するとともに、自らも電磁波を出す。振動数νの入射電磁波のうち吸収されるものの割合をανとすると、この吸収能ανはνと温度Tの関数である。すべてのνに対して吸収能が1であるような理想的物体を黒体という。常温で真っ黒に見える物は黒体に近い。物体が温度に応じて自ら出す放射を熱放射といい、その振動数分布は温度によって異なる。外から当たる放射と出す放射が等量のとき、物体と周囲の放射とは平衡状態にあるといわれる。同じ放射を受けて平衡にある物体を比較すれば、いちばん多く吸収する黒体が、出している放射もいちばん多いことがわかる。黒塗りの自動車は、昼間は日光を多く吸収するが、夜になると他の色の車よりも放射をたくさん出すので、冬の夜などいちばん先に冷えて霜がつく。
 十分厚い壁で囲まれた空洞に小さな穴をあけ、それを外から見た場合には、穴の部分は煤をつけたと同様に黒く見える。そこに外から入射した電磁波は出る前に内部で吸収されてしまうから、外から見る限り黒体表面と同じになる。内壁の絶対温度をTとすると、壁から出た熱放射が空洞内に充満している。これを温度Tの空洞放射という。それを乱すことがないほど小さい穴を壁にあければ、外へはその空洞放射がそのままの割合で出ていくことになる。穴を外から見ると黒体放射と同じであるから、黒体放射というのは空洞放射と同じであることがわかる。黒体放射(=空洞放射)は、熱放射の基準として詳しく研究され、プランクの放射公式から量子論発見の糸口となった。太陽の表面は絶対温度6000Kの黒体放射に近い放射を出している。[小出昭一郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こく‐たい【黒体】
〘名〙 入射するすべての波長の輻射(ふくしゃ)を、完全に吸収する理想的な物体。輻射を完全に遮断する壁で囲んだ空洞に、きわめて小さな穴をあけ、全体を一定温度にしておいて外からこの穴を見る時完全に近い黒体が実現できる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

黒体
コクタイ
black body

すべての波長の光を吸収する物体.炭がこれに近い.黒体でつくられた空洞内では,温度によって決まる熱放射の平衡状態が出現する.空洞に小さな穴を開け,その穴からのぞけば熱平衡にある黒体放射を観測することができる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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