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黄鉄鉱【おうてっこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

黄鉄鉱
おうてっこう
pyrite
FeS2 。真鍮色の等軸晶系の鉱物。比重 4.95~5.10,硬度6~6.5。立方体,正八面体などの単晶あるいは集合体で産出するが,金,銀,銅,鉛,亜鉛などの金属鉱脈中に混って出ることも多い。条痕は緑黒。金属光沢がある。容易に酸化分解し,赤鉄鉱褐鉄鉱針鉄鉱に変る。同時に硫酸を生じ,石膏鉄明礬などを生成することがある。産出時の色は金とまぎらわしいが,酸に対する反応で区別することができる。鉄の原料としてよりも以前はむしろ硫黄の原材鉱物として利用された。すなわちこれを焼いて亜硫酸ガスとし,硫酸とする。産地は高知県白滝鉱山,宮崎県槇峰鉱山,岡山県棚原鉱山など。

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デジタル大辞泉

おう‐てっこう〔ワウテツクワウ〕【黄鉄鉱】
硫黄からなる鉱物。金属光沢を帯びた淡黄色であるが、条痕(じょうこん)色は黒色六面体の結晶のほか八面体や塊状をなして産出。等軸晶系硫酸製造の硫黄の原料になる。パイライト

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

おうてっこう【黄鉄鉱 pyrite】
化学組成FeS2の鉱物。鉄は地殻に多量に存在する元素で,日本は硫黄に富む地域であるので,黄鉄鉱は日本でもっとも豊富な硫化鉱物である。硫黄の資源として,また硫黄を採取した後は鉄の原料として用いられるが,近年では石油から硫黄が大量に回収されているので,資源としての重要性が低下している。各地の鉱山から他の鉱物に伴って産出する黄鉄鉱は公害源(硫黄分が酸化されて硫酸となる)として有害視されることもあるが,将来に備えて現在利用されていない黄鉄鉱を備蓄することも考えられている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おうてっこう【黄鉄鉱】
鉄と硫黄の化合物。淡黄色で金属光沢がある。各種岩石・鉱床中に広く分布し、かつて硫酸の製造や製鉄に用いられた。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

黄鉄鉱
おうてっこう
pyrite
比較的低温生成の各種金属鉱床中に産するもっとも普通の硫化鉱物の一つ。低温熱水鉱脈鉱床、黒鉱鉱床を含む噴気性堆積(たいせき)鉱床、含銅硫化鉄鉱床などのほか、泥質堆積岩、石炭、還元性条件下の湖水堆積物、深海底のスモーカー(熱水からの沈殿物が堆積した煙突状の構造物)周辺堆積物中などに産する。十分な硫黄(いおう)の供給条件および低温条件下での生成になるため、硫黄に乏しい条件下で産する鉱物(たとえば砒(ひ)鉄鉱・紅砒ニッケル鉱・サフロ鉱など)とは共存しない。地表条件で、あるいはバクテリアなどの作用で分解され、最終的には硫酸化合物といわゆる褐鉄鉱(鉱物学的には針鉄鉱)になる。液体包有物として硫酸第一鉄溶液などを含んでいると分解が早い。白鉄鉱とは同質異像関係にあるが、その安定領域は明らかではない。しかし加熱すると黄鉄鉱に転移する。
 もっとも普通の共存鉱物は、黄銅鉱・閃(せん)亜鉛鉱・方鉛鉱など。形態は立方体・正八面体・正十二面体・正二十面体およびこれらを基調とした立体で、非常に変化に富み、三方晶系の対称を示すものも知られている。含ニッケル変種は黄鉄ニッケル鉱bravoite(化学式(Fe,Ni)S2)とよばれる。肉眼的には真鍮(しんちゅう)色の金属光沢で、硫化物としては硬度の高い部類に属する。日本における産地はきわめて多いが、なかでも三重県紀州鉱山(閉山)や福岡県吉原鉱山(閉山)の一稜(りょう)の長さ15センチメートルを超えるものや、新潟県赤谷(あかたに)鉱山(閉山)の三方変形結晶の産出例は有名である。近年、公害源物質として重視され、微量成分の研究が進んでいる。英名はギリシア語の「閃光」に由来する。[加藤 昭]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

おう‐てっこう ワウテックヮウ【黄鉄鉱】
〘名〙 鉄と硫黄からなる金属鉱物。化学式 FeS2 六面体の結晶が多く、淡黄色で金属光沢を示すが条痕色は黒。種々の岩石・鉱床中に広く分布し、硫酸製造の原料などに利用される。〔鉱物字彙(1890)〕

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化学辞典 第2版

黄鉄鉱
オウテッコウ
pyrite

FeS2.もっとも広く分布する鉄の硫化鉱物.Feの一部を置換して,Ni,Coが入ることがある.種々の火成岩たい積岩変成岩のなかに,また含銅硫化鉄鉱の塊として産出する.立方体,五角十二面体,正八面体などの面よりなる大きな結晶として産出することも多い.立方晶系,空間群 Pa3,格子定数 a0 = 0.542 nm.密度5.02 g cm-3.硬度6~6.5.淡黄色の金属光沢で,硫化鉱物のなかでもっとも硬度が高い.融点642 ℃.塩酸に溶けず,微粉はHNO3に溶ける.硫酸の原料として用いられる.条痕は緑黒色.脆弱で貝殻状または不規則な断口を示す.へき開は立方体の面に平行であるが不明瞭である.立方体と五角十二面体の結晶面には,その稜に平行な条線が見られる.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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