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黄疸【おうだん】

妊娠・子育て用語辞典

おうだん【黄疸】
胆汁色素であるビリルビン(黄色の色素)が皮膚粘膜に沈着した状態。肌や、白目の部分が黄色く見えます。赤ちゃんで一番多いのは新生児黄疸生理的黄疸)で、これはふつう生後1~2週間くらいから徐々にひいていきます。母乳の赤ちゃんは1~2か月くらい続く(=母乳性黄疸)こともあります。

出典:母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授)
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デジタル大辞泉

おう‐だん〔ワウ‐〕【黄×疸】
胆汁色素が血液中に増加し、皮膚や粘膜が黄色くなる状態。胆嚢(たんのう)肝臓病気赤血球が多量に破壊される病気などで起こる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

黄疸
 血液中にビリルビンが増加した状態.皮膚や眼球に明白な黄色をみる.新生児黄疸のように,生理的なものもあるがほとんどが病態.原因によって分類される.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

おうだん【黄疸 jaundice】
胆汁色素(ビリルビン)が血液および組織中に増加した状態を意味し,臨床的には血清,皮膚,粘膜が黄色に染まる状態をいう。jaundice,icterus(ラテン語由来)はもともと黄色を意味する言葉であったが,現在は黄疸を指す言葉として用いられている。正常者の血液では血清ビリルビンは1mg/dl以下であり,血清ビリルビンが3mg/dl前後以上の場合に黄疸として認識できる。一般に黄疸は単にビリルビンの増加する場合と,同時に胆汁成分,たとえば胆汁酸の増加を伴う場合とに分けられるが,前者は高ビリルビン血症hyperbilirubinemia,後者は胆汁鬱滞(うつたい)cholestasisと呼ばれている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おうだん【黄疸】
ビリルビン(胆汁色素)が血液中や組織中に異常に増えて、皮膚や粘膜が黄色くなる症状。肝細胞の機能異常、胆道の閉塞、赤血球の過剰破壊などによって起こる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

黄疸
おうだん
jaundice; icterus
高ビリルビン血症ともいう。血液中のビリルビン (胆汁色素) が増量して,皮膚や粘膜が黄染する状態をいう。肝臓,胆道の病気や赤血球の破壊が高度の場合に現れる。ミカンなどに含まれるカロテンなどの天然色素が皮膚に沈着して黄色に着色した状態 (柑皮症) を黄疸と誤ることもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

黄疸
おうだん
jaundiceicterus
血液中のビリルビン(胆汁色素)が異常に増加し、皮膚、粘膜、その他の組織が黄染された状態をいう。最初に眼球結膜の黄染を観るが、それは、その成分のなかのエラスチンがビリルビンに染まりやすく、白いために黄染を発見しやすいことによる。ビリルビンは赤血球内のヘモグロビン(血色素)の代謝産物で、細網内皮系細胞と肝細胞のなかでつくられ、胆汁中に含まれて排泄(はいせつ)される赤黄色の色素である。健常人での血清ビリルビン値は1デシリットル中に平均0.6ミリグラムで、1.0ミリグラムを超えることはない。したがって、血清ビリルビン値が1.0ミリグラム以上に増えることが黄疸(高ビリルビン血症)であるが、この値が2~3ミリグラム以上にならないと肉眼で見える黄疸(顕性黄疸)にはならない。1.0~2.0ミリグラムの間は潜在性黄疸である。ビリルビンは、肝細胞内でグルクロン酸抱合を受けた抱合型ビリルビンと、抱合を受けていない非抱合型ビリルビンとに分けられる。抱合型ビリルビンの多くはジアゾ試薬(スルファニル酸、塩酸、亜硝酸ナトリウム)を加えると、ただちに赤紫色を呈するので直接型ビリルビンとよばれ、一方、一部の抱合型ビリルビンと非抱合型ビリルビンはアルコール処理後に初めてジアゾ試薬で呈色するため間接型ビリルビンとよばれる。この直接型と間接型のビリルビンの血中での増え方を調べることにより、黄疸の原因を診断することができる。
(1)閉塞(へいそく)性黄疸 胆石や腫瘍(しゅよう)などで胆管の閉塞がおこり、胆管から腸管への胆汁の流出障害をおこす場合で、直接型ビリルビンが増える。
(2)肝細胞性黄疸 肝細胞の機能障害により胆汁分泌障害をおこす場合で、急性肝炎がその代表で、直接型と間接型ビリルビンの両方とも増える。
(3)溶血性黄疸 過剰の赤血球破壊によっておこる黄疸で、間接型ビリルビンが増加する。
(4)体質性黄疸 遺伝的素因によっておこる黄疸で、直接型ビリルビンが増えるデュビン‐ジョンソンDubin-Johnson症候群とローターRotor症候群、間接型ビリルビンが増えるジルベールGilbert症候群、クリグラー‐ナジャーCrigler-Najaar症候群などがある。[太田康幸・恩地森一]

症状

皮膚や粘膜の黄染以外に、皮膚のかゆみ、徐脈、倦怠感(けんたいかん)、右季肋(きろく)部(右側の最下方にある肋骨(ろっこつ)部)の疼痛(とうつう)、発熱などである。診断は、肝機能検査、十二指腸ゾンデによる胆汁の検査、腹部超音波診断、CT、MRCP(Magnetic Resonance Cholangio Pancreatographyの略称で、MRIを用いた胆管膵管撮影のこと)、内視鏡的膵(すい)胆管造影、経皮経肝胆道造影法などで行われる。なお、柑橘(かんきつ)類をたくさん食べるとカロチンが血中に増え、とくに手のひらが橙黄(とうこう)色を呈するので、黄疸と鑑別する必要がある。[太田康幸・恩地森一]

治療

原因・原病の除去と肝庇護(ひご)療法が行われる。肝庇護療法は安静、栄養、薬物療法からなる。安静は肝細胞性黄疸でとくに重視される。栄養は炭水化物とタンパク質を十分に与え、脂肪を制限し、アルコール性飲料は禁止する。高度の肝細胞性黄疸や頑固な肝内閉塞性黄疸に対しては、副腎(ふくじん)皮質ホルモンが奏効することがある。経過は原病によって差がある。[太田康幸・恩地森一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

おう‐だん ワウ‥【黄疸】
〘名〙 胆汁に含まれている胆汁色素が、多量に血液中に現われ、皮膚や粘膜などが黄色になる病気。体内で赤血球が一度に多量にこわれた時におこる溶血性黄疸、肝臓自体の病気でおこる肝性黄疸、胆汁を運ぶ胆道が閉塞されたためにおこる閉塞性黄疸がある。黄病。〔十巻本和名抄(934頃)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

黄疸(症候学)
概念
 血中で上昇したビリルビンが皮膚や粘膜に沈着して黄染した状態を黄疸という.血清総ビリルビン値が2.5 mg/dL程度となると黄疸が認められるようになる(顕性黄疸).皮膚の色は溶血性黄疸ではレモン色調,肝細胞性黄疸ではオレンジ色調であり,胆汁うっ滞が長期に持続すると緑色調を呈する.
病態生理
 【⇨9-1-3)】
鑑別診断
 高ビリルビン血症は表2-3-1のような疾患で起こるが,まず直接型,間接型ビリルビンのどちらが優位かで分類すると,病態生理上,理解しやすい.黄疸を主訴に来院する患者のほとんどは直接型ビリルビン優位の黄疸であり,肝細胞性黄疸と閉塞性黄疸,なかでも急性ウイルス肝炎,薬物性肝障害,悪性腫瘍による胆道閉塞が多いことを考慮する.
1)問診:
問診上,尿と便の色の確認が重要である.頻度の高い肝細胞性黄疸および閉塞性黄疸では,抱合ビリルビンは腸管への排泄障害が高度になると血中に逆流して増加し,この結果,尿が濃染し便の色が薄くなる.
 ついで,倦怠感,食欲不振などの急性肝細胞障害に伴う症状の有無を確認する.これらを認めなければ,肝内胆汁うっ滞および閉塞性黄疸を念頭において,薬物の服用(前者では薬物性が多い)や閉塞性黄疸の鑑別に必要な腹痛の有無,体重減少を確認する.
 急性肝細胞障害の症状があれば,急性ウイルス肝炎,アルコール性肝炎,薬物性肝障害などの肝細胞障害型を念頭において,鑑別に必要な最近の海外渡航歴,不特定多数との性行為の有無,生ものの摂取,飲酒および薬物服用,肝疾患の家族歴などを聴取する.このほかにも必要な問診はあるが,診断の方向性のついた時点であらためて聴取する.
2)診察:
皮膚の黄染の程度から血清ビリルビン値はある程度,類推可能である.肝脾腫の有無,腹部腫瘤の触知,圧痛など,肝胆膵疾患に対する診察を行う.
3)血液検査:
総ビリルビン,直接ビリルビン,AST,ALT,LDH,ALP,γ-GTPが鑑別上,重要である.血液検査の結果が判明すれば,血清ビリルビン上昇が直接型,間接型どちらが優位かわかり,間接型優位であれば疾患はかなり限られる.直接型優位では,トランスアミナーゼ優位の上昇であれば肝細胞性黄疸を,胆道系酵素(ALPとγ-GTP)優位の上昇であれば肝内胆汁うっ滞と閉塞性黄疸を考え,鑑別診断を行う.肝酵素がすべて正常の場合は体質性黄疸を疑う.
4)画像診断:
閉塞性黄疸の有無の確認と鑑別診断に有用である.すぐ実施可能であれば,腹部超音波検査もしくは腹部造影CTを血液検査のための採血の前後に行うのがよい.黄疸以外の症状がみられない場合は閉塞性黄疸か肝内胆汁うっ滞の可能性が高く,画像診断は両者の鑑別に有用である.
5)各疾患の鑑別のポイント:
以下,各疾患の鑑別のポイントを表2-3-1の順序に従って説明する.
 a)間接ビリルビン優位の黄疸:間接型優位では,血清LDH上昇があれば溶血性黄疸を疑い,網状赤血球の増加,尿中ウロビリノーゲンの強陽性,血清ハプトグロビン値の低下を確認する.溶血が否定されれば体質性黄疸が考えられる.
 Gilbert症候群とCrigler-Najjar症候群は,ともにビリルビンUDP-グルクロン酸転位酵素(UGT1A1)の遺伝子異常で起こり,非溶血性遺伝性間接ビリルビン血症とでもよぶべき疾患である.臨床的には,総ビリルビン値6 mg/dL未満と以上で両者を区別する.【⇨9-10】
 b)肝細胞性黄疸:急性ウイルス肝炎の頻度が高く,肝細胞障害型の薬物性肝障害がこれにつぐ.各種ウイルスマーカー,IgG,抗核抗体を調べる.これらの結果から,急性ウイルス肝炎(B型慢性肝炎の急性増悪も含めて),アルコール性肝炎,自己免疫性肝炎が否定されると,薬物性肝障害の可能性が高くなるので,健康食品も含めた薬物服用歴を詳細に聴取する.
 黄疸のある肝硬変は非代償期や進行肝細胞癌合併例であり,画像診断が容易である. c)肝内胆汁うっ滞:急性は薬物による場合が多い.
 反復性の肝内胆汁うっ滞はわが国ではまれな疾患である.良性反復性は黄疸の既往歴の確認と原因遺伝子FIC1
の遺伝子分析を行う.妊娠性のものは,他疾患の除外と出産後,速やかに軽快することから診断する. d)閉塞性黄疸:高度の黄疸は腫瘍(胆道癌,膵頭部癌,十二指腸乳頭部癌)によることが多く,胆石や胆道感染症では,黄疸の程度は概して軽度である.超音波検査に加えて造影CTを行う.MRCP(magnetic resonance cholangiopancreatography)も有用である.必要があれば治療もかねてERC(endoscopic retrograde cholangiopancreatography)を行う. e)直接ビリルビン優位の体質性黄疸:Dubin-Johnson症候群,Rotor症候群ともまれな疾患である.ICG試験が両者の鑑別に有用で,前者ではほぼ正常であるが,後者では高度に遅延する.Dubin-Johnson症候群については,尿中コプロポルフィリン分画を調べ,興味があれば原因遺伝子MRP2の分析を行う.[滝川 一]

出典:内科学 第10版
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