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骨髄【こつずい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

骨髄
こつずい
bone marrow
骨の髄腔や海綿質を満たしている軟らかい組織で,正常な成人の場合では赤血球ならびに顆粒白血球をつくりだす唯一の場所である。造血機能を営む骨髄は赤色骨髄 (細胞髄) といい,白血球形成が強いと灰黄色を帯びてくる。子供の骨髄はすべて赤色骨髄であるが,発育とともに,長管骨では黄色の脂肪骨髄 (黄色骨髄) に変り,短骨や扁平骨にだけ赤色骨髄が残る。慢性消耗性疾患の患者や老人では,脂肪髄が湿潤半透明の性質を帯びるので,膠様骨髄と呼ばれる。再生不良性貧血などで骨髄の機能低下がある場合には,他人の骨髄を移植して回復させる骨随移植法の行われることがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こつ‐ずい【骨髄】
骨の内腔を満たしている柔らかい組織。赤血球白血球血小板をつくる造血器官で、赤い色を呈するが、年齢とともに脂肪が増加して黄色くなる。
心の奥。心底。「無念骨髄に徹(とお)る」
最も重要な点。主眼。骨子。
「それ小説は情態をうつすをもて其(その)―となすものなり」〈逍遥小説神髄

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

骨髄
 骨の中心部で,赤血球や顆粒球を作る部位

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

こつずい【骨髄 bone marrow】
骨の内部にあって,骨髄腔や海綿質腔を満たす軟らかい組織。赤骨髄(赤色骨髄ともいう)と黄骨髄(黄色骨髄ともいう)とがあり,前者は造血にあずかる。胎児や生後すぐには赤骨髄のみからなるが,成長するにつれて徐々に脂肪化して黄骨髄におきかわり,造血能を失う。成人の骨髄は平均2600gあり,その半量が赤骨髄,残りが黄骨髄で,長骨の骨端や,胸骨のような扁平骨の骨髄は生涯赤骨髄のままである。 骨髄には洞様毛細血管sinusoid capillaryとよばれる太い毛細血管が走り,血管の外は細網繊維が網をつくり,その網目に数多くの造血細胞がつまっている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こつずい【骨髄】
骨の中心にある腔所や海綿質の小腔を満たす、細胞と血管に富んだ軟らかな組織。元来は赤色で、赤血球・白血球・血小板を盛んに造るが、年齢とともに脂肪に置換されて黄色くなり、機能を失う。
心の中。心の底。 → 骨髄に徹てつする
要点。骨子。 「希臘思想の-は実に此肉霊の調和にあり/希臘思潮を論ず

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

骨髄
こつずい
骨の中心部にある骨内膜で区画された軟らかい部分のこと。ここは血球の産生場所であり、成人の場合、造血は全身にある骨髄で行われている。体重の4.5%が骨髄である。成人の長管骨(大腿骨(だいたいこつ)など)を縦に切開すると、関節に近いところは赤色をしており、中央は黄色をしている。赤いところは赤色髄とよばれて血球をつくる役割を果たし、また黄色いところは黄色髄(脂肪髄)とよばれ、脂肪が蓄えられている。空中を飛ぶ鳥の骨髄は中空になっているが、飛ばない鳥では脂肪が詰まっている。
 幼い年代では、骨髄はすべて赤色髄であるが、年をとるにしたがって脂肪髄が増加し、成人では、頭蓋骨(とうがいこつ)、脊椎骨(せきついこつ)、腸骨、肋骨(ろっこつ)、胸骨などの扁平(へんぺい)骨の骨髄がおもな造血場所になる。しかし、造血がいっそう必要なときには、脂肪髄が赤色髄に変わって造血を行うことができる。顕微鏡で見ると、脂肪髄は大小の脂肪細胞の集まりであり、また赤色髄では細網細胞に囲まれた網の目の中で各種の血球の産生が行われており、赤血球の幼若型(赤芽球)、顆粒(かりゅう)球の幼若型(骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球)、血小板の母細胞(骨髄巨核球)、さらにリンパ球、単球、形質細胞が見られる。なお、骨髄の中には血管が縦横に走っており、静脈の一部が袋状に拡大して洞状になり、その中に、幼若細胞から成熟した血球が、アメーバ様運動によって内皮の間をくぐり抜けて入り、血流にのって全身に運ばれていく。しかし、未熟な血球はけっしてここを通過することはできない。白血病その他の病気で、この洞が壊されると、若い血球(芽球)が血中に入り込むことになる。
 各血球の産生は、造血幹細胞から赤血球、白血球(顆粒球とリンパ球)、骨髄巨核球、単球の母細胞がつくられ、それが何回かの細胞分裂を行いながら成熟していき、赤血球ではその間にヘモグロビンが合成され、顆粒球ではそれぞれの顆粒が備わり、巨核球からは血小板がつくられ、血中に流れていく。またリンパ球は、胸腺を通るとTリンパ球になり、ブルザ相当器官(人体では腸のリンパ組織と考えられる)を通るとBリンパ球となって、生体を外敵から守る力(免疫力)の源泉となる。単球は成熟すると、血中と組織の中に入って貪食(どんしょく)、異物処理を行う。また、骨髄の中には肝臓、脾臓(ひぞう)と並んで鉄が貯蔵されている。[伊藤健次郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こつ‐ずい【骨髄】
〘名〙
① ほねとずい。生きた体を支える体内の中心にあるもの。医学的には骨の内部にある細長い室を満たす柔軟な組織をいう。赤色骨髄と黄色骨髄とがあり、前者は赤血球、白血球などをつくる造血細胞を含み、後者は養分を貯蔵する脂肪細胞を含む。
※今昔(1120頃か)四「火を出して自ら身を焼て骨髄を地に落す」 〔韓非子‐喩老〕
② 体の最も深奥にあるもの。心中。心の底。副詞的に用いられることもある。
※正徹物語(1448‐50頃)上「能々我身をそれになしはてて案ずれば、骨髄に通じて面白き也」 〔戦国策‐燕策下・王喜〕
③ 最も大切なところ。要点。主眼。骨子。真骨頂。
※正法眼蔵(1231‐53)行持下「これすなはち祖宗単伝の骨髄なり」
④ 植物「こうほね(河骨)」の古名。〔薬品手引草(1778)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

骨髄(造血臓器の構造と機能)
(1)骨髄
 骨髄は骨皮質の内側で骨梁と骨梁に囲まれた部位にある組織で,成人では約1600~3700 gの生体内最大の臓器であり,血球成分に富み赤く見える赤色髄と脂肪組織が大部分を占める黄色髄とに分けられる(図14-2-3).赤色髄は,血管系組織と造血組織から形成される.骨髄には2種類の血管系があり,1つは栄養動脈で骨皮質を貫通し,中心動脈となる.髄腔内で中心動脈から分岐した分枝は放射状に骨皮質に向かい骨皮質の中で毛細血管となる.一方,骨皮質からの動脈も皮質内で毛細血管となる.この2つの毛細血管が一緒になり,網目状の静脈洞となる.この洞と洞の間に造血組織が存在する.造血組織はHSCを含む種々の分化段階の血液細胞とそれらを支持するストローマ細胞によって構成される.造血組織は内皮細胞,基底膜,外膜細胞の3層によって静脈洞と隔てられ,造血組織で産生された成熟血球はこの3層の膜を通過して洞内に達する.洞の血管は集合して輸出静脈となり,骨皮質を出る.これによって洞内の血球も体循環に入る.[松村 到]
■文献
Abboud CN, Lichtman MA: Structure of the marrow and the hematopoietic microenvironment. In: Williams Hematology, 7th ed (Lichtman MA ed), pp35-72, McGraw-Hill, NY, 2006.
Dacie JV, Lewis SM: Practical Hematology, 7th ed, Churchill Livingstone, Edinburgh, 1991.
Kipps TJ: The lymphoid tissues. In: Williams Hematology, 7th ed (Lichtman MA ed), pp73-81, McGraw-Hill, NY, 2006.

出典:内科学 第10版
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