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養子【ようし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

養子
ようし
養子縁組によって法定の嫡出子としての身分を取得した (民法 809) 。また養子縁組そのものをいうことがある (たとえば,792条) 。民法旧規定では,家制度の維持を前提とする養子制度を規定していたが,現行法はこれを廃し,子の福祉と保護に重点をおいている。さらに 1987年の法改正により,子の福祉のみを目的として,原則として6歳未満の子についてのみ養子とすることができる特別養子制度が創設された。これにより従来から存在した成年者をも養子とできるものは講学上普通養子と呼ばれ,区別されるようになった。普通養子の養子縁組は婚姻と同じく当事者の合意に基づき,届け出によって成立する (799,739条) 。養親は成年者でなければならない (792条) 。配偶者のある者が未成年者を養子とする場合には,原則として配偶者とともに縁組をしなければならず,成年者を養子とする場合または養子となる場合には,配偶者の同意を得なければならない (795,796条) 。養子となる者は未成年者でも 15歳に達していればみずから意思表示をすることができるが,15歳未満であるときは,法定代理人が代って縁組を承諾する (代諾養子) 。養子となる者が未成年であるとき,後見人が被後見人を養子とするときには,家庭裁判所の許可を得なければならない。尊属または年長者を養子にすることはできない (793条) 。

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世界大百科事典 第2版

ようし【養子】
実子以外の者に実子と同一の地位を認める〈擬制親子関係〉である。第2次大戦前の日本には〈継親子(けいしんし)〉や〈嫡母庶子〉も親子と同一の親族関係を生ずるとされていたが,現行法上は養子が唯一の〈法定親子関係〉である(民法792~817条の11)。養子には〈届出〉によって成立する普通養子のほか,1988年から施行された〈審判〉によって成立する特別養子がある。実親族関係の消滅有無離縁の制限の点に大きな違いがある。

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大辞林 第三版

ようし【養子】
養子縁組によって子となった者。 -になる -に行く

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日本大百科全書(ニッポニカ)

養子
ようし
養子縁組によって子となった者。法律上、養親(養い親)と血のつながりがあるものとして扱われ、したがって、養親の実子と同じ取扱いを受けることになる。[竹内利美]

沿革

「凡無子者、聴養四等以上親於昭穆合者」(凡(およ)そ子(し)無くは、四等以上の親(しん)の、昭穆(しょうもく)に合(かな)えらん者(ひと)を養(やしな)うこと聴(ゆる)せ)と「戸令(こりょう)」(国家の人民掌握や身分制について定めた古代の編目)にあるのが日本の養子制の古い証跡だが、「唐令」を移したこの規定は国情にそぐわぬため、事実上は血縁の親疎有無や輩行にとらわれず、広く養子が行われ、とくに中世武家社会では特殊な発展を示した。そこでは養子は「猶子(ゆうし)」ともいい、また「実子にたてる」とも称して、「家督」継承の養子だけではなく、「養子別家」の形が広く行われて、総領制下における「一族家門」発展の主動因ともなった。また実子幼弱の際は「中継(なかつぎ)相続(名代(みょうだい)相続)」としての養子も広くみられ、後家身分(女子)の養子も認められていた。近世封建制下では「朱印制度」のもと武家の「知行(ちぎょう)(家禄(かろく))」の授与収奪は「主君(将軍・大名)」の専断となったので、「相続養子」は主君の認証を要し、それは幕府の大名統御策と絡んで複雑な養子慣行を生ずるに至った。
 家督相続養子には通例の養子(無子の場合)のほか、順養子(弟)、婿養子(娘婿)、末期(まつご)養子(臨終にあたりたてる)などの特殊養子があり、とくに「末期養子」は大名家廃絶の動揺を防ぐため創案されたもので、むしろ近世初頭の有力外様(とざま)大名排除には「養子認許」を厳しく制限していたのである。「末期養子」は臨終にあたり急拠養子をたて、幕府がそれを認める形であって、要は急変による大名家の廃絶をとどめる苦肉の策であり、さらには「急養子」「心当(こころあたり)養子」「仮養子」という遠国旅中の急変に備えてのいわば「保険的」暫定養子制さえ生じた。しかし「別家養子」の形はほとんど消失し、また女子は「養女」と別称してその規制も緩やかで、多くは婚姻の際の「家格」付与に利用された。明治法制でも初期は近世武家の制を引き継ぎ、戸主と相続人に限り養子を認めるなど、「家」継承の線を固守していたが、「民法」ではその制限を外し、個人的養子も認められた。しかし「家制度」の存続は「跡取り養子」を主体とする形を依然強く残してきたが、一方、個人(雇主)の養子も自在となったので、遊里などの婦女労働の搾取にはそれが悪用もされた。
 一般庶民の養子慣行もほとんど「家(家名・家産)」継承のため行われ、娘か養女に婿を迎える「跡取り養子」が一般的で、「無子」の場合には幼少の女子をまず「養女」として、それに「婿養子」をとる形が多かったのは、実子生誕後のことを思慮しての処置であった。そのほか末弟を迎える「順養子」や夫婦ともどもの「両養子(夫婦養子)」、あるいは衰退した「家」を買い取りながらそれを継ぐ形での「買い養子」などの特殊慣行もあった。一方、家内労働力を補充するため「婿養子」を娘に迎え、やがて別家させる形や、ヤシナイゴ・モライコとして将来の「独立」を約束して幼児を引き取り、家内労働に従事させる養子形式の奉公人もいろいろあった。これらは、「家」継承の養子とはまったく別個で、「家」経営のため家族の一員として取り入れられるもので、法的な養子縁組とは無縁の存在ではあったが、等しく「オヤコ」として保護奉仕の関係をもち、将来の生活の庇護(ひご)にもあたった。今日この類の養子奉公人はほとんど消失したが、漁村などの場合は、児童福祉制下の「里子」などにその残存が移行した例も若干ある。[竹内利美]

養子法の変遷

養子制度は、古くから諸民族、諸国家において認められた制度であるが、家族制度の強固な時代には、家は血縁のある者、ことに男の子によって承継されねばならないという原理が存在し、男の子のない者は他家の男の子を養子として家を承継させることが必要であり、養子制度はもっぱらこの目的に奉仕するものとして用いられた(家のための養子)。家族制度の衰微とともに、このような養子はしだいに姿を消し、それとともに、子のない親の、子をもちたいという「親としての本能」を満足させるため、あるいは親の労働に協力させるとか、さらには老後には子にめんどうをみてもらうために子を養子とするなど、もっぱら親の慰藉(いしゃ)、利益のために養子制度が利用された(親のための養子)。ついで、ことに第一次世界大戦後は、戦争のため生じた多数の孤児、混血児、私生児、その他不遇な子に対し、温かい家庭を与え、その健全・幸福な育成を図る最良の手段として養子制度が注目されるに至った。第二次世界大戦後さらに1960年代以後における世界各国での養子法の修正、発展にはめまぐるしいものがある。そこでは、養子法はもはや家族法の領域から脱して、一種の社会立法であるとさえいわれているのである(子のための養子)。
 日本では、これら諸国と異なり、長らく家族制度が存続していたこともあって、たとえば、明治民法においても、遺言養子、婿養子縁組を認めるなど、家のための養子法の性格がきわめて強かった。第二次世界大戦後の法改正により、新たに未成年養子には家庭裁判所の許可を必要とするなど、近代的養子法への脱皮の努力がみられたが、依然として多分に「家」的な要素が残っており、また現実においても、養子の大半が成年養子であるなど、国民感情、国民的意識の古さをまざまざと見せつけられるのである。
 注目すべきは、1987年(昭和62)の養子法改正(1988年施行)により、従来の養子(以下普通養子という)とまったく異なる「特別養子」の制度が新設されたことである。普通養子縁組が養親子間の契約により成立するのに対し(契約型)、特別養子は家庭裁判所の審判により成立し(宣言型)、また普通養子縁組では縁組後も実方との親族関係が存続するのに対し(不完全養子)、特別養子では縁組により実方との関係がまったく断絶する(完全養子)のであり、そこには、親子一体感を強め実親からの不当な干渉を排除し、もって「子」の福祉を図ろうとする強い姿勢がうかがわれるのである。[山本正憲・野澤正充]

養子縁組の成立

養子縁組は、養親となろうとする者と、養子となろうとする者とが合意して(民法802条1号)縁組届をすることによって成立する(同法799条による739条の準用)。縁組届が受理されるためには、当事者について次のような要件が満たされていなければならない。
(1)養親は、成年に達していなければならない(同法792条)。未成年者も婚姻すれば成年に達したものとみなされるから養親となることができると解される。養子の年齢については、養親より年長であってはならない(同法793条)ということのほかには、なんらの制限もない。
(2)自分より年少者であっても、自分の尊属、たとえば伯叔父母を養子とすることは許されない(同法793条)。尊属でなければ、従兄弟姉妹はもちろんのこと弟や妹、孫、さらには自分の嫡出でない子でも養子にすることができる。
(3)配偶者のある者が未成年者を養子とする場合は、配偶者と共同で縁組しなければならない。ただし、夫婦の一方が他方の嫡出子を養子とする場合および他方が意思を表示することができない場合は、一方だけで縁組することができる(同法795条)。つぎに、夫婦の一方が成年者を養子とする場合および夫婦の一方が養子となる場合は、他方の同意を得なければならない。ただし、夫婦が共同で縁組する場合および他方が意思を表示できない場合は、その同意はいらない(同法796条)。
(4)養子となる者が満15歳未満のときは、その法定代理人すなわち親権者ないし後見人が、養子にかわって縁組の承諾をしなければならない(代諾縁組)。父母が離婚し、あるいは嫡出でない子を父が認知したなどして父母の一方が親権者、他方が監護者と定められているときは、代諾権者は親権者であるが、監護者の同意が必要である(同法797条)。また、児童福祉法によれば、児童福祉施設の長は、親権を行使している入所中の児童について、都道府県知事の許可を得たうえで代諾できるとされている(児童福祉法47条)。
(5)未成年者を養子とするときは、それが自分または配偶者の直系卑属(子、孫など)でない限り、家庭裁判所の許可を得たうえでなければ縁組届ができない(民法798条)。もっぱら子の福祉を図るため設けられた規定であるが、日本の養子の大半は成年養子であり、しかも未成年養子の多くも、自己または配偶者の直系卑属である。
(6)後見人が被後見人(未成年被後見人および成年被後見人)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない(同法794条)。養子とすることによって、後見人が財産管理に関する監督を免れようとするのを防止するためである。
(7)当事者間に縁組をする意思の合致がなければならない(同法802条1号)。縁組意思の具体的内容については、これを実質的に解する説と、単に形式的に解しようとする説とがあり、判例は前者の立場をとっている。[山本正憲・野澤正充]

養子縁組の効果

養子縁組届が受理されると、養子は縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し(民法809条)、養親およびその血族と養子との間には、血族間におけると同様な親族関係が発生するから、相互に相続関係、扶養義務関係が発生する。養子縁組当時の養子の血族、たとえば養子の父母や子などと、養親およびその血族との間にはなんの関係も生じない。次に、養子は養親の氏を称し、原則として養親の戸籍に入籍する。ただし、婚姻の際に氏を改めた者は、その婚姻継続中は、縁組によっても氏は変わらない(同法810条)。養子が未成年のときは、実親の親権から脱して養親の親権に服する。養子縁組が成立しても、実父母およびその親族との関係は親権の点を除いてなんらの影響を受けないから、たとえば養子は養父母と実父母との双方の財産を相続することができる。[山本正憲・野澤正充]
特別養子縁組
特別養子縁組は、家庭裁判所の審判によって成立する(同法817条の2)。この縁組を請求できる者は夫婦に限られ、しかも夫婦は、その一方が他方の嫡出子を養子とする場合を除き、共同で養親とならなければならない(同法817条の3)。養親は、25歳に達していなければならない。もっとも一方が25歳に達していれば、他方は20歳に達していればよい(同法817条の4)。養子となる者は、6歳未満でなければならない。もっとも6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されていた者は、請求のとき8歳未満であればよい(同法817条の5)。
 縁組の成立には、養子となる者の父母の同意が必要である。実子については実父母、養子については養父母および実父母、特別養子についてはその養父母の同意である。もっとも父母が意思を表示できないときまたは父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由が父母の側にあるときは、その同意はいらない(同法817条の6)。
 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難または不適当であること、その他特別の事情のあることが必要であり、かつその子を特別養子にすることが子の利益のためにとくに必要があると認められる場合に限り、成立させることができる(同法817条の7)。
 さらに縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を6か月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない(同法817条の8)。特別養子も縁組の一種であるので、普通縁組の効果はこの場合にも認められる。ただし特別養子縁組の成立により、養子と実方の父母およびその血族との親族関係は、生理的血縁関係を基礎として認められている婚姻障害(近親者間および直系姻族間の婚姻の禁止。同法734・735条)を除き、すべて消滅する(同法817条の9)。普通縁組の場合とまったく異なるところである。
 なお、特別養子縁組の審判が確定すると、縁組の請求をした養親は、10日以内にその届出をしなければならず、届出があれば、まず養子について従前の本籍地に養親の氏で新戸籍を編成したうえ、同戸籍から養親の戸籍に養子を入籍させ(戸籍法18条3項)、先の新戸籍はただちに除籍される。このようにして、養親と実親との戸籍の直接の関係はまったく断ち切られるが、中間の除籍された戸籍を通じて、両戸籍の関係を知ることができる。また養親の戸籍における養子の身分事項欄には「……民法八百十七条の2による裁判確定……」と記載されるが、養父母欄を設けず養父母を実父母として記載し、続柄も「養子」でなく、たとえば「長男」のように実子同様に記載し、住民票の記載もこれに準ずる。離縁は原則として認めない趣旨であるが、ごくまれな場合、審判により認められる(民法817条の10)。[山本正憲・野澤正充]

国際養子縁組

養子縁組に関する各国の法制はバラエティーに富んでいる。たとえば、イスラム教国では、養子縁組は禁止されている。他方、養子縁組を認める国のなかでも、養子になった子はそれまでの実方の血族との親族関係を維持したままであり、実親に対する扶養義務が残り、他方、実親の財産に対する相続権も有するという旧来型の養子縁組(普通養子縁組)だけを認める国と、養子になった子とそれまでの実方の血族との親族関係を断絶してしまう新しいタイプの養子縁組(特別養子縁組または断絶型養子縁組)もあわせて認める国(多くの欧米先進国のほか、日本を含む)とに分かれている。また、裁判所の決定によって養子縁組を認める決定型養子縁組制度を採用する国と、それに加えて、当事者間の約束によって養子縁組を認める契約型養子縁組も認める国との違いも存在する。このような国内法の違いは、宗教、文化などに根ざすものであり、世界的な統一法を作成することはほとんど不可能である。そのため、いずれの国の法律を適用するかを定める国際私法によって法秩序が与えられている。
 日本の国際私法典である「法の適用に関する通則法」(平成18年法律第78号)第31条によれば、養子縁組の成立は、縁組当時の養親の本国法によるとされている。これは、養親子の生活が養親を中心に営まれるのが通常であるので、養親の本国法が最密接関係地法であると考えられたことによるものである。もっとも、国籍を異にする養親子の場合、養親の本国法のみによることは養子にとって不利益が生ずるおそれがあるので、養子の本国法が養子縁組の成立について養子や第三者の承諾・同意、または公の機関の許可その他の処分を要することとしていれば、この要件も備えなければならないというセーフガード条項が置かれている(同法31条1項但書)。また、特別養子縁組の場合に生ずる実方の血族との親族関係の終了について、普通に考えれば、終了する関係の準拠法、すなわち、嫡出親子関係であれば同法第28条によって定まる準拠法によることになりそうであるが、そのようにすると、特別養子縁組制度をもたない国の法律がその関係の準拠法となる場合には、養親の準拠法上の特別養子縁組がなされても、実親との嫡出親子関係は断絶しないということになってしまう。そこで、特別養子縁組を望む養親の希望をかなえるため、同法第31条2項は、養子とその実方の血族との親族関係の終了については、養子縁組成立の準拠法によることとしている。他方、離縁については、たとえば離縁当時の養親の準拠法によることとすると、養子縁組当時の養親の準拠法により特別養子縁組として成立した養子縁組が、その法律上離縁がきわめて厳格に制限されているのに、その後、養親の本国法が特別養子縁組制度のない国の法律に変わったために、通常の養子縁組としての離縁の要件を具備するだけで離縁が認められてしまうという不都合が生ずるおそれがある。そこで、同法第31条2項は、離縁については養子縁組当時の養親の準拠法による旨規定している。
 なお、成立した養親子の間の法律関係については、法の適用に関する通則法第32条により、第1段階として、養親と養子の本国法が同一であればその法律により、そうでなければ、第2段階として、養子の常居所地法によるという段階的連結で準拠法が定められることとされている。
 国際養子縁組の実際に目を移すと、世界的に、先進国の者が途上国の子を養子にするという傾向が強い。この背景には、富める先進国では少子化が進み、養子をもちたいと望む者が国内でその候補者を探すことは困難であるのに対し、貧しい途上国では出産のコントロールをしない結果として子供が多く生まれ、養子の供給地になるという事情があるようである。そして、その間に入って、養子の幸せよりも自己の営利目的で途上国の養子を先進国の親に斡旋(あっせん)するブローカーも暗躍している。そこで、国連は、「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」(平成6年条約第2号)において「国際的な養子縁組において当該養子縁組が関係者に不当な金銭上の利得をもたらすことがないことを確保するためのすべての適当な措置をとる」ことを規定した(同条約21条(d))。そして、これを受けて、ハーグ国際私法会議は1993年にそのようなブローカーによる無責任な国際養子を抑制することを目的の一つとする「国際養子縁組に関する子の保護及び協力に関する条約」を採択した。同条約は1995年に発効し、締約国は90か国を超えている(日本は未批准)。
 ちなみに、正確な統計はないが、日本は、他の先進国とは異なり、これまで国際養子縁組の局面では、外国から子供を養子として受け入れるよりも、子供を外国に養子として送り出すほうが多いといわれてきた。その理由としては、国内的事情として、
(1)子供のための養子縁組(自分の幸福な生活を不幸な子供たちに分け与えようというもの)ではなく、家系を維持してお墓を守ってもらうという意識からの養子縁組が多く、そのため、風貌(ふうぼう)の異なる子供を養子にすることに消極的であったこと
(2)典型的には10代の未婚者が産んだ子供を周囲の関係者ができるだけ遠くに養子に出してしまおうと画策することが少なくないこと
他方、国外の事情として、
(3)外国に住む日本人・日系人が風貌の似た日本人の子供を養子に迎えるという需要があること
などが指摘されている。[道垣内正人]
『佐藤やよひ・道垣内正人著『渉外戸籍法リステイトメント』(2007・日本加除出版)』

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精選版 日本国語大辞典

やしない‐ご やしなひ‥【養子】
〘名〙 他人の子を自分の子とすること。また、その子。ようし。やしない。
※今昔(1120頃か)一九「其養ひ子は僧にて貴くてぞ有ける」

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よう‐し ヤウ‥【養子】
〘名〙 (古く「ようじ」とも)
① 養子縁組によって子となった者。他人の子をもらい育てて、自分の子とすること。また、そのもの。普通、女子の場合は養女ということが多い。養い子。
※続日本紀‐大宝元年(701)七月戊戌「其伝封之人亦無子聴更立養子而転授之
※日葡辞書(1603‐04)「Yǒji(ヤウジ)、または、Yǒxi(ヤウシ)。ヤシナイゴ」
※民法(明治三一年)(1898)八六〇条「養子は、縁組の日より、養親の嫡出子たる身分を取得す」 〔後漢書‐順帝紀〕
② 強窃盗にはいることをいう、盗人仲間の隠語。〔日本隠語集(1892)〕
※落語・閉込み(1897)〈三代目柳家小さん〉「家後切(やじりきり)を養子に行くとか云ふ」

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デジタル大辞泉

よう‐し〔ヤウ‐〕【養子】
養子縁組みによって子となった者。→養親

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