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音律【おんりつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

音律
おんりつ
temperament
音楽用語。音楽に使用される音高の相対的関係を,音響物理的に規定したもの。音の絶対的な高さは,発音体の振動数によって決定することができるが,音高の相対的な関係は,振動数の比率によって表わされる。振動比をどのような原理に基づいて規定するかによって,種々の音が生じる。古代ギリシアでは,振動比2分の3の純正5度を重積することにより得られる音律 (ピタゴラス音律) が考えられた。しかしこれは長3度が 64分の 81という不協和な響きを生じるという難点から,3度が次第に重要視された中世にいたって,振動比2分の3の5度とともに,4分の5の協和的長3度を基礎とする純正律が用いられた。この純正律も転調に欠点があり,ルネサンス期には中全音律が考案され,さらに 18世紀には,オクターブを 12の半音に平均に等分する 12平均律が採用された (→平均律 ) 。東洋,日本では「十二律」といって「三分損益法」によって求められた音律が通用している。

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デジタル大辞泉

おん‐りつ【音律】
楽音の調子。また、音楽。
音の高さの相対的な関係を整理した体系純正調・平均律など。

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世界大百科事典 第2版

おんりつ【音律】
音階を構成する諸音の音高関係を数理的に規定したものを音律と呼び,一定の音律に従って楽器の音を整えることを調律という。中国および日本では,音律に近い概念を表す言葉として楽律が用いられてきた。音律は古来,地域的にも歴史的にも種々のものが考案されてきたが,その中には純理論的・数学的な関心から生まれ,実用に付されなかったものも少なくない。音楽で実用された音律は,理論的整合性と実践的要求との調和を求めて変遷してきたといえる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

おんりつ【音律】
音楽に使われるすべての音の音高関係を、一定の原理に従って厳密に決定したもの。時代や民族によって様々な方法がある。ヨーロッパ音楽で用いられる主なものには、ピタゴラス音律、純正律、中全音律、平均律などがある。
楽音の調子。また、音楽。 「目まぐるしく-に乗つて動いた/或る女 武郎

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日本大百科全書(ニッポニカ)

音律
おんりつ
音階中の各音の音程関係を規程する基準。音律に応じて実際に楽器の音高を決定することを調律という。
 中国、日本の音律は十二律である。音程は2音の振動数の比で決まるが、振動比3:2の完全5度を順に重ねると12番目の音がほぼ基準音と一致する。このことからオクターブ内に12の音を定めたのが十二律で、西洋のピタゴラス音律と同一である。方法は、管長の3分の1を交互に加減する三分(さんぶん)損益法であり、60律、360律まで求めた記録もある。十二平均律は西洋より早く明(みん)の朱載(しゅさいいく)が発見したが、すでに南朝宋(そう)(420~479)で試算されており、日本でも和算家中根元圭(げんけい)が1692年(元禄5)の『律原発揮』のなかで試みている。しかしこれらはすべて理論にとどまり、実際には12の律管で調律した。そのほかインドではシュルティと称し、弦の半分を9等分し、残りの半分を13等分して得られる22律が使われ、タイでは7律が、3/4音の使用を特徴とするアラビアでは、古くは9律や7律、現在ではメシャーカの考案した二十四平均律が使われる。インドネシアにはスレンドロ音階(ララス)、ペロ音階など5音、7音の調律体系があるが、統一的ではなく、逆に合奏楽器ごとの微妙な差異が尊ばれている。
 西洋音楽の音律理論は古代ギリシアのピタゴラス音律に始まる。求め方は十二律と同じだが、12番目の音は厳密には基準音より

高く、その差を「ピタゴラスのコンマ」という。のちオルガヌムの発達とともに長3度、長6度の不協和が問題となり、一つの調体系のなかで主要三和音が協和する純正律が考案された。また中全音律では、大全音と小全音を平均した中全音(ミーン・トーン)により協和関係を近親調まで広げ、転調が容易にされた。しかしこれも、遠隔調への転調が進むにつれ、12の等しい半音からなる十二平均律に移行する。この平均律では転調が完全に自由となり、後期ロマン派から印象主義、十二音音楽に至る西洋音楽の隆盛がもたらされた。[橋本曜子]

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精選版 日本国語大辞典

いん‐りつ【音律】
〘名〙 音楽の調子歌舞音曲一般の呼称。
※文明本節用集(室町中)「音律 ンリツ」

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おん‐りつ【音律】
〘名〙
① 各種の楽音の調子。音楽の調子。また、音楽。
※曲附次第(1423頃)「曲(ふし)をただし、音律を習知するは、流躰を作付する也」 〔説苑‐脩文〕
② 音楽に使われる音の高さの相対的な関係を、音響学的に位置づけた平均律、純正調などの体系。
③ 中国、日本音楽の十二律で、音の高さのこと。

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