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電力系統【でんりょくけいとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

電力系統
でんりょくけいとう
electric power system
発電所,変電所,開閉所,送電線配電線,需要者の電力設備 (負荷) などが相互につながった電力の発送配電システムを電力系統と呼ぶ。電力の発生,輸送,消費は同時に行われ,そのうえ負荷の需要は時々刻々変化するが,電力系統には電力の周波数や電圧を規定値に保持し,かつ停電の少い運転が望まれている。それゆえ発電所で発生した電力を確実に,効率よく,経済的に需要端に輸送することが電力系統の使命であり,電力輸送の目的である。電力の輸送は慣用的に送電と配電に区別され,両者の境界は配電用変電所の出口である。電力系統の基本構成はほぼ次のようになっている。需要地から遠く離れた地点の大容量発電所の発電機の発生電力 (発電電圧 11~24kV) は変圧器によって,275~500kVに昇圧されて,超高圧,超々高圧送電線によって大都会近郊の一次変電所に送られる。ここで降圧されて二次変電所,配電用変電所 (三次変電所ともいう) へと送られる。一方,需要地に近い火力発電所は直接これらの変電所につながれる。需要者へは需要電力の大小によって,154kV (110kV) ,66kV (77kV) ,6.6kV,200V/100Vなど種々の電圧で電力を供給している。一般の家庭には配電用変電所から配電線,柱上変圧器を経て 200V/100Vで配電される。

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デジタル大辞泉

でんりょく‐けいとう【電力系統】
電力会社が電気を消費者に供給するためのシステム全体のこと。発電所・変電所・送電線・配電線などの設備。

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

でんりょくけいとう【電力系統 power system】
さまざまな電気エネルギーの要求に応じて電気を発生し,それを輸送,分配するシステムの全体を電力系統という。したがって電力系統とは,電気を大規模に発生するいろいろな型の電源設備と,電気を輸送に適した形にととのえる変電所,変換所,開閉所や,電気を輸送する架空線,地中線,電気を分配する配電線などの流通設備と,工場,ビルディング,一般家庭などのさまざまな需要家を総合したものであり,地域的にも日本全国に広がった多種多様で膨大な設備が含まれている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

電力系統
でんりょくけいとう
電力の発生、輸送、需要家への供給のための、発電所、送電線、変電所、配電線などと制御システムの全体を総称していう。電力を発生する発電機としては、水力、火力、原子力によるものが主体であり、一部、地熱、風力、太陽光などがある。水力発電は、水が高いところから下に落ちるときのエネルギーを利用して発電機を回し電気をおこすもので、高落差かつ豊富な水量が得られる山地に建設される。火力発電は、重油、原油、ナフサなどの石油系燃料、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)などのガス燃料、石炭を微粉炭とした燃料、あるいは石炭を使用した新しいCOM(coal oil mixture=石炭・石油スラリー)などを燃焼させ、その蒸気エネルギーで発電機を回して電気をおこすものである。当初は需要家近傍に建設されていたが、環境汚染の面から逐次遠隔化し、需要地から100キロ~200キロメートルも離れている場合がある。原子力発電は、原子炉の中でウランを核分裂させ、発生する熱エネルギーを発電に利用するもので、当初から需要の中心地より200キロ~400キロメートルの遠隔地に建設されることが多い。
 電力系統では電力の発生と消費をつねに一致させなければならない。一致していない場合は周波数が変動し、これによってモーターの回転数が変わるなどの悪影響が生じる。このため、各発電所で発生する電力を送電線にて結合させ、発生と消費をつねに一致するよう制御する必要がある。発電機の発生電圧は絶縁に要するコストの面から10キロ~20キロボルトが最適であり、一般家庭の電圧は主として安全性の面から100ボルトが用いられる。遠隔の発電所からの電力の輸送のためには高電圧化するほど効率的となる。所定の電力を輸送する場合、電圧が高いほど流れる電流が少なくなり、この分損失が少なくなる。これらを有機的に結合するため、発電所においては変圧器によって高電圧化し、送電線を用いて需要家近傍の変電所まで輸送し、これらの変電所で逐次電圧を低下し、一般家庭には100~200ボルトの電圧で供給している。良質な電気すなわち電圧・周波数が極力所定の値に保たれている電気が望ましいので、消費にあわせ発電力を調整して周波数を一定に維持するとともに、電圧の調整もきめ細かく行っている。
 電力系統は、各地に散在する発電所から送電線を用いて需要家に電力を供給するため、雷、雪、飛来物などつねに自然の脅威にさらされているので、万一事故が発生した場合にも停電と被害を最小限にとどめることが重要である。このため電力系統設備は個々の設備を強固にするとともに、送電線や変圧器を複数個設置し、万一、一部の設備に事故が発生しても当該設備のみの停止にとどめ需要家の停電が起こらないよう配慮している。また、事故が発生したときには事故区間のみをただちに切り離す(事故除去)とともに、事故の波及拡大を防止するための保護リレーシステムを備えている。[内田直之]

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