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【ゆき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


ゆき
地歌の曲名。大坂の峰崎勾当の手になる本調子端歌物。天明寛政年間 (1781~1801) 頃の作で,地歌の代表曲。『歌系図』の編者流石庵羽積の作詞で,浮世を捨てて尼になった女が一生を回想し,捨てかねる芸妓時分の恋心を歌ったもの。大坂南地の芸妓そせきがモデルとされる。有名な合の手はすぐ前の句「夜半の鐘」にちなんだ鐘の音の描写であるが,「雪」の手として雪の降るさまを表わす旋律として誤用されている。この旋律は長唄『綱館 (つなやかた) 』,常磐津宗清 (むねきよ) 』,清元『三千歳 (みちとせ) 』,山田流箏曲『近江八景』や,芝居下座にも用いられている。上方舞でも代表曲とされ,茶の湯の点前に合せて演奏されることもある。箏,胡弓,尺八などの簡単な手も作曲されているが,主体は三弦にあって,他はあくまでも助演にすぎない。

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ゆき
snow
空気中の水蒸気が,空気の上昇に伴う断熱冷却により昇華してできた氷の結晶降水。雪の結晶形には,針状,角錐状,角柱状,星状,板状あるいはそれらが組み合わされたものや不規則な形をしたものがあり,過冷却した水滴が凍結してできた微小な氷の粒をつけたもの,多少水分を含んだものなどがある。雪が降るとき,前述のような結晶が個々ばらばらになって降る場合と,多数の結晶が付着しあった雪片の形で降る場合がある。学術上単に雪という場合は,おもに降ってくる雪を意味し,地上に積もった雪は積雪といって区別する。

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知恵蔵

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デジタル大辞泉

せつ【雪】[漢字項目]
[音]セツ(漢) [訓]ゆき すすぐ そそぐ
学習漢字]2年
〈セツ〉
ゆき。「雪渓雪洞(せつどう)雪月花蛍雪降雪豪雪残雪春雪除雪新雪積雪早雪霜雪氷雪風雪
雪のように白い。白いもの。「雪膚眉雪(びせつ)
洗い清める。すすぐ。「雪冤(せつえん)雪辱
〈ゆき〉「雪国雪空大雪粉雪根雪初雪
[名のり]きよ・きよむ
[難読]雪花菜(おから・きらず)細雪(ささめゆき)雪駄(せった)雪踏(せった)雪隠(せっちん)雪崩(なだれ)吹雪(ふぶき)雪洞(ぼんぼり)雪消(ゆきげ)

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ゆき【雪】
の中で水蒸気昇華し、成長した氷の結晶となって降ってくる白いもの。また、それが降り積もったもの。結晶は六方対称形が多いが、気温や水蒸気の量により形はいろいろ変わる。 冬》「宿かさぬ灯影(ほかげ)や―の家つづき/蕪村
白いものをたとえていう。→雪の肌
特に、白髪にたとえていう。「頭(かしら)にを戴(いただ)く」
芝居などで、雪に見立てて降らせる白紙の小片。
紋所の名。1の結晶を図案化したもの。
《「鱈(たら)」の字の旁(つくり)から》タラをいう女房詞
カブ、また、ダイコンをいう女房詞。

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ゆき【雪】[曲名]
地歌・箏曲(そうきょく)。流石庵羽積(りゅうせきあんはずみ)作詞、峰崎勾当(みねざきこうとう)作曲。天明・寛政(1781~1801)ごろ成立。曲中の合(あい)の手は「雪の手」とよばれ、雪を象徴するものとして、後世の邦楽にも流用されている。地唄舞の代表曲。
謡曲。三番目物金剛流旅僧が摂津の野田の里で雪の晴れるのを待っていると、雪の精が現れて僧に読経を頼み、舞をまう。

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よき【雪】
「ゆき」の上代東国方言。
「上野(かみつけの)伊香保の嶺(ね)ろに降ろ―の行き過ぎかてぬ妹(いも)が家のあたり」〈・三四二三〉

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デジタル大辞泉プラス

日本の唱歌の題名文部省唱歌。発表年は1911年。2007年、文化庁日本PTA全国協議会により「日本の歌百選」に選定

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世界大百科事典 第2版

ゆき【雪 snow】
雲の内部でつくられた氷の結晶が降るもの(降雪),またはそれが積もったもの(積雪)をいう。降る雪は古くから花にたとえられ,雪華,六華(花)ともいわれる。雪の語源にはユキヨシ(斎潔),ユキヨ(斎清。いみきよめるとの意味)などから,〈やすく消える〉との意味から,あるいは神の〈御幸みゆき)〉(神の降臨の意味)からきたなどとする諸説がある。いずれにせよ,古来日本文化の中心であった大和地方や京都では,雪の舞い下りるさまや,純白で積もってもすぐはかなく消える雪を風雅なものととらえ,月や花とともに雪を風流の代表にあげていた。

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ゆき【雪】
(1)地歌の曲名。大坂の峰崎勾当(こうとう)が天明・寛政(1781‐1801)ころに作曲した本調子端歌物。作詞は《歌系図》の編者流石庵羽積(りゆうせきあんはづみ)。尼になって浮世を捨てた大坂南地の芸妓そせきが昔を回想しつつ,仏門に入った心境を格調高く歌っている。宝暦(1751‐64)以降最高潮に達した芸術的創作歌曲である端歌の代表曲。〈心も遠き夜半の鐘〉の後の合の手は〈雪の手〉として知られている。本来は遠くから聞こえてくる鐘の音をしみじみと表したもので,雪の描写ではないが,いつしか雪のイメージに結びつき,のちの三味線音楽では雪の降る情景を表す旋律として利用されるようになった。

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大辞林 第三版

ゆき【雪】
気温が摂氏0度以下の大気の上層で、雲中の水蒸気が凝結し氷の結晶が集まって地上に降るもの。雪の結晶は雪が雲中でできるときの温度と過飽和度により多様な形をとる。古来、雪月花とたたえられて冬の象徴とされてきた。 [季] 冬。
白いこと。真っ白。 「 -の肌」
髪が白いこと。白髪。 「頭かしらの-」
芝居で雪に見立てて用いる白紙の小片。
〔女房詞〕 蕪かぶ。また、大根。
〔女房詞〕 鱈たら
家紋の一。の結晶をかたどったもの。ほかの紋に添えたり、輪郭にして用いる。
地歌。流石庵羽積作詞。峰崎勾当こうとう作曲。天明・寛政(1781~1801)頃の作。地歌または地歌舞の代表曲。

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よき【雪】
「ゆき」の上代東国方言。 「上野かみつけの伊香保の嶺ろに降ろ-の/万葉集 3423

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精選版 日本国語大辞典

ゆき【雪】
[1] 〘名〙
① 雲中の氷晶が併合成長して生じた、白色・不透明の結晶が降ってくるもの。結晶は六方晶系で、星状・角板状・角柱状・針状など種々な形のものがある。《季・冬》
※万葉(8C後)五・八二二「我が園に梅の花散るひさかたの天より由吉(ユキ)の流れ来るかも」
② ①に似た純白なものをたとえていう。→雪の肌
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下「恥しながら自らも御返事申さんとて、ゆきの薄様にかうろぎの墨磨り流し」
③ 特に、白髪にたとえていう。
※古今(905‐914)春上・八「春の日の光にあたる我なれどかしらの雪となるぞわびしき〈文屋康秀〉」
④ 氷を掻きおろして、白砂糖をかけたもの。かきごおり。
⑤ (漢字の旁(つくり)から) 鱈(たら)をいう、女房詞。雪のいお。雪の下。雪のとと。
※御湯殿上日記‐文明一四年(1482)一二月二八日「すゑよりかん二、かいあわ一折、ゆき五まいる」
⑥ 蕪(かぶ)、また、大根(だいこん)をいう女房詞。
※御湯殿上日記‐明応元年(1492)一二月一二日「御たいの御かたより、ゆき、しろ物のめつらしきおほくまいる」
⑦ 紋所の名。①の結晶をかたどったもの。雪、雪輪(ゆきわ)など種々ある。
⑧ 芝居の舞台で雪に見たてて用いる白紙の小片。
※雑俳・柳多留‐三二(1805)「寛永に三角なゆきふりはじめ」
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一四「八月の二日質やへ雪がふり」
[2]
[一] 地歌。天明・寛政(一七八一‐一八〇一)頃大坂の峰崎勾当(みねざきこうとう)作曲。「歌系図」を著わした流石庵羽積(はずみ)作詞。男に捨てられた芸者が浮世を捨てて尼になった心境を歌ったもの。曲中にある三味線の合の手は「雪の手」と呼ばれ、雪を象徴するものとして後世の邦楽によく利用されている。地歌の歌物の代表曲で、地唄舞としても有名。
[二] 謡曲。三番目物。金剛流。作者未詳。旅僧が天王寺参詣の途中、摂津国野田の里で雪に降られ、その晴れるのを待っていると、雪の精が現われて僧に読経を乞い回雪の舞を舞う。

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よき【雪】
〘名〙 「ゆき(雪)」にあたる上代東国方言。
※万葉(8C後)一四・三四二三「上毛野(かみつけの)伊香保の嶺(ね)ろに降ろ与伎(ヨキ)の行き過ぎかてぬ妹が家のあたり」

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