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集団安全保障【しゅうだんあんぜんほしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

集団安全保障
しゅうだんあんぜんほしょう
collective security
対立している国家をも含め,世界的あるいは地域的に,すべての関係諸国が互いに武力行使をしないことを約束し,約束に反して平和を破壊しようとしたり,破壊した国があった場合には,他のすべての国の協力によってその破壊を防止または抑圧しようとする安全保障方式。これは第1次世界大戦後,国際連盟成立によって初めて制度的に実現した。第2次世界大戦後の国際連合もこの方式を重視し,安全保障理事会の決定に基づいて軍事的強制措置をもとることができるようにしたが,あまり効果的な機能は果していない。国連による軍事的強制措置というのは,各国兵力を使用して平和破壊国の行動を抑圧することであるから,実際には戦争を肯定する結果になるためである。安全保障理事会の決議に基づいて軍事的強制措置がとられたのは朝鮮戦争の場合だけで,これもソ連が欠席していたため実現したものである。地域的な集団安全保障については,まだ実現していない。

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知恵蔵

集団安全保障
多数の国家が、国際機構を形成することで、構成国間の武力紛争を予防し、紛争拡大を防止し、平和を回復する国際システム。第一次世界大戦後、勢力均衡に代わる安全保障として提唱され、国際連盟に機構化、国際連合に引き継がれた。戦争の非合法化を原則とし具体的には、紛争を鎮静化させる調停活動、予防外交、侵略や平和の破壊などを認定する手続き、紛争拡大を防止する停戦や兵力撤退などの要請、停戦監視団・平和維持部隊の派遣、経済・軍事的制裁などが含まれる。平和維持活動(PKO)の拡大と、多国籍軍による集団的武力行使の在り方などが、現在の主な争点。なお、北大西洋条約機構(NATO)、日米安全保障条約などは、第3国に対する軍事同盟であり、本来の意味の集団安全保障の機構ではない。しかし米欧などで、集団的防衛(collective defense)の意味で「集団安全保障」という言葉が用いられるなど、混同されることも多いため要注意。
(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

集団安全保障
多数の国が国際機構をつくることで、国同士の武力紛争を予防するシステム。国連憲章では加盟国が武力攻撃を受けた場合、他の加盟国が共同で軍事的な手段を含む制裁措置をとることを定めており、国連軍が制裁を加えることができる。憲章は集団安全保障措置をとるまでの間、加盟国が個別的自衛権他国と連携した集団的自衛権を行使することも認めている。
(2013-03-12 朝日新聞 朝刊 4総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

しゅうだん‐あんぜんほしょう〔シフダンアンゼンホシヤウ〕【集団安全保障】
国家の安全を、一国の軍備拡張や他国との軍事同盟に求めず、多数の国々が協同して相互に保障しようとする制度。国際連合の基本的理念の一。集団保障。集団安保.

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しゅうだんあんぜんほしょう【集団安全保障】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しゅうだんあんぜんほしょう【集団安全保障】
多数の国が条約などによって武力の行使を禁止し、これに違反した国に組織的な強制措置を加えて戦争を防止し、安全を保障する制度。国際連盟・国際連合がその典型的な例。集団保障。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

集団安全保障
しゅうだんあんぜんほしょう
collective security
安全保障の方式の一つで、個別的安全保障ないし勢力均衡と対比される。第一次世界大戦までのヨーロッパにおける勢力均衡の、同大戦による破綻(はたん)の反省にたって国際連盟において制度化され、第二次大戦後の国際連合に引き継がれた。一般にそれは、(1)全加盟国――国際社会全体の場合(普遍的集団安全保障)と一定の地域の場合(地域的集団安全保障)とがある――が相互不可侵を約束する、(2)一加盟国がこの約束を破って他の加盟国を侵略した場合、すべての加盟国がこの侵略をやめさせるために協力する、という二つの要素からなるとされる。国際連合の場合は、(1)加盟国は国際関係において武力による威嚇と武力行使を行わず、紛争を平和的に解決することを約束する、(2)平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為が生じた場合、安全保障理事会の決定により非軍事的および(または)軍事的な強制措置がとられる、という形をとっている。
 このような国連の集団安全保障は、冷戦下では有効に機能しなかった。その原因は、形式的には強制措置の発動に必要な安保理事会の決定のための常任理事国の一致が得られないことにあったが、その実質的な原因はより深く国際社会において集団安全保障が有効に働くための条件(抑止されるべき侵略の内容についての理解とそれに対処するために協力する意思が諸国家に共有されていること)が欠けていたことにあった。そこで国連では従来、集団安全保障にかえて、侵略の認定を行わず、関係国の同意を得て紛争地区に小規模な軍隊を送り、停戦の監視や治安維持にあたらせることにより紛争の平和的解決の条件をつくりだす平和維持活動に力が注がれていた。ところが冷戦末期の米ソ協調の時期以来、安保理事会における常任理事国の一致が可能になり、それに伴って湾岸戦争における対イラクの経済制裁を皮切りに非軍事的強制措置が頻繁に実施されるようになり、また軍事的強制措置も憲章が予定した国連軍によるものはみられないものの、多国籍軍や平和維持軍に武力行使の権限を認めるという形で(もっとも、これについては憲章との両立性に疑問が提起されている)行われるようになった。このような国連の集団安全保障の活性化に伴い、それは大国に対してはけっして発動されえず中小国のみを対象としうること、いったん発動されれば対象国の一般住民にも多大の被害を及ぼすことといったその内在的な矛盾も露呈されることになり、紛争の事前防止の重要性が注目されるようになっている。[松井芳郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しゅうだん‐あんぜんほしょう シフダンアンゼンホシャウ【集団安全保障】
〘名〙 国家の安全を、みずからの軍備の拡張や他国との軍事同盟によるのではなく、多数の国々が協力して特定国の武力の行使を防ぐ体制をつくることによって保障しようとすること。国際連合はこの立場に基づいている。集団保障。

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