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陽子【ようし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

陽子
ようし
proton
水素原子の原子核で,他のすべての原子の原子核を中性子とともに構成する粒子。プロトンともいう。両粒子を合せて核子という。原子番号は核内の陽子数で与えられる。陽子は正電荷e ( e電気素量 ) ,質量 1.67×10-24g (938MeV) ,スピン 1/2 のフェルミオンで,ディラック方程式に従う素粒子である。その磁気モーメントはディラック方程式から予想される核磁子の 2.79倍もある。これは陽子が uudのクォークから成る複合粒子系であることがおもな原因である。自由な陽子は安定であるが,原子核内では中性子に変って陽電子電子ニュートリノを放出することがエネルギー的に可能な場合があり,これは β+ 崩壊の素過程である。陽子の反粒子反陽子と呼ばれ,1955年に E.G.セグレらによって発見された。粒子加速器で加速した高エネルギーの陽子線は種々の核実験や素粒子実験に用いられている。

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デジタル大辞泉

よう‐し〔ヤウ‐〕【陽子】
中性子とともに原子核を構成する素粒子。質量は電子の約1836倍で、正電荷をもち、電気量は電子数と等しい。陽子の個数によって元素の種類が決まる。記号p プロトン。

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素粒子事典

陽子

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世界大百科事典 第2版

ようし【陽子 proton】
プロトンともいう。中性子とともに原子核を構成する素粒子で,両者を核子と総称する。陽子はふつうpで表され,電荷+e,質量数1,スピン1/2,アイソスピン1/2であり,質量は, mP=1.6726231×10-27kg  =938.2723MeVである。異常磁気モーメントをもち,g因子は5.5856912である。陽子は水素原子の原子核であり,水素イオンとして陽子がつくられる。同位体として質量数が2の重陽子(デューテロン),質量数が3の三重陽子(トリトン)が存在する。

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大辞林 第三版

ようし【陽子】
素粒子の一。質量数一の水素の原子核。記号 p  電荷は正の電気素量、スピン 1/2 、質量約 1.673×10-27 kg で電子の質量の約1836倍。バリオンに属する。中性子とともに核子と呼ばれ、原子核を構成、陽子の個数(原子番号)によって元素の種類が決まる。プロトン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

陽子
ようし
proton
素粒子の一つで、プロトンともいう。正の電荷をもち、大きさは電子のそれに等しい。現存の素粒子論では、電荷2/3のuクォーク2個と-1/3のdクォーク1個からできていると考えている。陽子は大きさをもち、その広がりは約10-13センチメートルである。中性子とともに原子核の構成要素であるので、陽子と中性子の総称として核子といわれる。原子核の種類は原子番号と質量数で指定され、化学的性質は原子番号で決まる。原子番号は陽子の個数であり、質量数は陽子と中性子の個数の和で指定される。陽子の質量は1.6726×10-24gで、電子の約1836倍である。スピン1/2でフェルミ‐ディラック統計に従い、その磁気モーメントは約2.7928e/2mpcである(mpは陽子質量、はプランク定数hの2π分の1)。
 真空技術の発達に伴って19世紀なかばに始まる陰極線の研究は、イギリスのJ・J・トムソンによる比電荷(e/me)の測定により電子の存在を確立した(1897)。一方、陽極線の研究は、それが分子線(イオンビーム)であったため、比電荷は陰極線に比べ非常に小さいこと(約数千分の1)がわかったが、その値はばらばらで陽子の存在を確立するに至らなかった。イギリスのE・ラザフォードは、金箔(きんぱく)や白金箔でのα(アルファ)粒子の散乱で大きな散乱角のものが多い現象を分析して、原子のほぼ全質量が原子の中心の非常に狭い領域に集中していることを明らかにし(1911)、原子は、原子のほぼ全質量を担う原子核と、それを取り巻く電子からできているとする原子模型を実証した。こうしてもっとも軽い水素原子の原子核として陽子の存在が確立した。
 宇宙の物質が安定に存在するために、陽子は他の素粒子に崩壊せず安定であることが要求されるが、約1031年以上の半減期で崩壊していても現存の観測事実と矛盾しない。ちなみに、宇宙の年齢は約1.3×1010年である。電磁相互作用、弱い相互作用、強い相互作用の三つの相互作用を統一的に記述する大統一理論(GUT)では、核子数が保存しない相互作用を含むので、陽子が約1031~1032年の半減期で崩壊することを予言する。
 この理論によれば、大爆発(ビッグ・バン)により現存の宇宙が創生される際に、この核子数非保存とCP不変性の破れ(時間反転対称性の破れ)の相乗効果がおこり、その結果、宇宙が物質のみからなり、物質―反物質の対称性が失われていることをよく説明する。陽子崩壊の実験的検証に期待が集まっている。[益川敏英]

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