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銅鐸【どうたく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

銅鐸
どうたく
弥生時代の青銅器の一種。扁円形中空の身と,それを吊下げるためのとから成る。身に流水文袈裟襷文などの文様がある。本来は内部にをもち,鐸身を揺り動かして音を出す一種の楽器であったが,のちに次第に大型化し,祭器へと転化していったと思われる。おもに,広島県から静岡県にかけて分布するが,九州や関東からは小型のものが出土する。朝鮮半島に小銅鐸と呼ばれるものがあって,銅鐸の祖とされている。

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朝日新聞掲載「キーワード」

銅鐸
近畿地方を中心に、中四国から東海地方までの地域で多く出土する弥生時代の青銅器。家畜の首につけられたベルが朝鮮半島経由で日本に伝わり、大型化して様々な文様が施されるようになった。豊作集落の安全を祈る祭祀(さいし)に使われたとみられるが、時代とともに利用法が、音を鳴らした「聞く銅鐸」から「見る銅鐸」に変化していったとされる。
(2015-05-20 朝日新聞 朝刊 1社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

どう‐たく【銅×鐸】
弥生時代青銅器の一。扁円(へんえん)形の釣鐘形をしたベルで、高さ20~150センチ、上部半円形のつまみと両側(ひれ)をもつ。中に吊り下げた棒(舌(ぜつ))と触れ合って実際に鳴るベルから、装飾過多の見るベルに変質。表面に原始絵画や文様を施す。近畿を中心に四国・中国・中部地方にかけて出土。農耕祭器であったと考えられている。

出典:小学館
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防府市歴史用語集

銅鐸
 弥生時代の銅製品で、お祭りのときに使っていました。もともとは[かね]のような楽器でしたが、次第に形が大きくなり、見るためのものになっていきます。

出典:ほうふWeb歴史館
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世界大百科事典 第2版

どうたく【銅鐸】
弥生時代に祭りに使われたとみられる青銅製のカネ()。中国古代の(たく)とは性格を異にし,むしろ(れい)の系譜を引く((すず))。近畿地方を中心として,西は島根香川,高知,東は福井,岐阜,長野,静岡の各県にいたる範囲で,土中納した状況で400個ほど見いだされている。銅鐸の鋳型は,大阪,奈良,兵庫県下で約20個体分見いだされているほか,福岡,佐賀県下でも各1個ずつ見いだされており,銅鐸を使用する祭り自体も,近畿地方を中心とする地帯だけでなく,九州地方でも行われたに違いない。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

どうたく【銅鐸】
弥生時代の青銅器。釣り鐘を扁平にした形の身と、その両側の帯状の鰭ひれ、頭部の半円形の鈕ちゆうからなる。高さは10~140センチメートル。両面に各種の文様、原始絵画を施す。祭器として用いたと推定され、近畿地方を中心に分布。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

銅鐸
どうたく
弥生(やよい)時代に祭礼に用いた青銅製のベル。半環状の吊(つ)り手(鈕(ちゅう))を紐(ひも)にかけて下げ、中空の身(み)(鐸身(たくしん))の内側に棒(舌(ぜつ))を吊るして揺り鳴らすのが本来の鳴らし方である。銅鐸は近畿地方を中心として、西は島根・広島・香川・高知県、東は福井・岐阜・長野・静岡県に至る範囲内で、丘陵の斜面などに穴を掘って埋納、すなわち意識的に1個あるいは複数個を埋め納めた状況下でみいだされており、その総数は400個を超えている。[佐原 真]

形・鋳造

銅鐸の身は筒状を呈し、平面は銀杏(ぎんなん)形ないしは円形、上端は閉じて終わり下端は開いたまま終わっている。身の両側には扁平(へんぺい)な装飾部分である鰭(ひれ)が突出している。身の内面の下端近くには突出した帯(内面突帯)が一、二条巡って舌と接触して発音する。多くの銅鐸には、身の各面ごとに上半の左右、下端の左右にそれぞれ2個ずつ、上面に2個、計10個の小孔が開いている。この型持(かたもたせ)(かたもち)の孔(あな)に関連して、銅鐸の鋳造の方法をみておこう。銅鐸をつくるための鋳型には、外型、内型との2種を必要とする。すなわち銅鐸の形の半面ずつ、計二枚の外型をまず用意し、これをあわせた中に別作りの内型を差し入れ、外型・内型のすきまに融(と)かした青銅を流し込む。この場合、外型・内型の間を正しく保つために用いる支えが型持であって、これが石か粘土か融けない材料でできているため、それを置いた場所が孔として残ることになる。[佐原 真]

文様と絵画

銅鐸は、ほぼ全面を各種の文様で飾っている。身の文様を代表するのは横帯文、袈裟襷(けさだすき)文、流水文である。これらの文様は銅鐸にとって必要なものだったらしく、鋳造段階で不鮮明になったものは、あとから鏨(たがね)で補刻してある。銅鐸には絵画をもつものもある。シカ、イノシシ、水鳥、カメ、トカゲ、トンボ、クモ、カマキリなどの動物、狩りする人、魚をとる人、脱穀する人、舟に乗る人、争う人などの人物、そして米倉とみられる高床建物などの絵がそれである。これらから導かれるもっとも合理的な解釈は、農耕をたたえる物語と読み取る説である。銅鐸の文様・絵画は基本的に弥生土器のそれに共通しており、弥生社会のだれもがそれを理解できたことは明らかである。これは、銅鐸を墓に副葬しない事実とともにそれが特定の個人に所属したものではなく、社会の人々共有の祭器であったことを物語っている。[佐原 真]

変遷・分布

銅鐸変遷の順は、鈕の形状を基準として四段階に大別でき、吊り下げるための機能を果たすにふさわしい実質的な鈕から、装飾過剰の鈕までを追うことができる。銅鐸は、中国の鈴(れい)の系統を引き、おそらく朝鮮半島独特の朝鮮式小銅鐸を祖形とするベルであって、最古・古段階の銅鐸の内面突帯は、舌と触れ合った結果、磨滅して低くなっている。
 銅鐸が近畿地方を中心として分布するのに対して、朝鮮半島製の3種類の青銅武器、銅矛(どうほこ)、銅剣(どうけん)、銅戈(どうか)は、もっぱら北部九州で死者に添えて埋めてあり(副葬品)、また、それを祖形とする日本製品の多くは、祭器として銅鐸と同様、埋納した状況で、九州地方を中心として、中国、四国から近畿地方に至る範囲でみいだされている。この分布を「銅鐸文化圏」「銅矛銅剣文化圏」ととらえて政治圏の対立とみる和辻(わつじ)哲郎の解釈が、これまで広く認められてきた。しかし、現在では、北部九州の二か所で銅鐸の鋳型が、近畿地方の三か所で銅剣や銅戈の鋳型がみつかっており、明確な「文化圏」の対立を説くことはむずかしい。銅鐸がなぜ埋納されたかをめぐってはいろいろの解釈がある。常時土中に保管し、祭りの際のみに取り出して使ったものが、祭りの終焉(しゅうえん)によって埋まったままになったとみるのも一解である。なお、最終的にどうして土中に埋めっぱなしになったかについては、人々共同の祭りが終わりを告げ、壮大な人工の丘に葬られるべき有力な個人が出現したことによってその個人の権威を正統づける祭りが到来したため、とも説明できよう。[佐原 真]
『佐原真「銅鐸の鋳造」(『世界考古学大系2 日本2』所収・1960・平凡社)』

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精選版 日本国語大辞典

どう‐たく【銅鐸】
〘名〙 彌生時代の青銅製儀器。ベル状で、舌(ぜつ)をもつ少数例があるので、楽器としての機能もあったと考えられるが、宗教的儀器・宝器として用いられたものが主。身は鐘を扁平にしたような形で薄く、曲線・直線の幾何学文を付し、人物・動物・家屋などが鋳出されているものがある。多く畿内を中心として発掘される。
※続日本紀‐和銅六年(713)七月丁卯「村君東人得銅鐸於長岡野地而献之」

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旺文社日本史事典 三訂版

銅鐸
どうたく
弥生時代,偏平 (へんぺい) な釣鐘 (つりがね) 状の青銅製祭器
高さは20㎝前後から150㎝。装飾文様は,縦横に交叉する帯を用いて身を6または4区に区画した袈裟襷 (けさだすき) 文・流水文などがある。共同体の祭器らしい。近畿地方を中心に分布し,北九州中心の銅剣・銅鉾文化圏と対照的である。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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