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【きん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


きん
Jin; Chin
女真満州,内モンゴル華北に建てた王朝(1115~1234)。生女真のワンヤンアクダ(完顔阿骨打)が女真を統一,収奪の激しいと戦い,収国1(1115)年独立して帝位につき,太祖と名のって,金と号した。猛安・謀克制による軍事的・行政的制度を華北に移入し,遼に続く征服王朝としての体制を整えた。初め金は,女真文字を作成し,出身地上京会寧府を都として国粋主義に努めたが,第4代海陵王は,中国的専制国家建設を企て,行政改革や燕京遷都を断行。しかし第6代章宗以降,漢化と貧窮化が進行し,漢人による反乱が続くなかで天興3(1234)年,新興モンゴル帝国の侵入により滅亡。

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きん
gold
元素記号 Au ,原子番号 79,原子量 196.96655。周期表 11族,銅族元素の1つ。天然には自然金として産出する。地殻の平均含有量 0.004ppm,海水中の存在量 0.01 μg/l 。資源は主として石英脈中に産する自然金で,母岩の風化沈積により砂金として採取される。単体は美しい黄金色の軟らかい金属で,融点 1063℃,比重 19.3。金属のなかで最も展延性に富み,厚さ 0.1μmの箔を作ることができ,1gを約 3000mの線に伸ばすことができる。化学的には安定であるが,王水に溶け,塩化金酸となる。古くから貨幣,工芸,装飾品の材料として珍重されているほか,陶器類の着色,メッキ,金箔,歯科材料などに用途がある。

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きん
gold
金は財 (貨) であるとともに貨幣であり,貨幣は,交換手段,計算単位あるいはニューメレール,価値保蔵手段としての機能をもつ。計算単位あるいはニューメレールの機能を果すためには,貨幣は一方で価値尺度ないし価値標準,他方では繰延べ払いの標準でなければならない。これら諸機能は各種金属,金属以外の財によって果されたが,最終的には金がになうことになった。金が前記のような諸機能を果す理由は,貨幣用財として他の金属には求められない均質性,耐久性,不変質性,鋳造・融解の容易さ,産出量の安定性,運搬の容易さなどの特質をもつためである。

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デジタル大辞泉

かね【金】
金属の総称。特に、金・銀・鉄・銅など。
貨幣。金銭。おかね。「に困る」「がかかる」「裏でが動く」「がたまる」
[下接語]唐金切り金銭金(がね)遊び金粗金有り金生き金板金打ち金腕金裏金大金帯金下ろし金隠し金掛け金烏(からす)金切り金(がね)腐れ金口金小金黄(こ)金座金差し金地金下金死に金締め金筋金捨て金包み金壺(つぼ)金胴金綴(と)じ金留め金偽(にせ)金延べ金端(はし)金端(はした)金針金火打ち金日金引き金肘(ひじ)金日済(ひな)し金臍繰(へそく)り金真金見せ金耳金無駄金目腐れ金・持ち金・焼き金渡し金

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きん【金】
[名]
銅族元素の一。単体は黄金色で光沢がある。金属中最も展延性に富み、厚さ0.1マイクロメートルの箔(はく)にすることが可能。化学的に安定で、酸化されにくく錆(さ)びず、また、王水には溶けるが、普通の酸やアルカリにはおかされない。自然金の形で主に石英鉱脈中から産出し、母岩が風化したあと川に沈積した砂金としても得られる。貴金属として貨幣・装飾品や歯科医療材料などに使用。比重19.3。記号Au 原子番号79。原子量197.0。こがね。黄金(おうごん)。
値打ちのあるもののたとえ。「の卵」「沈黙は

㋐金貨。また、金銭。「一封」「手切れ
㋑金額を記すときに、上に付けて用いる語。「五万円」
きんいろ。こがねいろ。「ラメのスカーフ」
将棋の駒で、金将
金メダル。「日本選手が・銀・銅を独占する」
睾丸(こうがん)のこと。きんたま。
金曜日
五行の第四位。方位では西、季節では秋、五星では金星、十干では庚(かのえ)・辛(かのと)に配する。
[接尾]数を示す語に付いて、金の純度を表すのに用いる。24金が純金。カラット。「18ペン先

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きん【金】
女真(じょしん)完顔部の首長阿骨打(アクダ)が1115年に建てた国。遼(りょう)を滅ぼし、を南方に追って、中国東北地区・蒙古(もうこ)・華北を征服。都は会寧、後に燕京、汴京(べんけい)。1234年、モンゴルに滅ぼされた。

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きん【金】[漢字項目]
[音]キン(漢) コン(呉) [訓]かね かな こがね
学習漢字]1年
〈キン〉
金属の総称。「金石金文合金鋳金彫金板金冶金(やきん)
金属元素の一。きん。こがね。「金貨金塊金銀金鉱金箔(きんぱく)金粉砂金純金鍍金(ときん)白金
お金。貨幣。「金員金額金子(きんす)金銭金融金利金満家換金給金献金現金残金資金借金賞金税金千金送金大金代金貯金罰金募金料金義捐金(ぎえんきん)
こがね色。「金波金髪
美しい、りっぱな、かたいものなどを形容する語。「金言金科玉条金枝玉葉金城鉄壁
〈コン〉12および45に同じ。「金剛金色(こんじき)金泥金銅金堂黄金(おうごん)
〈かね(がね)〉「金目板金裏金帯金小金地金筋金針金
〈かな〉「金網金具金棒金輪
[名のり]か
[難読]金雀児(エニシダ)金糸雀(カナリア)金海鼠(きんこ)金団(きんとん)鍍金(めっき)滅金(めっき)

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こん【金】

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占い用語集

五行の一つ。金を象徴とし、の金「庚金」との金「辛金」がある。金だけではなく、鉱物や金属、石など生の状態のものや、生成された加工品なども指す。季節では秋、方角では西をあらわす。

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世界大百科事典 第2版

きん【金 Jīn】
女真(じよしん)Jürchin(女直(じよちよく)Jürchi)族の完顔(かんがん)部長の阿骨打(アクダ)が中国東北地方に建てた王朝。1115‐1234年。いわゆる征服王朝の一つ。遼(契丹(きつたん)Kitai)を滅ぼし,宋を圧迫して中国北半を領有,西夏,宋,高麗を臣事させたが,のち急速に強力となったモンゴルのために滅ぼされた。国を保つこと120年。
女真族の発展とその末路]
 女真族は,中国東北地方に住むツングースTungus族の一派である。

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きん【金 gold】
周期表元素記号=Au 原子番号=79原子量=196.9665地殻中の存在度=0.004ppm安定核種存在比 197Au=100%融点=1064℃ 沸点=2966℃固体の比重=19.3(20℃)液体の比重=17(1063℃)電子配置=[Xe]4f145d106s1 おもな酸化数=I,III周期表第IB族に属する金属元素。純粋な金属として人類が最初に知った金属の一つであると考えられている。 金の原子記号Auはラテン語のaurumによるものであり,これはヘブライ語の〈光〉を意味するorまたは〈赤色〉を意味するausからきたものとされ,フランス語でもorである。

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きん【金 jīn】
(1)中国の楽器分類法八音(はちおん)の一つ。金属を材料として作られた楽器をさす。唐代の楽器のうち鐘,桟鐘(さんしよう),鎛(はく),于(じゆんう),鐃(によう),鐲(たく),(たく),方響,銅鈸(どうばつ),銅鼓がこれに属する。(2)朝鮮の雅楽器銅鑼の一種。中国の鑼(ら)の伝来したもの。大金と小金とがあり,ひもでつり下げて槌(つち)で打ち鳴らす。大金は直径約46cm,厚さ約6cm。小金はかつて軍楽にも用いられたが,現在は農楽で重要なリズム楽器として用いられる。

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大辞林 第三版

かね【金】
金属。金・銀・銅・鉄など。 「 -の箸」
金銭。おかね。 「 -をためる」 「 -を貸す」 〔近世、上方では主に銀貨が用いられたことから「銀」の字も用いられた〕

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きん【金】
〔gold; ラテン Aurum〕 11 族(銅族)に属する遷移元素の一。元素記号 Au  原子番号79。原子量197.0。比重19.3。自然金(単体の金)として主に石英鉱脈中に産する。光沢ある黄色の金属。金属中最も延性・展性が大きく、厚さ0.1マイクロメートル の箔はくとすることができる。化学的にきわめて安定で、空気中で酸化せず、酸におかされないが、王水には溶ける。古来、随一の貴金属とされ、貨幣・装飾品として用いられる。こがね。
金銭。貨幣。 「 -一封」
江戸時代に用いられた大判・小判など金貨の総称。普通一両をさす。
金額を書くときに上に冠する語。 「 -一万円也」
金の純度を示す単位。二四金を純金とする。
金の色。金色きんいろ。こがね色。 「 -ボタン」
将棋の駒の一。「金将」の略。
五行ごぎようの第四。季節では秋、方位では西、色では白、十干では庚かのえ・辛かのと、五星では金星に当てる。
七曜の一。「金曜」の略。
睾丸こうがん。きんたま。

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きん【金】
中国、女真族完顔ワンヤン部の酋長阿骨打アクダが建てた国(1115~1234)。遼りよう・北宋を滅ぼし中国東北部・内モンゴル・華北を領有した。都は初め会寧府、のち燕京、汴京べんけい。モンゴルと南宋の攻撃により滅亡。

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こん【金】
五行ごぎようの第四。

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精選版 日本国語大辞典

かな【金】
〘語素〙 (「かね(金)」の変化したもの)
① 金属、鉄の意味を示す。「かなあみ」「かなづち」「かなぼう」など。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
② 金銭の意味を示す。「かなぐら」「かなぐり」など。
③ 金属、鉄などのように堅固なさまの意味を示す。「かなこぶし」「かなずね」など。
④ 全くの、の意味を示す。「かなげこ」「かなつんぼ」など。

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きん【金】
[1] 〘名〙
① 古来、五金(金・銀・銅・鉄・錫)の長として尊重されてきた、美しい黄色の光沢がある金属元素の一つ。文武天皇大宝元年(七〇一)に対馬国から朝貢されたのが歴史に見える古例である。塊状では美しい黄色の金属光沢、粉末状では紫、コロイド状では赤、溶融状態では緑、箔状では緑から青に見える。主として、石英鉱脈中の自然金、または川の砂中の砂金など単体として産出する。工業的には、比重選鉱法、青化法などで精錬して得られる。化学的にきわめて安定で、王水にとけて塩化金酸に、また水銀と化合してアマルガムとなるが空気、水、酸素、硫黄などとは反応せず、普通の酸やアルカリにおかされないうえ、重く軟かで延性、展性に富むので種々の細工に適し、貴金属の中でも特に珍重され、貨幣、装飾品として用いられている。化学記号 Au 原子番号七九。原子量一九六・九六七。比重一九・三。おうごん。こがね。きがね。くがね。〔十巻本和名抄(934頃)〕〔書経‐舜典〕
② 石に対して、金、銀、銅、鉄、錫などの鉱物の総称。金属。かね。〔易経‐繋辞上〕
③ (金を貨幣の材料として用いたところから) 金貨、また貨幣。
(イ) 大判、小判、一歩金(いちぶきん)などの金貨の総称。
※多聞院日記‐永祿一〇年(1567)五月六日「脇指買之。代二貫三百卅文、金二両〈一朱たらす〉、十一貫つつ通也」
(ロ) 貨幣。金銭。かね。現在は、「金━(円)」などの形で、金額の上につけて用いることが多い。
※浮世草子・鬼一法眼虎の巻(1733)二「其の金(キン)を以て娘を連れて帰りたく候へば、金子(きんす)を我に渡され候へと」
※酒中日記(1902)〈国木田独歩〉五月六日「金(キン)五円至急に調達せよ」 〔戦国策‐秦策・恵文君〕
④ 「きんしょう(金将)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑤ 「きんし(金糸)①」の略。
※浮世草子・好色五人女(1686)三「三つ重ねたる小袖、皆くろはぶたへに裙取の紅うら、金のかくし紋」
⑥ 「きんぱく(金箔)①」の略。
※松屋会記‐久政茶会記・天正一四年(1586)九月二八日「袋はかうしの金らん、金はげて難見、古き也」
⑦ 「きんいろ(金色)」の略。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)三立「上下衣装にて高股立、大きなる金の幣束(へいそく)をかつぎ出て来り」 〔詩経‐小雅・車攻〕
⑧ 睾丸(こうがん)。きんたま。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※雑俳・柳多留‐一三(1778)「馬鹿な事娘にきんをけられ損」
⑨ 五行の第四。時節では秋、方位では西、五音(ごいん)では商、十干では庚辛、天体の五星では金星にあたる。
※菅家文草(900頃)一・重陽侍宴、賦景美秋稼「吹金風冷簸、滴玉露清瑩」 〔漢書‐五行志上〕
⑩ 「きんよう(金曜)①」の略。
⑪ 「きんよう(金曜)②」の略。
[2]
[一] 女真族が満洲、華北に建てた王朝。完顔部の阿骨打が女真族を統一し、一一一五年遼から独立して建国。のち、遼を滅ぼし、宋を南に追って華北に中国的な中央集権の専制政治を行なった。首都は初め会寧府、のち燕京、汴京。一〇代一二〇年でモンゴル帝国に滅ぼされる。
[3] 〘接尾〙 金の純度を示す単位。二十四金が純金。「十八金の時計」

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化学辞典 第2版


キン
gold

Au.原子番号79の元素.周期表11族遷移元素.原子量196.96655(2).質量数197(100%)の安定同位体と,169~205に及ぶ放射性同位体が知られている.元素記号はラテン名aurum(黄色を意味する)の最初の二文字.宇田川榕菴は天保8年(1837年)に出版した「舎密開宗」で,これを音訳して浩律母(アウリュム)としている.
金は人類にもっとも古くから利用された金属で,B.C.5000年のエジプトの遺跡からも金の器具が発見されている.世界最大の塊金の発見は,1869年にオーストラリアのビクトリアのもので2520オンス(約71 kg)で,これにより2280オンスの純金が得られた.わが国においては,続日本紀に,聖武天皇の天平21年(749年)に陸奥の国より産出したことが記されている.歴史的には,佐渡,鴻之舞,串木野金山などがよく知られているが,2007年現在,日本で稼働中の金鉱山は1981年に金脈が見つかった菱刈鉱山(鹿児島県)のみ.同鉱山の鉱石の金含有率は非常に高く1 t 中に平均40 g(40 ppm)もあり,世界の平均値の約10倍で年間7~8 t の金を産出している.2005年には,加えて銅,亜鉛,鉛鉱石精錬の副産物として得られる新産金が約150 t,廃パソコン,携帯電話,めっき廃液などのリサイクルによる再生金が30 t あった.金は大部分自然金として存在し,母岩の石英の風化とともに砂金として産出する.自然金は不純物として銀を含んでいる.また,銅鉱,鉛鉱,黄鉄鉱のなかにも含まれている.地殻中の存在度0.003 ppm.世界の推定全埋蔵量90000 t の40% が南アフリカ,ついでオーストラリア7%,中国,ペルーが各5% 弱.鉱石を水銀でアマルガム化して抽出する混コウ(汞)法,シアン化ナトリウムで処理してシアノ錯イオンとして抽出し(青化法),亜鉛粉末を加えて金を析出させる方法(Merrill Crowe法)に加えて,1970年代から青化法のシアノ錯イオンを活性炭に吸着・分離する方法(carbon-in-pulp法)や,さらに溶媒抽出法が有力となっている.精製は電解法による.黄金色の美しい光沢をもつ金属.結晶は面心立方格子.密度19.32 g cm-3(20 ℃).融点1064.43 ℃,沸点2810 ℃.定圧モル熱容量25.38 J K-1 mol-1(25 ℃).線膨張率0.1424×10-4 K-1(0~100 ℃).熱伝導率315 W m-1 K-1(27 ℃).融解熱12.7 kJ mol-1(1063 ℃).蒸発熱310.5 kJ mol-1(2660 ℃).電気抵抗率2.35×10-6 Ω cm(20 ℃).標準電極電位(Au3+/Au)1.52 V.第一イオン化エネルギー889.9 kJ mol-1(9.225 eV).熱の良導体で銀の73%,また電気の良導体でもあり,銀,銅に次ぎ,電気抵抗率は銀の1.48倍である.金属中でもっとも展延性に富む.硬さ2.5~3.化学的には非常に安定である.単独の酸には不溶.王水に溶けてHAuCl4をつくる.高温では酸素,硫黄とは反応しないが,臭素,塩素とは直接化合する.通常の酸化数1~3.純金を24カラットとして50% の金を含む場合は12カラットと表す.国内では,2005年度の最大用途は,電子部品材料で50% 弱,パソコン,携帯電話用ICパッケージ,プリント基板,リードフレーム,ボンディングワイヤ,コネクター,自動車用電装品など.ついで25% 弱が資産用金地金,宝飾品用10%,歯科・医療用の合金5% などであった.[CAS 7440-57-5][別用語参照]金化合物

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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