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酸化水銀【さんかすいぎん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

酸化水銀
さんかすいぎん
mercury oxide
(1) 酸化水銀 (I) ,酸化第一水銀  Hg2O 。黒色粉末。X線回折により酸化第二水銀と水銀の 1:1 混合物であることがわかった。 (2) 酸化水銀 (II) ,酸化第二水銀  HgO 。赤色黄色の2種があるが,黄色のほうが粒子細かいだけで,本質的には同一である。有毒である。水に難溶。ハゲン化アルカリ溶液に溶けて強アルカリ性を示す。医薬品,分析試薬などに用いられる。

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デジタル大辞泉

さんか‐すいぎん〔サンクワ‐〕【酸化水銀】
水銀の酸化物。
酸化水銀(Ⅰ)(酸化第一水銀)Hg2O 第一水銀の溶液にアルカリを過剰に加えたときに生じる黒色の沈殿物。黒降汞(こくごうこう)。黒色酸化水銀。
酸化水銀(Ⅱ)(酸化第二水銀)HgO
水銀沸点に近い高温で長時間熱したときに生じる赤色の粉末毒性が強く、塗料殺菌剤などに使用。赤色酸化水銀。
昇汞水(しょうこうすい)溶液に苛性(かせい)アルカリを作用させたときに生じる黄色の粉末。猛毒。黄色酸化水銀。

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世界大百科事典 第2版

さんかすいぎん【酸化水銀 mercury oxide】
化学式HgO。2価水銀の化合物のみが知られており,1価水銀の酸化物の存在は明確ではない。水銀(I)塩水溶液に水酸化アルカリを加えると沈殿する黒色物質は,黒降汞(こくごうこう)とよばれ,Hg2Oであると考えられていたが,HgとHgOの混合物であることがわかっている。 古くから赤色および黄色の化合物が知られていたが,これは粒子の大きさの違いによるもので,ともに同じ斜方晶系結晶である。赤色化合物のほうが粒子が細かい。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

さんかすいぎん【酸化水銀】
酸化水銀(Ⅰ)。Hg2O と考えられたが、 X 線解析によると Hg と HgO の混合物である。水銀(Ⅰ)塩溶液をアルカリ性にして得られる黒色の粉末。黒色酸化水銀。黒降汞こくごうこう
酸化水銀(Ⅱ)。化学式 HgO 赤色酸化水銀(赤降汞ともいう)は水銀を空気中で摂氏350度に加熱すると生じる。黄色酸化水銀(黄降汞ともいう)は赤色のものを微粉末にするとできる。両者とも日光で分解し有毒。分析試薬、殺菌剤、防腐剤、塗料などに用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

酸化水銀
さんかすいぎん
mercury oxide
酸素と水銀の化合物。1価および2価の化合物が知られている。
(1)酸化水銀() 古くは黒降汞(こくごうこう)ともいわれ、また黒色酸化水銀ともいう。硝酸水銀()の水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて得られる。一価水銀の化合物ではなくて、酸化水銀()と水銀の一対一混合物とされている。化学式Hg2O、式量417.1。黒色ないし暗褐色の粉末。水に難溶であるが、硝酸に溶ける。
(2)酸化水銀() 天然にはモントロイダイトmontroyditeとして存在する。赤色(赤色酸化水銀)と黄色(黄色酸化水銀)の2種があることが錬金術時代から知られ、古くは赤降汞(せきごうこう)、黄降汞(おうごうこう)ともよばれた。この色の違いは、生成するときの粒子の大きさの違いによるものであり、赤色型を細粉にすると黄色となる。冷暗所で硝酸水銀()水溶液をアルカリ水溶液に加えると得られる。酸に溶けるが、エタノール(エチルアルコール)、アルカリ、アンモニア水には溶けない。水溶液は微アルカリ性を示す。皮膚病などの軟膏(なんこう)として使われる。毒性が強い。[中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

さんか‐すいぎん サンクヮ‥【酸化水銀】
〘名〙 水銀の酸化物。
① 酸化第一水銀。化学式 Hg2O 黒色の粉末。光、熱により分解しやすい。黒色酸化水銀。黒降汞(こくごうこう)
② 酸化第二水銀。化学式 HgO
(イ) 黄色酸化水銀。黄色ないし橙黄色の粉末。空気中で安定だが光によって分解する。毒性が強い。皮膚病などの医薬品、分析試薬などに用いられる。黄降汞。
(ロ) 赤色酸化水銀。鮮赤色ないし橙赤色の粉末。斜方晶系結晶。毒性が強い。塗料、分析試薬、殺菌剤などに用いられる。赤降汞。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

酸化水銀
サンカスイギン
mercury oxide

】酸化水銀(Ⅰ):Hg2O(417.18).硝酸水銀(Ⅰ)の水溶液に水酸化ナトリウムを加えると,黒色の粉末として得られる.この粉末は酸化水銀(Ⅱ)と水銀の1:1混合物とされている.密度9.8 g cm-3.100 ℃ で分解する.水に不溶,硝酸および熱酢酸に可溶,希酸およびアルカリ水溶液に不溶.有毒.[CAS 15829-53-5]【】酸化水銀(Ⅱ):HgO(216.59).赤色(赤ゴウコウ)と黄色(黄ゴウコウ)のものが知られている.赤色,黄色ともに化学的には同一物である.密度11.14 g cm-3.赤色のものは10~20 μm,黄色のものは2 μm 以下の粒径で,赤色のものをすりつぶすと黄色になる.赤色のものは硝酸水銀(Ⅰ)または硝酸水銀(Ⅱ)を加熱するか,水銀と酸素を300~350 ℃ で直接反応させると得られる.塗料,顔料,ペイント,陶磁器,殺菌剤,分析試薬に用いられる.黄色のものは,水銀(Ⅱ)塩水溶液に水酸化アルカリを加えると得られる.医薬品(皮膚病用軟膏),分析試薬に用いられる.赤色体,黄色体のいずれも水に難溶,酸に可溶,エタノール,アセトン,エーテル,アルカリ水溶液に不溶.有毒.[CAS 21908-53-2]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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