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郷紳【きょうしん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

郷紳
きょうしん
xiang-shen; hsiang-shên
中国,時代に現職あるいは退職官僚層に対する出身地での一般的呼称。また地方の経済力のある有力な知識人としての貢生,生員,科挙の合格としての挙人などで,についていない者をさす場合もある。このは官僚制度の整った宋代の頃からみられたが,郷紳が政治的,社会的に強大化したのは明代中期以後のことである。彼らの多くは富裕な大土地所有者であり,郷里における政治・社会上の発言権が強く,地方官もこれを無視できぬほどであった。また地方官や富商などと結託して貧農層を圧迫することも多かったため,清代後半には土豪劣紳の名で呼ばれた。

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デジタル大辞泉

きょう‐しん〔キヤウ‐〕【郷紳】
近世中国における社会階層の一。退職官吏や科挙(かきょ)合格者で故郷に在住している者をいい、多くの特権を与えられ、事実上地方郷村を支配した。
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世界大百科事典 第2版

きょうしん【郷紳 Xiāng shēn】
明代後半期から中国革命に至る時期の中国における地方の支配層。郷紳は田主(でんしゆ)あるいは業主(ぎようしゆ)と呼ばれた地主一員であったが,その中でも日常的に地域社会の動向を左右する実力者であり,2,3年の任期で去っていく地方官にまさる影響力をもっていた。 朝廷に出仕する官僚の着用する大帯を紳(しん)といい,この大帯にメモ用の板(笏(こつ))をさしはさむことを縉(しん)と呼んだが,これに由来する縉紳(しんしん)という語は・漢以前から官僚の雅称として用いられてきた。

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大辞林 第三版

きょうしん【郷紳】
中国、近世における社会階層の一。明・清代では退職官僚や科挙合格者などの郷村にいる者をいい、身分的に一般庶民と区別され、その地方における政治的・社会的影響力は大きかった。

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ごうしん【郷紳】
地方に住む紳士。きょうしん。
ジェントリに同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

郷紳
きょうしん
中国の明(みん)・清(しん)時代(1368~1912)における官僚身分をもつ者の郷里での呼称。官僚を目ざす挙人(きょじん)、貢生、監生、生員などは総称して士人(しじん)という。郷紳、士人をあわせて紳衿(しんぎん)、紳士(しんし)ともいう。有力地主の家は科挙合格者を出すことに専念し、進士(しんし)(科挙の最高学位保持者で官僚身分をもつ)、士人を出し、商業活動も行いつつ大土地所有を拡大していくものが多かった。このように郷紳、士人を出す地主の家が当時の支配階級を構成していた。郷紳は地方の実力者であり、社会秩序保持の役割を担い、また「土豪劣紳(どごうれっしん)」として権力を振るって社会矛盾を激化させた。清末、科挙制度の廃止後も、実質的な郷紳階級は維持、再生産され、革命運動の打倒目標となった。[奥崎裕司]
『奥崎裕司著『中国郷紳地主の研究』(1978・汲古書院)』

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精選版 日本国語大辞典

きょう‐しん キャウ‥【郷紳】
〘名〙
① 田舎に住んでいる立派な人。地方の名士。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二「郷紳(〈注〉イヘガラノヒャクショウ)来的と云るもの、また給するに金を以てし」
② 中国での社会階層の一つ。明・清代には退職官吏で、郷里に在住する者をいう。豊富な財力でもって広大な土地を所有し、事実上郷村を支配した。清末以後は近代化をはばむものとして、革命の目標の一つとなった。

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ごう‐しん ガウ‥【郷紳】
〘名〙 田舎に住んでいる立派な人。地方の有力者。名望家。

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