Rakuten infoseek

辞書

部族【ぶぞく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

部族
ぶぞく
tribe
一般に共通言語を話し,一定の共通した領域もち,同質的な文化と伝統をもった人々の集団をさす。部族の経済や政治,宗教は,リニージ氏族といった親族集団世帯村落といった血縁地縁集団によって構成されており,外部に対しては一定の閉鎖性を示す政治的統合性をもつ場合が多いとされる。それに対して,統合の程度が低い場合は種族という用語を用いることがある。しかし実際の社会集団の統合の程度にはさまざまな形態があり,その規模もきわめて小さなバンド社会から数百万人に及ぶもの,さらには国家を形成するものまであることから,血縁・政治集団としての部族概念には批判的な社会人類学者もいる。また部族は,本来文化共同体としての意味を強調する民族とは異なる社会的な概念であるとされるが,しばしば混用され,あるいは部族を民族の下位概念とする誤用がなされてきた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ぶ‐ぞく【部族】
一定の地域に住み、言語・宗教・慣習など共通の文化を共有し、同族意識の下に統合されている人々の集団。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ぶぞく【部族 tribe】
文化人類学(民族学)は民族誌的調査にあたって,その研究対象とする人間集団を指して恣意的に部族と呼びならわしてきた。よく似た語に種族,民族がある。それらは人種,言語,文化(生活様式価値体系など)を共有する人間集団とされているが,部族はこの3者に加えて特定の地域に居住する人々という限定をおくのが普通である。未開社会,つまり単純な技術と経済をもち,生業分化も少ない,比較的小地域に編成されている社会を,文化人類学では部族社会として一括してきた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ぶぞく【部族】
特定の地域内に居住し、共通の言語・文化などをもつ集団で、いわゆる未開・原始とされる小規模な集団。政治社会の進化の一段階をさすものとして用いられることもある。民族と同義で用いられることもある。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

部族
ぶぞく
tribe
世界各地に散在する比較的小規模で自己充足的な共通の文化をもつ社会に住む人々の集団をさすが、共通する明確な定義はない。民族集団(エスニック・グループ)と同概念として用いられることもあり、また、より小規模の集団(サブエスニック・グループ)の意で用いられることもある。英語tribeの語源であるラテン語のtribuaは、古代ローマ国家の政治的分割単位を示すことばであった。19世紀の進化論的人類学者は、部族社会tribal societyを、社会組織はあるが政治組織を欠く社会(L・モルガン)、また法的側面では、自発的な契約関係に基づく近代社会とは対照的に、生得的な身分による権利関係が優勢な社会(H・メイン)とみなした。その後の経験的研究の蓄積によって、部族社会の特徴としては、社会の内容よりもむしろ形態が重視され、小規模で、一定のテリトリー(領域)を占め、食糧生産による自給自足的経済を維持し、言語、宗教、世界観、価値観など同一の文化を共有し、しかも国家のような地縁的親族集団を越える中央集権的政治組織をもたない社会が部族的とみなされるに至った。しかし、こうした部族社会の特徴的形態はむしろ理念型として把握されるべきものであって、現実の社会は、国家とは無関係でありえず、近代化や産業化の影響を受け、かつまた外の社会との絶えざる政治・経済・文化的相互作用のなかにある。また、部族社会内部もけっして静態的ととらえられてはならず、エバンズ・プリチャードが南スーダンのヌエルの研究で示したように、きわめて動態的な部族統合の原理がみられる。[白川琢磨]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ぶ‐ぞく【部族】
〘名〙 一定の地域に住み、共通の言語・宗教などを持ち、一つの政治的統率下にある共同体。原始民族もしくは未開民族の単位。〔改訂増補哲学字彙(1884)〕 〔五代史記‐馮暉伝〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

部族」の用語解説はコトバンクが提供しています。

部族の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.