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遺産分割【いさんぶんかつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

遺産分割
いさんぶんかつ
共同相続の対象となった相続財産相続分に応じて分割し,各相続人単独財産に決定する手続をいう。分割方法は,遺言,相続人の協議,家庭裁判所の決定の順で定められる (民法 907,908) 。通常の共有物分割と異なり,必ずしも現物分割を原則とするわけではなく,遺産に属する物または権利の種類および性質,各相続人の年齢,職業心身の状態および生活の状態などを考慮して分割する (906条) 。また,遡及効が認められて被相続人から直接承継したものとみなされる (宣言主義) 。ただしその遡及効は,分割までに生じた第三者の権利を害することができないものとされる (909条) 。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

遺産分割
相続人が数人いて共同して相続財産を相続することを、共同相続という。共同相続人は遺産全部につき相続分に応じて権利義務を共有する。この共同相続の状態から、各相続人に遺産を分割することが遺産分割。遺産の分割は、共同相続人で協議を行うが、まとまらない場合は家庭裁判所に申し立てて決める。家庭裁判所では、調停が申し立てられると、裁判官1人、調停委員2人からなる調停委員会で、分割協議が成立するよう共同相続人間の意見の調整を図る。調停手続きで合意が成立しない場合は審判手続きに移行する。審判は裁判所が分割方法を決定するもので、初めから調停申し立てをせず、審判を求めることもできる。共同相続人の中に行方不明などで分割協議のできない者がいる場合も審判を申し立てる。家庭裁判所は相続人、遺産の範囲、法律関係等を審理判断したうえ、特別受益寄与分がある時はこれらを計算に組み入れた処理をし、分割の審判をする。
(吉岡寛 弁護士 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

遺産分割
遺産は相続人同士の話し合いや家裁での「調停」で配分を決めるが、まとまらなければ家裁が「審判」で公平な分配をはかる。相続人の一部が生前贈与を受けていた場合は、他の遺産の受け取り分が減る。不動産、株式などは審判で扱う対象となるが、従来判例では預貯金は対象にならないとされてきた。審判前でも民法が定める配分比率(法定相続分)に応じ、それぞれの相続人のものになってきた。
(2016-12-20 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

いさん‐ぶんかつ〔ヰサン‐〕【遺産分割】
複数の相続人の間で遺産を分配すること。
[補説]相続開始後、遺産は各相続人の共有となり、これを単独の所有とするためには分割手続きを行う必要がある。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

いさんぶんかつ【遺産分割】
相続人が数人いる場合に,これら相続人間に遺産を分配することをいう。相続人が数人いる場合には,相続開始後,相続財産はその共有に属することになり(民法898条),各相続人の単独の所有にするためには,その手続をとる必要がある。この場合,一つ一つの相続財産について個々的に単独所有に移す手続をとることは通常の場合適当でない。たとえば,医師が死亡し,相続財産が,病院,診療器具,預貯金,株券などから構成されているとする。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いさんぶんかつ【遺産分割】
相続人が複数あって、遺産が共有となっている場合に、相続人間で遺産を分配し各相続人の単独財産にすること。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

遺産分割
いさんぶんかつ
遺産を各共同相続人の具体的な相続分に応じて分配すること。相続人が2人以上いる共同相続の場合、遺産は、相続開始と同時に相続分に応じて各人に帰属することになるが、これをすぐに相続人の間で分けることは実際には不可能であるから、共有(あるいは含有)の形にしておき、あとで各相続人にどのように分配するかを具体的に決めることになる。その方法は、被相続人が遺言(いごん)で自ら指定し、または指定を第三者に委託することができるが(民法908条)、とくに遺言がなければ、相続人同士の協議のうえで決める。協議が調わないときは家庭裁判所に分割の請求をすることになる(同法907条)。ただし、被相続人の遺言、共同相続人の特約、家庭裁判所の審判により、期間を定めて、分割を禁止することができる(同法907条3項、908条)。
 分割にあたっては、遺産が一体としてもつ経済的価値をなるべく損なわず、同時に各相続人にこれを適正に配分するという二つの要求をうまく調和させることが要求される。このためには、遺産に属する物や権利の種類・性質、各相続人の職業、その他いっさいの事情を考慮に入れなければならないとされている(同法906条)。したがって、個々の財産をそれぞれ実際に分割する必要はなく、評価額のうえで相続分に応じた分け方をすればよい。
 ところで、共同相続人のなかに、被相続人から、遺贈や生前贈与を受けた者(特別受益者)がいる場合に、その者がさらに遺産分割によって法定相続分の遺産を受け取ると不公平が生じる。それゆえ、このような場合には、その特別受益分を相続財産に加算して遺産分割を行うこととなる(同法903条1項)。これを、特別受益の持戻しという。ただし、被相続人が遺言などで、持戻し免除の意思表示を行っていた場合には、それに従い、持戻しは行わなくてもよい(同法903条3項)。そこで、2018年(平成30)の相続法改正では、配偶者を保護するために、次のような方策を講じた。すなわち、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他方配偶者に対し、その居住用建物またはその敷地を遺贈または贈与した場合には、持戻しの免除の意思表示があったものと推定し(同法903条4項)、遺産分割において、当該居住用不動産の価額を特別受益として扱わずに計算をすることができることにした。このほか、相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払い、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう、遺産分割前にも払戻しが受けられる制度が創設された(同法909条の2)。また、共同相続人の一人が遺産分割前に遺産に属する財産を処分した場合にも、共同相続人全員の同意により、当該処分された財産を遺産分割の対象に含めることができることとし(同法906条の2)、計算上生じる不公平が是正されている。[高橋康之・野澤正充]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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