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遠視【えんし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

遠視
えんし
hyperopia
に入った平行光線が,網膜より後方で結像する屈折異常。原因により (1) 軸性遠眼軸長が短いために起こる),(2) 屈折性遠視(角膜水晶体屈折力が弱いために起こる)に大別され,凸レンズで矯正される。老年期に入ると,しだいに屈折力が弱まり遠視となることがあり,これを老視(老眼)という。

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デジタル大辞泉

えん‐し〔ヱン‐〕【遠視】
調節していない状態の目に入る平行光線が、網膜よりも後ろに像を結ぶ状態。若年者では水晶体の調節で補正できるが、年齢が進むと、近くのものが見にくく、強度の遠視では遠近ともに視力が低下する。凸レンズで矯正する。遠視眼。⇔近視

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レーシック関連用語集

遠視
角膜から入る光の、焦点までの距離が長く、網膜より奥で像を結ぶため、近くのものが見えづらい状態です。

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家庭医学館

えんし【遠視 Hyperopia】
[どんな異常か]
 ふつうに見たときに(目の無調節状態)、遠くから目に入ってきた光が網膜面(もうまくめん)より後方で像を結んでしまう屈折異常で、遠いところも、近いところもぼやけてよく見えない状態です。
 これは、眼軸(がんじく)(角膜(かくまく)から網膜(もうまく)までの距離)が短いか、角膜(黒目(くろめ))や水晶体(すいしょうたい)の光を屈折する力が弱いかのいずれかの場合におこります。前者を軸性遠視、後者を屈折性遠視といいますが、遠視の大部分は軸性遠視です。
[症状]
 遠視は網膜面の後方で像を結ぶため、ものをはっきり見るためには、水晶体を厚くして光の屈折力を強め、像が網膜上に結ぶよう調節しなければなりません。とくに近くを見る場合には、遠くよりもいっそう強い調節が必要なので、目が疲れます。
 子どもの遠視の場合は、度が強くなると調節しきれず、視力の発達が遅れて弱視になったり、強い調節にともなって内斜視(ないしゃし)になるなど、他の視機能障害をひきおこすことがあります。
 子どもの遠視は発見しにくいのですが、遠くのものが見えないばかりか、近くのものも見えにくく、内斜視になるといった状態がみられる場合には、眼科医の検査を受けたほうがよいでしょう。
 子どもは調節力が強く、遠視でもかなり調節してものを見ているため、ふつうの視力検査だけでは正確な度はわかりません。調節を一時的に休める目薬を点眼したうえで検査します。
[治療]
 軽度で、ものを見るのに不自由を感じず、目も疲れず、斜視や弱視になっていない遠視の場合には、めがねをかける必要はありません。目が疲れやすかったり、斜視や弱視になっているときには凸(とつ)レンズのめがねかコンタクトレンズを使用します。また、遠視は、成長期にある子どもの場合は度が弱くなる傾向にあるので、定期的に眼科で検査を受け、度に応じてめがねを換えていく(一般的には薄くしていく)ことが必要です。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

えんし【遠視】

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大辞林 第三版

えんし【遠視】
外界から来る平行光線が網膜の後方で結像するため、近くの物体がはっきり見えない状態。また、その目。水晶体から網膜までの距離が短い場合や、角膜や水晶体の屈折力が弱い場合に起こる。適度の凸レンズで矯正する。とおめ。遠眼。 ⇔ 近視

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日本大百科全書(ニッポニカ)

遠視
えんし
外界からの平行光線が網膜より後ろで焦点を結ぶために物がぼやけて見える状態をいう。つまり、屈折力に比較して眼球の軸の長さが短いわけで、その矯正には凸レンズを目の前に用いて、目のレンズ系の焦点距離を短くし、網膜上にピントがあうようにする。一般に若い人の場合、水晶体を膨らませたり扁平(へんぺい)にしたりする力(調節力)が十分にあるので、多少の遠視があっても、遠近いずれの目標もピントをあわせて見ることができる。しかし、正常以上の調節力をつねに働かせているので、人によっては、目が疲れる、目の奥が痛い、頭痛がするなどのいわゆる調節性眼精疲労の原因となる。このような状態の場合は、眼鏡をかけて、すこしでも楽になるようにしたほうがよい。
 子供の視力は、生まれたとき、すでに十分な視力をもって生まれるのではなく、普通3歳くらいまでに徐々に成長してくる。しかし、強度の遠視がある場合は、いかに子供の調節力が大きくても網膜面上にピントをあわせられないので、視力の発達が十分に得られなくなり、弱視となることもある。また、遠視が原因となっておこる調節性内斜視というものもある。ともに正しい屈折検査で早期に遠視を発見し、正しい眼鏡装用などによって視力向上と斜視の矯正をすることがたいせつである。[中島 章]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

えん‐し ヱン‥【遠視】
〘名〙
① (━する) 遠くを見ること。遠くまで見えること。とおみ。
※管蠡秘言(1777)「凡物遠視して微小なるは、本然の実理なり」 〔謝恵連‐泛湖帰出楼中望月詩〕
② 眼球の奥行が短かったり、角膜や水晶体の屈折力が弱かったりするために、近くにある物体の像が、網膜の後方で結び、鮮明に見えないこと。また、そのような状態にある目。目が疲れやすく、目や頭が痛んだりする。凸レンズで矯正する。とおめ。遠視眼。⇔近視
※セルロイドの塔(1959)〈三浦朱門〉八「近視と遠視の二重になった眼鏡の外側を直角にはねあげて」

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

遠視
えんし
Hyperopia (farsightedness)
(眼の病気)

どんな病気か

 眼に入ってきた光は角膜(かくまく)水晶体(すいしょうたい)を通過し、網膜(もうまく)に到達します。正視ではちょうど網膜上でピントが合っていますが、遠視では眼の奥行きの長さ(眼軸(がんじく))が短いことが多いため、網膜よりも後ろにピントが合う状態になります(図72)。

 遠視は「遠くが見えるよい眼」と勘違いされがちですが、眼の屈折状態としては、本当は遠くにも近くにもピントが合っていません。しかし、眼には水晶体というレンズのはたらきをする部分の厚みを増して像の結ばれる位置をずらす「調節」という機能があるので、若い頃は遠くも近くも見ることができます(図73)。

 ただ、「調節」の機能は年齢とともに衰えてくるため、徐々にピントを合わせることができなくなり、より「調節」を要する近くから見えにくくなっていきます。遠視の人は正視の人や近視の人よりも多くの調節力がいるので、「若いころは眼がよかったから、早く老眼になった」とよくいわれているのはこのためです。

 遠視のおおよその頻度は、新生児100%、幼児60~70%、小学生50%、中学生20%、高校生15%で漸次減少します。老人では水晶体の加齢変化により、再び遠視化したり、近視化することもあります。

症状の現れ方

 遠視では、見る時に絶えず「調節」をしなければいけないため、①眼が疲れやすい(眼精疲労(がんせいひろう))、②頭痛・眼痛、③集中力に欠ける、といった症状が出ます。小児の場合、調節をする時に眼が寄る作用が強く出るため内斜視(ないしゃし)になります(調節性内斜視)。

 最も注意が必要な遠視は小児の強度遠視です。遠視が強度になると調節をしてもピントが合いにくいため視力が発達せず、放置すると弱視になってしまいます。

治療の方法

 遠視の治療としては、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正を行います。とくに事務やコンピュータなど長時間の近見作業に従事する人は調節による眼精疲労を起こしやすいため、年齢にかかわらず近見作業用の眼鏡の装用が、症状の軽減に役立ちます。

 調節性内斜視の小児は、適切な眼鏡の装用により内斜視を治療することができます。また、弱視(じゃくし)になる可能性がある強度遠視の小児でも、早期から適切な眼鏡の装用によってピントの合った像を見せることで、視力の発達を促すことができます。

二宮 さゆり

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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