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遊牧【ゆうぼく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

遊牧
ゆうぼく
nomadic herding; nomadism
天然の水,草を求めて定期的,周期的に移動しながら家畜を飼育する粗放的な牧畜形態。一般に放牧形式がとられ,一定期間定住して牧草が乏しくなると新しい土地へ移動する。移動方向は,ツンドラや乾燥地域では水平移動が行われるが,高山地域では山と谷の間の垂直移動がみられる。家畜は地方によってさまざまであるが,牛,羊,やぎなどが多い。 (→遊牧民 )  

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デジタル大辞泉

ゆう‐ぼく〔イウ‐〕【遊牧】
[名](スル)1か所に定住しないで、牛や羊などの家畜とともに水や牧草を求めて、移動しながら牧畜を行うこと。「裾野の草原で遊牧する」

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世界大百科事典 第2版

ゆうぼく【遊牧 nomadism】
遊牧とは,定住せずにキャンプ生活をする牧畜を指し,まずそれは,居住地を変えず家畜を飼養する定着的牧畜に形式的に対立している。ここで定着的牧畜といっても,家畜を舎飼いしているもののみを指しているわけではない。毎日,家畜を野に放ち,放牧しながら,居住地を固定しているものもあり,居所を移動しないかぎり定着的牧畜というほかはない。遊牧か否かの判定は家畜の移動の有無ではなく,それを所有管理する牧畜民の居住地の移動の有無によって区別される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ゆうぼく【遊牧】
( 名 ) スル
一定の土地に定住せず、牛や羊などの家畜とともに水や草を求めて移動し、家畜を飼養する牧畜形態。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

遊牧
ゆうぼく
自然の草と水を求めて家畜群を伴って各地に移動してゆく原始的な放牧方式をいう。遊牧は、中央アジア、西アジア、アフリカ北部にかけて幅広く帯状に走る砂漠あるいは半砂漠地帯の、農耕に不利な農耕限界地で発達した。これらの地域はわずかなオアシスを除き大部分が不毛に近い乾燥地帯という厳しい環境条件下にあるため、住民の生活は家畜の飼養とその利用に依存せざるをえない。このような砂漠地帯のオアシスやサバンナに適応するのは草食家畜であり、そのなかでもヒツジとラクダは遊牧民の家畜の象徴である。ラクダの背のこぶやヒツジの尾、臀部などは、それらの局部へ脂肪その他の栄養分を蓄積することによって移動時の飼料欠乏を補い、長い遊牧生活に耐えうる条件を備えるようになったものである。遊牧民は全家族とこれらの家畜とともに水と草を追って移動し、家畜の乳や肉などは食料に、毛や毛皮は衣服やテントに利用するほか、移動の途中でヒツジを沿道の農民の穀物と交換したり、都市の市場で家畜やその製品を売って現金を得る。しかし年々放牧地の生産性が減少しているのとあわせて、国境問題、家畜の防疫などの問題を伴うため、各国政府が遊牧民の定着化に努めていることから、遊牧が困難になりつつある。これとは別にユーラシア北部のステップやツンドラ地帯ではトナカイの遊牧が行われているが、トナカイは家畜化しても野生トナカイの遊牧的生態を有しているため、この場合はトナカイ群の移動に人が追随するような遊牧形態となっている。[西田恂子]

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精選版 日本国語大辞典

ゆう‐ぼく イウ‥【遊牧】
〘名〙 一定の土地に定着せず、水や牧草を追って牛・羊などの家畜を移動させながら飼育すること。また、そういう牧畜の一形態。
※万国公法(1868)〈西周訳〉二「其民或は漁猟或は遊牧を以て生となし」
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「古来より此諸族は〈略〉曠野に游牧し」

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