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退化【たいか】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

退化
たいか
degeneration
生物の発生において,形態が小型になったり,単純化したり,活動力が減退したりする退行的変化をいう。個体発生ではおたまじゃくしのの退化などは,正常の発生過程一部分として経過するものであるが,病的な器官萎縮消失もある。系統発生では洞窟動物の退化,ウマ進化につれて足指が1本のみを残して次第に退化していった例などがあげられ,これらの場合,退化も,進化的変化の一部とみなされる。痕跡器官は退化の結果生じたものである。

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デジタル大辞泉

たい‐か〔‐クワ〕【退化】
[名](スル)
進歩が止まって以前の状態に逆戻りすること。また、衰えたり規模が小さくなったりすること。「記憶力が退化する」⇔進化
生物の個体発生または系統発生の過程において、器官・組織などが縮小衰退、あるいは消失すること。人間の虫垂尾骨などはその例。退行。

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世界大百科事典 第2版

たいか【退化】

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大辞林 第三版

たいか【退化】
スル
進歩したものが、もとの状態に戻ること。退行。 脚力が-する
系統発生において、複雑に分化した形態や機能をもつ器官が、単純で縮小した器官に変化すること。また、個体発生の過程で細胞内の構造や組織・器官などが消失あるいは縮小することにもいう。
▽⇔ 進化 進化の対義語として使用され、その後 degeneration の訳語とされた。丘朝次郎進化論講話(1904年)が早い例

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日本大百科全書(ニッポニカ)

退化
たいか
生物の全体の体制や器官の単純化、縮小、消失をいう。一般には系統発生(進化)の過程での退行的変化について用いられる。この場合、退化も進化の一環として理解すべきであるとの観点から、退行的進化ということも多い。個体発生の過程での退行的変化、たとえばオタマジャクシからカエルへの変態に際して尾が消失することなどについても退化ということばを用いることがある。進化における退化の例としては、体内寄生虫の消化器官や感覚器官の退化、洞穴など暗黒条件で暮らす動物の目や体表色素の退化などがよく知られている。これらの例でわかるように、一般に、新しい環境のもとで不用になった器官や、それが存在するとかえって不都合になる器官について退化がみられる。
 しかし、暗黒条件下で目は不用に違いないが、かならずしもあって不都合というわけではなく、退行的進化の説明は、体制の複雑化の説明より困難なことが多い。ただ、生物が自分自身をつくりあげるために使うことのできる物質やエネルギーに限度があれば、その範囲内で効率のよい体をつくる必要があり、不用な器官を残しておくことは不利になるということがあるかもしれない。寄生虫で生殖器官が異常に発達していることも、消化器官などの退化によって可能なのだともいえる。全体としての適応を高めるために、体の小部分の退化がおこるということも多くみられる。進化に伴いウマの足指が減少することは一つの例である。これは、指としてみれば明らかに退化であるが、肢(あし)全体としてみれば、走ることにより適応したものになっている。部分的な退化はむしろ普通であって、それなくしては、全体としての適応的進化もありえないとさえいえよう。[上田哲行]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

たい‐か ‥クヮ【退化】
〘名〙
① 個体発生や系統発生の過程で、生物体の器官・組織などが縮小・衰退すること。
※筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉一「また反対に人間がに退化せぬこともなかるべし」
② 一旦進歩していたものが、またもとのおくれた状態にもどること。
※それから(1909)〈夏目漱石〉二「進化の裏面を見ると、何時でも退化(タイクヮ)であるのは、古今を通じて悲しむべき現象だが」
[語誌]明治時代に「進化」の対義語として作られた。「進化」は、最初から訳語として西周によって考案されたが、「退化」は、まず「進化」の対義語として使用されて、その後、degeneration の訳語として採用された。

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