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辺/方【ヘ】

デジタル大辞泉

へ【辺/方】
[名]
そのものにごく近い場所、また、それへの方向を示す。近く。ほとり。あたり。
「大君の―にこそ死なめ」〈続紀・聖武・歌謡〉
(多く「」と対句になって)海のほとり。うみべ。
「沖見ればとゐ波立ち―見れば白波さわく」〈・二二〇〉
[接尾]名詞、動詞の連体形の下に付く。普通「え」と発音され、また濁音化して「べ」ともなる。
その辺り、その方向などの意を表す。「片(かた)―」「行(ゆ)く―」「海―(うみべ)」「水―(みずべ)」
その頃の意を表す。「去(い)にし―」「春―(はるべ)」「夕―(ゆうべ)」

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べ【辺/方】
[接尾]へ(辺)

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へた【辺/端】
[名]へり。ほとり。はた。特に、海べ。波うちぎわ。
「近江(あふみ)の海―は人知る沖つ波君をおきては知る人もなし」〈・三〇二七〉
[接尾]名詞のあとに付き、その側面、その方面の意を表す。促音を間にはさんで「ぺた」となる。「尻っぺた」「ほっぺた」など。

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へん【辺】
漠然と、それに近い場所や位置。あたり。付近。「そのを散歩する」
漠然とした事柄。「そのの事情はわからない」
およその程度。くらい。「そので勘弁しろ」
はて。限り。「一望、なし」
数学で、等号・不等号の両側にある項。
幾何学で、角・多角形・多面体などをつくっている各線分または半直線。
囲碁で、隅を除いた、5~4線あたりより外側の部分。「上」「左

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へん【辺〔邊〕】[漢字項目]
[音]ヘン(呉)(漢) [訓]あたり べ へ ほとり
学習漢字]4年
〈ヘン〉
中央から隔たった所。国境。果て。「辺境辺塞(へんさい)辺地広大無辺
ある物を中心としてその付近。あたり。「縁辺海辺机辺近辺口辺周辺身辺水辺那辺(なへん)炉辺
幾何学で、多角形の一つの線分。「斜辺底辺等辺四辺形
数学で、等号や不等号の左右にある数・式。「右辺左辺
〈べ〉「海辺(うみべ)上辺(うわべ)岸辺野辺浜辺

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ほとり【辺/畔】
その付近。近辺。あたり。そば。「道の―」
「子供の身の―の世話から言っても」〈藤村新生
海や川・池などの水際。きわ。「川の―を散歩する」
はし。はずれ。辺際。
「―の土(くに)いまだ清(しづ)まらず」〈神武紀〉
側近の者。また、縁故の者。縁辺。
「人ひとりを思ひかしづき給はむ故は、―までも匂ふ例(ためし)こそあれ」〈・真木柱〉

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世界大百科事典 第2版

へん【辺 side】
数学用語。(1)角をつくる二つの半直線を角の辺という。(2)多角形を囲む各線分を多角形の辺という。n角形はn個の辺をもつ。(3)多面体を囲む各多角形の辺を多面体の辺という。これはまた多面体の稜とも呼ばれる。例えば四面体は6個の辺をもち,立方体は12個の辺をもつ。【中岡 稔】

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大辞林 第三版

へん【辺】
場所などのおおよその見当を示す。大体そのあたり。 橋の-で追いついた 青森-は雪らしい
事柄などを漠然と示す。 その-のいきさつは聞いていない その-の事情は複雑だ
おおよその程度や範囲などを示す。くらい。 成績は、まあその-だ 今日はこの-でやめておこう
[1]
多角形を作り上げている線分。
角の頂点から出ている二つの半直線。
多面体・多面角の面と面との交線。稜りよう
等式・不等式で、等号または不等号の両側にある式や数。
囲碁で、盤面の隅と中央を除いた盤側に平行な部分。
漆液を採取するとき幹につける水平な傷。

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精選版 日本国語大辞典

あたり【辺】
〘名〙
① 基準とする所から近い範囲。また、範囲を明確に定めないでその付近の場所をいう。その辺の場所。付近。近所。わたり。
※古事記(712)下・歌謡「わが見が欲し国は 葛城高宮 わぎへの阿多理(アタリ)
※源氏(1001‐14頃)夕顔「あたりさへすごきに板屋のかたはらに堂建てておこなへる尼の住ひいとあはれなり」
② 血縁的に近いこと。また、その人。近親。縁故。
※大鏡(12C前)三「御あたりをひろうかへりみ給御こころぶかさに」
③ おおよその目安、目当てを示す語。また、それとはっきり示さず、漠然とあるいは間接的、婉曲(えんきょく)にそれをさす。
(イ) 場所についていう。
※万葉(8C後)八・一四四六「春の野にあさる雉の妻恋ひに己が当(あたり)を人に知れつつ」
(ロ) 人についていう。
※源氏(1001‐14頃)蓬生「かかる貧しきあたりと思ひあなづりて言ひくるを」
※徒然草(1331頃)二三四「世に古りぬる事をも、おのづから聞もらすあたりもあれば」
(ハ) 時についていう。ころ。時分。
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「素人口じゃア屠(しめ)て二日目あたりが最上だネ」
(ニ) 数量、程度などについていう。くらい。
(ホ) 事柄についていう。
※後裔の街(1946‐47)〈金達寿〉三「よかった、よかったと西洋映画あたりの場面だったらさしずめ頬っぺたに接吻でもしかねまじく」

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べ【辺】
〘名〙 ⇒へ(辺)

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へん【辺】
〘名〙
① 国と国と境を接する地帯。国境。
※続日本紀‐養老六年(722)閏四月乙丑「是以聖王立制、亦務実辺者、蓋以中国也」 〔史記‐韓長孺伝〕
② 漠然とある場所や位置、また、その場所に住んでいる人を示していう語。ほとり。あたり。そば。付近。へ。
※加賀本竹取(9C末‐10C初)「舎人やつれ給ひて、難波のへんにおはしまして」
③ 漠然と物事の程度や目安などを示していう語。大体の程度。おおよその状況。ほど。くらい。
※咄本・醒睡笑(1628)四「何へんともなき者ども、三人つれだち」
④ 遠まわしに漠然と出来事や事実を指摘する語。
※上井覚兼日記‐天正一三年(1585)八月八日「先日凡被仰候石崎と徳之淵口事辺出来候」
※海底軍艦(1900)〈押川春浪〉一二「読者諸君も恐らく此辺(ヘン)の想像は付くだらう」
⑤ かぎり。はて。「一望、辺なし」
⑥ 数学で、多角形をつくっている線分。空間図形の二つの面が交わってできる線分。角をつくっている線分または半直線。〔工学字彙(1886)〕
⑦ 数学で、方程式・不等式などの関係式の両側の項。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
⑧ 囲碁で、盤面を大ざっぱに区分したとき、隅(すみ)と隅との間の部分をいう。棋譜にとった場合や対局者の位置によって、それぞれ上辺・下辺・右辺・左辺と呼ぶ。〔モダン新用語辞典(1931)〕

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ほとり【辺】
〘名〙
① 物の占める空間の縁辺、末端など。
(イ) 端(はし)。はずれ。はて。辺際。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)二「亦は虚空の際(ホトリ)有ること無きが如し」
(ロ) 特に、川や海などのきわ。ふち。
※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「海の浜(ホトリ)に遊猟して」
② ある物の近辺。それに近いあたり。かたわら。
※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「州城門の首(ホトリ)の堂の上にして」
③ (その近辺の人の意で) 縁故のある者、近親や側近の者などをいう。
※源氏(1001‐14頃)蓬生「この宮の木立を心につけて、はなち給はせてむやと、ほとりにつきて案内し申さするを」
[補注]「あたり」が、基準となる場所も含めて付近一帯をさすのに対して、「ほとり」は、基準となるもののはずれ、ないし、その近辺をさしていう。

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わたり【辺】
〘名〙
① ある場所の、そこを含めた付近。また、そこを漠然とさし示していう。その辺一帯。あたり。へん。へ。近所。
催馬楽(7C後‐8C)山城「山城の 狛(こま)の和太利(ワタリ)の」
※伊勢物語(10C前)五「東の五条わたりにいと忍びていきけり」
② 特定の人のもとを、婉曲にさしていう。人のもと。人のところ。
※源氏(1001‐14頃)手習「かかるわたりには急ぐ物なりければ」
③ 人や、人々のことを漠然とさしていう。
※源氏(1001‐14頃)橋姫「かのわたりは、かくいともむもれたる身に引きこめてやむべきけはひにも侍らねば」
④ ある時間、時刻を漠然とさしていう。
※醍醐寺文書‐(年未詳)(16C)六月一九日・僧亮淳書状「明後日わたり罷下可申上候」

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