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輸送現象【ゆそうげんしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

輸送現象
ゆそうげんしょう
transport phenomenon
ある媒体内部速度電位温度,特定物質濃度などの不均一が存在すると,それらの量の高いところから低いところへ,それぞれ運動量電荷,物質が移動していく。このような現象輸送現象と総称する。移動する物理量は異なっていても,それらの移動過程は同じ数学的形式で書き表わせることが多い。

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デジタル大辞泉

ゆそう‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【輸送現象】
分子自身の、あるいは分子の運動量・エネルギーの輸送によって生じると考えられる現象。拡散電流熱伝導粘性など。

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世界大百科事典 第2版

ゆそうげんしょう【輸送現象 transport phenomenon】
物質,エネルギー,運動量などが移動する現象を一般に輸送現象という。例えば,電池豆電球をつないだときを考えてみると,この場合,電池の+から-極へと電流が流れる。実際には,-極から+極へと電子の流れが生じているわけだが,このような電子の流れは輸送現象の一例である。また,銅線一端を熱し,他を冷やして温度こう配を作ると,高温側から低温側へと熱が移動し,いわゆる熱伝導が起こる。この場合には,熱というエネルギーが輸送される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ゆそうげんしょう【輸送現象】
物質の構成や運動状態が場所によって異なるとき、物質・エネルギー・運動量などが移動して平均化する現象。電流や拡散・熱伝導・粘性など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

輸送現象
ゆそうげんしょう
transport phenomena
金属の棒の両端に電圧をかけると、金属の中に電場が生じ、電流が流れる(電気伝導)。物体の温度が不均一なとき、物体中に熱の流れが生じる(熱伝導)。このように物体中を電気、熱などの物理量が流れる現象を、一般に輸送現象という。液体の流れのような、物質そのものの運動は含まない。
 輸送現象には、電気伝導や熱伝導のほかにもいろいろある。水の中にインクをこぼすと、インクは広がって水全体を染めるようになる。このように、溶液の中で溶けている物質(溶質)の濃度が不均一であれば、溶質の流れがおこる(拡散)。流れている気体や液体中で流れの速さが一様でないと、速い領域と遅い領域との間に一種の摩擦力が働く(粘性)。この力は速いほうの流速を遅くし、遅いほうの流速を速くするから、そこに運動量の流れがおきているとみてよい。
 輸送現象の特徴は、流れの向きが定まっていることである。熱の流れは高温の領域から低温の領域へ向けておこり、溶質は高濃度の領域から低濃度の領域へ向かって流れる。逆向きには流れない。熱が流れると温度差は減り、溶質が拡散すると濃度差が減る。温度や濃度が均一で、それ以上時間的に変化しない状態を、熱平衡状態という。物質の状態がこの熱平衡から外れると、流れはそれを回復する向きにおこるのである。このような変化を、逆向きにはおこりえないという意味で、不可逆変化という。輸送現象は代表的な不可逆変化である。
 物質中に「流れ」を生じさせるためには、電場、温度勾配(こうばい)のような、ある種の「力」を加えなければならない。「力」が弱いときには「流れ」も小さい。このような場合、「流れ」は「力」に比例すると考えてよい。たとえば、電場がEのとき流れる電流をIとすれば、IEの関係が成り立つ。また、温度勾配がdT/dxのとき流れる熱流をJとすれば、J=κ(dT/dx)の関係が成り立つ。比例係数σ、κは物質や温度などの条件による定数で、σを電気伝導度、κを熱伝導度という。一般に、「流れ」と「力」を結ぶ比例係数を輸送係数という。[長岡洋介]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ゆそう‐げんしょう ‥ゲンシャウ【輸送現象】
〘名〙 分子自体の、あるいは分子の運動量・エネルギーの輸送によって生じると考えられる現象。拡散・電流・熱伝導・粘性など。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

輸送現象
ユソウゲンショウ
transport phenomena

粘性,熱伝導,拡散などのように,気体,液体,あるいは固体の一方から他方へある量が移動する現象をいう.分子の熱運動の結果として,物質内の仮想平面を通して,粘性では運動量が,熱伝導ではエネルギーが,また拡散では物質自身が輸送される.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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