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輪廻【りんね】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

輪廻
りんね
metempsychosis; saṃsāra
霊魂が,人間,動物あるいは場合によっては植物などと,1つもしくはそれ以上の存在に次々に生れ代っていくとする思想信仰。普通アジアの宗教や哲学に顕著であるが,原始宗教,古代オリエントの宗教,マニ教グノーシス主義,さらには神智学など現代の宗教運動にも輪廻の思想が見出される。インド古来の生死観では,saṃsāraと呼ばれ,たとえば,ウパニシャッドの哲人ヤージュニャバルキヤは,輪廻を業の思想に結びつけ,アートマンブラフマンの合一による解脱を説いた。不変の実体霊魂を認めない仏教では,人間行為の結果としての業そのものが輪廻すると考える。

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デジタル大辞泉

りん‐ね〔‐ヱ〕【輪×廻】
[名](スル)《「りんえ」の連声
《〈梵〉saṃsāraの訳。流れる意》仏語。生ある者が迷妄に満ちた生死を絶え間なく繰り返すこと。三界六道に生まれ変わり、死に変わりすること。インドにおいて業(ごう)の思想と一体となって発達した考え。流転。転生。輪転。「六道に輪廻する」
連歌連句で、一巻(ひとまき)のうちに同意・同想の言葉や意味が繰り返されること。また、付句打ち越しと似た語句・趣向を用いること。禁制とされる。
地学現象が一定の順序で生起し、循環的に繰り返すこと。浸食輪廻など。
執着の気持ちの強いこと。愛着。
「親の慈悲心、子故の闇、―の紲(きづな)にしめつけられ」〈浄・太功記
[補説]書名別項。→輪廻

出典:小学館
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りんね【輪廻】[書名]
森田草平の自伝的長編小説。「女性」誌の大正12年(1923)10月号から大正14年(1925)12月号にかけて連載。大正15年(1926)単行本刊行。

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岩石学辞典

輪廻
問題とする系あるいは対象が,その始まりの状態あるいは変化系列がそれぞれ繰り返して生じるような変化の系列で,例えば堆積輪廻などである.堆積作用では,輪廻は岩石の単位群がある順序で生じ,連続的に繰り返すことが多いものと定義されている[Duff & Walton : 1962].ある決まった順序で繰り返し起こる現象の場合に,その一回の繰り返しを輪廻という.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

りんね【輪廻】
〈輪回〉とも書き,〈輪廻転生〉ともいう。サンスクリットでサンサーラsaṃsāra,英語でtransmigration,metempsychosis。車輪が廻転してとどまることのないように,次のにむけて無限に生死をくり返すこと。原始段階では,人の死後,霊魂が鳥獣草木や他の人間に転生するという観念が抱かれたが,やがてインドやギリシアにおけるように,生前の行為と転生後の運命が因果的に結びつけられ,洗練された輪廻観が説かれるようになった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りんね【輪廻】
スル
りんえの連声
samsāra 流れる意 生あるものが死後、迷いの世界である三界・六道を次の世に向けて生と死とを繰り返すこと。インド思想に広くみられる考えで、仏教の基本的な概念。生死しようじ。輪廻転生りんねてんしよう。流転るてん
連歌・俳諧で、一巻中に同意・同想の語句や趣向が繰り返されるのを嫌っていう語。
ある一連の経過を経て生起する地学現象が、循環的に繰り返すと考えていう語。地形輪廻など。サイクル。
執着の深いこと。 -したる女かな/浄瑠璃・出世景清

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

輪廻
りんね
仏教の術語。人間は死後もなんらかの形で存続するという普遍的信念の一つの形態が輪廻で、とくにインドで発展した。人間の本質は実体的な霊魂である。一方、人間の行為(カルマン、業(ごう))はのちに影響を及ぼす潜在的な力(カルマン、業力)を生み、霊魂がこれを担うから、人は死後、生前の業に従ってしかるべき死後世界に生まれ変わる。こうして無限に再生を繰り返すのが輪廻である。サンスクリット語でサンサーラsamsraといい、「流れ」「回り巡ること」が原意である。死後世界は、基本的には、安楽な世界たる天、罰としての苦の世界たる地獄、人間、そして動物(畜生(ちくしょう))の世界である。業の発現の仕方は「自業自得(じごうじとく)」と「業果の必然性」を鉄則とする。自らの行為の果報はかならず自分に現れ、今世でなければ来世、あるいはその後の生に現れる、善因善果・悪因悪果の因果応報の考え方は現実社会の不平等を巧みに説明し、さらにその不平等を来世で回復してバランスをとりうる可能性を示す。心理的にも説得力があり、またなにゆえに善行をなさねばならないか、という倫理の根拠をも提示しつつ、遅くも紀元前4世紀にはインド社会に定着した。以降、今日に至るまでインド文化の基本的観念として思惟(しい)方法、宗教、哲学、社会慣習などに多大の影響を与えた。仏教では餓鬼(がき)ないし阿修羅(あしゅら)世界を加えた五道、六道輪廻の観念が発達し、東南アジア、中国、韓国、日本、チベットなどの仏教徒の生活をさまざまに規定している。[奈良康明]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りん‐ね ‥ヱ【輪廻】
〘名〙 (saṃsāra の訳語「りんえ」の連声)
① 仏語。回転する車輪が何度でも同じ場所に戻るように、衆生が三界六道の迷いの世界に生死を繰り返すこと。
※文華秀麗集(818)中・答澄公奉献詩〈嵯峨天皇〉「頼有護持力、定知絶輪廻」
※苔の衣(1271頃)三「いづることなく、りんゑのきづなにまとはれて」 〔心地観経‐三〕
② 同じことを繰り返すこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 執念深くすること。執着心の強いこと。未練がましいこと。
※浄瑠璃・出世景清(1685)二「十蔵たもとをふりきって、ゑゑりんゑしたる女かな。そこのけとつきのけて」
④ 連歌・俳諧の付合で、三句目に同意・同想の語や意味を繰り返すこと。去嫌(さりきらい)の一つで、数句隔てて反復する遠輪廻とともに、変化を尊ぶ文芸として忌み嫌われる。
⑤ 一八九九年、アメリカの自然地理学者デービスの提唱した地形の変化についての概念。侵食輪廻や堆積輪廻など、地学現象が一定の順序で繰り返すという。

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りん‐え ‥ヱ【輪廻】

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旺文社世界史事典 三訂版

輪廻
りんね
古代インドの思想および世界観
サンスクリット語のSamsara訳語。生物は前世現世来世の3世にわたって死と再生をくりかえし,因果応報の法則に支配されるという思想。この束縛から逃れて自由になること(解脱 (げだつ) )を最上の目的とした。ウパニシャッド哲学で現れ,仏教にも取り入れられた。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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