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転移【てんい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

転移
てんい
transference
心理学用語。感情転移のことで,S.フロイトが精神分析で用いた鍵概念の一つ。対人関係において,現実の対象には不釣合いな感情や態度を示した場合,幼児期に接しただれか,特に両親に向けられていた感情や態度が再現されたと解釈できることが多い。これを転移と呼ぶ。転移には,信頼,友情,恋愛などの感情を伴う陽性転移と,恨み,敵意,憎悪などの感情を伴う陰性転移とがある。しかし,本来,陽性と陰性の両転移がともにみられるものであり (これを両価傾向=アンビバレンスという) ,状況の変化によって変容しやすく,輻輳した心理機制である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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転移
てんい
transition
物理学用語。遷移ともいう。ある状態から他の状態へ移る現象。特に,物質の集合状態の変化を転移と呼び,相転移,多形変化,共晶変化,同素体変化などにこの語が用いられる。

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転移
てんい
metastasis
医学用語。病原体や悪性腫瘍細胞が,血液またはリンパの流れに乗って離れたところにある臓器に運ばれ,そこに原発巣と同一の病変を起すこと。

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知恵蔵

転移
がん細胞の特徴は、活発な増殖力と組織破壊力にあり、自らの母組織を破壊し、周囲の臓器にも浸潤する。血管を破ったがん細胞が血流と共に遠い臓器に飛び火し、リンパ管を伝ってリンパ節にがん病巣をつくることを転移という。その経路によって、血行性転移、リンパ行性転移と呼ぶ。がんの中には、転移しやすいがん・しにくいがん、また、転移しやすい臓器・しにくい臓器がある。血行性転移は、肺、肝臓、脳に多い。転移が先に発見され、元のがんがなかなか見つからないこともある。
(黒木登志夫 岐阜大学学長 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

てん‐い【転移】
[名](スル)
場所が他にうつること。また、場所をうつすこと。移転。「施設が転移する」
病原体や腫瘍(しゅよう)細胞が、原発巣から血流やリンパ流などを介して他の場所に移り、そこに同様な組織変化を起こさせること。癌(がん)などにみられる。
物質が、ある状態から他の状態へ変化する現象。ふつう結晶相の変化や同素体変化などの相転移をいう。
前に学習したことが、あとの他の学習に影響を与えること。学習を促進する場合を正の転移、逆の場合を負の転移という。
精神分析で、患者が幼児期に親などに対して抱いていた感情を治療者に向けること。

出典:小学館
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PET検査用語集

転移
がん細胞は増殖して血管網などをつくって病巣を広げていく力をもっています。このがん細胞が、リンパ液や血液の流れに乗って、あるいは腹腔内にばらまかれ るような形で、他の組織や器官に飛び火することを「転移」といいます。

出典:PET検査ネット
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世界大百科事典 第2版

てんい【転移 transference】
S.フロイトが見いだした心的現象のひとつ。〈感情転移〉とも訳される。精神分析療法の過程において,患者の幼児期における重要な人物(たとえば両親)に寄せた感情,欲望,観念などが分析者に向けて展開されること。このような人間関係の一様態は,あらゆる人間関係の中で本来多かれ少なかれみられるものであり,たとえば特定の人物が知らず知らずのうちにあたかも親のように見立てられたりすることはよくある。ただ精神分析療法においては,患者は感情を自由に表出することが許容され,しかも治療者は中立的態度を堅持するために転移が濃密で純粋な形で起こってくる。

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大辞林 第三版

てんい【転移】
( 名 ) スル
場所などをうつすこと。また、うつること。移転。 「備州小田郡笠岡へ-せられ/新聞雑誌 50
移りかわること。 「好みは時代とともに-する」
〘医〙 腫瘍しゆよう細胞や病原体が血流やリンパ流に入り、他の場所に移行・定着して、原発巣と同一の変化を起こすこと。
〔transition〕 物質が一つの状態から他の状態に変化すること。気相・液相・固相間の相転移、同一物質の異なる結晶形の間での多形転移、同素体の間での転移など。
〘心〙
〔transfer〕 前に行なった学習が、あとの学習効果に影響を与えること。あとの学習を促進する場合を正の転移、妨害・抑制する場合を負の転移という。学習転移。
〔transference〕 精神分析で、患者が過去に親など重要な人物に向けたのと同じ感情や態度を治療者に向けること。

出典:三省堂
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