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【ふ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典



Fu
中国の韻文の一体。形式としては,対句を用い,句末に適宜押韻するもので,1句の字数にも,1編の句数にも決りはない。『楚辞』の系統をひくもので,「辞賦」と並称するが,特に区別はなく,『楚辞』の各編を賦の始りと考えることが多い。漢代に入ると華麗な叙述がふえ,宮廷でもてはやされ,文学の最も重要なジャンルとして発展,「漢賦」と呼ばれ,賈誼 (かぎ) ,司馬相如揚雄班固らが出た。六朝時代には駢文 (べんぶん) 盛行のなかにあって,さらに美文化して「駢賦」と呼ばれ,唐代にはさらに対句,音調を重んじる「律賦」が行われた。宋代には古文運動が盛んとなるにつれ,賦は散文化し,単に各所に押韻するだけのいわゆる「文賦」が生れた。蘇軾の『赤壁賦』はその代表作。宋以後は衰微の一途をたどった。

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デジタル大辞泉

ふ【賦】
詩や歌。「惜別の
詩経」の六義(りくぎ)の一。比喩(ひゆ)などを用いないで感じたことをありのままによむ詩の叙述法。
漢文の文体の一。対句を多用し、句末で韻をふむもの。「赤壁

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ふ【賦】[漢字項目]
常用漢字] [音](呉)(漢)
税を取りたてる。租税。「賦役賦税/田賦」
割り当てる。割り当て。「賦課割賦月賦年賦
授け与える。「賦活賦与天賦稟賦(ひんぷ)
詩歌を作る。また、詩歌。「賦詠早春賦」
古代中国で、韻文の一体。「辞賦赤壁賦
[名のり]ます

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世界大百科事典 第2版

くばり【賦】
鎌倉幕府,室町幕府における訴訟手続上の用語。訴状が幕府に受理されて,当の法廷に送付される手続をいう。またこの手続にあずかる幕府の機関も賦と称された。この手続を担当する役人は賦奉行であるが,単に賦とも呼ばれた。鎌倉幕府は訴訟制度を発達させたが,執権北条時頼の時代には,訴訟専門の審理機関として引付(ひきつけ)が設けられた。これは若干名引付衆と若干名の奉行人とから成るチームで,〈一番引付〉〈二番引付〉などと呼ばれ,その数は時代によって変化があった。

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ふ【賦 fù】
中国の韻文の文体の一種。詩とちがって一句の長さは一定せず,長短さまざまな句を用い,押韻の方法にも定式はないが,一般に対句(ついく)によって構成されることが多く,また韻文の諸形式のうちでおおむね最も長い。〈賦〉の字義は,ものごとを鋪(し)き陳(つら)ねることで,その名のごとく種々の事物を羅列的に描写して,豊富な景観を作り出すことを本来の役割とした。また〈賦〉には朗誦するという意味もあり,この形式が元来《詩経》の詩のように歌われるものではなく,朗誦されるものであったことを暗示している。

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大辞林 第三版

ふ【賦】
「詩経」の六義りくぎの一。漢詩の表現・修辞による分類の一つで、比喩によらず、心に感じたことや事物を直叙したもの。
漢文の韻文体の一。「離騒」「楚辞」およびその流れをくむもの。漢代に盛行し、四六駢儷体しろくべんれいたいを生む母体となった。対句を多く含み、句末は韻を踏む。
詩。韻文。 「早春の-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)


中国古典文学の代表的な文体の一つ。辞賦(じふ)ともいう。賦とは、元来、敷き延べる意。したがって全編にわたり華麗な辞句を連ね、数十句から数百句にも及ぶ長編作品がほとんどを占める。戦国末期の楚(そ)国の宮廷文壇からおこり、漢魏六朝(かんぎりくちょう)時代(前2世紀~後6世紀)をその全盛期とする壮麗な朗誦(ろうしょう)文学で、対句を主体にしつつ、問答形式を用いたり、長短句を適宜織り交ぜたりするので、『文選(もんぜん)』以来いちおうは「散文」として取り扱っているが、押韻(おういん)や平仄(ひょうそく)に留意するなど韻文的要素も多分に含んでおり、正確には韻文と散文の折衷様式と考えてよい。中国古代貴族文学の典型的文体。
 南方の楚国に発生したこの文学様式が、やがて中央文壇の主流を占めるに至った経緯は、初め宋玉(そうぎょく)らを中心として楚の宮廷文壇で盛んにつくられていた辞賦が、楚の王室の東遷とともに江淮(こうわい)地方に伝播(でんぱ)され、前漢初期、この地方で枚乗(ばいじょう)、荘忌(そうき)、鄒陽(すうよう)の三大辞賦作家をはじめ多くの作家の活動が始まり、ついで辞賦を愛好した武帝のとき、枚乗らの作風を継承する司馬相如(しばしょうじょ)、枚皋(ばいこう)、荘助(そうじょ)らが漢室の文壇に大挙招かれたことにより、初めて辞賦が宮廷貴族文学の中枢的地位を獲得したといえる。
 代表作家には、前述の諸家に続き、前漢の揚雄(ようゆう)、後漢(ごかん)の班固(はんこ)・張衡(ちょうこう)・蔡(さいよう)、魏(ぎ)の曹植・王粲(おうさん)、西晋(せいしん)の潘岳(はんがく)・陸機・左思、東晋の郭璞(かくはく)・孫綽(そんしゃく)、南朝の謝霊運・鮑照(ほうしょう)・沈約(しんやく)・江淹(こうえん)、北朝の(ゆしん)らがある。賦の修辞が漢魏六朝の詩や駢文(べんぶん)に与えた影響も大きい。[岡村 繁]
『小尾郊一著『全釈漢文大系26・27 文選』(1974・集英社)』

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精選版 日本国語大辞典

ふ【賦】
〘名〙
① 割り当てること。割りつけること。配ること。
② みつぎもの。年貢。租税。また、賦役。
※続日本紀‐養老元年(717)一一月戊午「熊有精麤賦無貴賤」 〔書経‐禹貢〕
③ 「詩経」の六義(りくぎ)の一つで、比・興とともに、表現上の方法の分類を示すもの。事実や風景、心に感じたことなどをありのままに述べたもの。
※作文大体(1108頃か)「詩六義者風賦比興雅頌也」 〔詩経大序〕
④ 漢詩になぞらえて、紀貫之がいう和歌の六義の一つ。ありのままに詠むもので、仮名序のかぞえ歌に相当する。
※古今(905‐914)真名序「和歌有六義。一曰風、二曰賦、三曰比、四曰興、五曰雅、六曰頌」
⑤ 漢文の韻文体の一つ。事物の様子をありのままに表わし、自分の感想を付け加えるもの。対句を多く用い、句末は必ず韻を踏む。
※菅家文草(900頃)七「未旦求衣賦一首」 〔班固‐両都賦序〕
⑥ 転じて、広く一般的に韻を含んだ詩文。
※万葉(8C後)一七・三九八五・題詞「二上山賦一首」
⑦ 俳文で、⑤の様式をとり入れ、故事や成句などを交じえ、対句を多く用い自分の感想などを述べるもの。〔俳諧・本朝文選(1706)〕

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ふ‐・す【賦】
[1] 〘他サ変〙 ⇒ふする(賦)
[2] 〘他サ五(四)〙 (サ変動詞から転じたもの) =ふする(賦)

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ふ‐・する【賦】
〘他サ変〙 ふ・す 〘他サ変〙
① わりあてる。くばる。わりつける。また、あたえる。さずける。
※言継卿記‐永祿一三年(1570)正月二五日「各に被賦云云、一条殿へ一、久我入道に二」
② 詩などをつくる。
※名語記(1275)五「連歌になになにをふすといへる如何。ふすは賦也。賦の字をば、くばるとよめり。題の義おもふ心を句の中にくばりこむる也」

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