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賃租【ちんそ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

賃租
ちんそ
古代の土地経営法。1年を限って,代価を支払って土地を耕作することをいう。耕作以前に出す価を収穫後に支払う価を租という。その価は,地方により,また土地の肥瘠 (ひせき) によって異なる。公田は,延喜 (901~923) の頃には上,中,下,下々の4等に分けて収穫稲の5分の1を太政官に納めさせた。大宰府管内の諸国のものは,対馬島司の費用にあてられた。また,私田も,官司に申請して賃租することができた。その地子 (じし) は私田の所有者に,租は官に納めた。

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デジタル大辞泉

ちん‐そ【賃租】
《「賃」は春先前払い地子(じし)、「租」は秋の収穫後に支払う地子》律令制で、諸国の公田国司人民に貸し、その賃貸料として地子を取った制度。地子は収穫の5分の1ほどにあたる。

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世界大百科事典 第2版

ちんそ【賃租】
日本の律令制時代における田地園地賃貸借の制度。平安期にみえてくる請作(うけさく)や後世の小作と比較的類似している。日本古代では,今日と違って売買と観念される行為には2種類あり,1年を限る売買と長期間にわたる永年を限る売買があった。田地・園地などの不動産では,前者を律令用語で賃租といい,賃租と対比される後者をふつう永売と呼んだ。ただし詔勅や文書史料には両者とも売買と表現され,賃租の語はほとんど使用されていない。

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大辞林 第三版

ちんそ【賃租】
は春の耕作前に払う地子、は秋の収穫後に払う地子の意
律令制で、公田・私田を賃貸借する制度。また、その地子。地子は公田の場合収穫高の二割を標準とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

賃租
ちんそ
日本古代の田地・園地の1年間限りの賃貸借制度。養老令(ようろうりょう)では、田令の賃租条に「田ヲ賃租セムコトハ、各(オノオノ)一年ヲ限レ。園ハ任(ホシイママ)ニ賃租シ及ビ売レ」と定められ、公田条には、太政官(だいじょうかん)の運営財源の公田の賃租による運用が定められている。日本古代の「売買」は賃租と永代売買を含む概念であり、賃租の語は1年限りの売買(貸借)を明確にするために律令に採用された。賃は耕地貸借時の春に価直(かちょく)(賃租料)をとる方式、租は秋の収穫後に価直をとる方式。賃租料率は耕地価値の3分の1から2分の1(出挙(すいこ)利率と同率)であり、賃租は耕地の用益・収穫権の「出挙」にほかならないとみる説もある。[石上英一]
『井上光貞他編『律令』(1976・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典

ちん‐そ【賃租】
〘名〙 (「賃」は春先の地子の前払、「租」は秋の収穫後の地子の後払をいう) 令制で、諸国の公田、乗田を国司が人民に貸しつけて、その賃貸料として取った地子。およそ収穫の五分の一にあたる。また、私人がその田を賃租させることもあった。八世紀頃には賃租させることを田を売ると称した。
※律(718)逸文「凡過年限。賃租田者、一段笞十」

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旺文社日本史事典 三訂版

賃租
ちんそ
古代の土地賃貸借法
奈良時代に公田を1年契約で賃貸し,春に前払いするのを賃,秋の収穫後に納めるのを租と呼んだ。この賃租料を地子といい,その額は収穫の5分の1。田地を輸地子田という。位田・郡司職田の一部も賃租された。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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