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貸出【かしだし】

日本大百科全書(ニッポニカ)

貸出
かしだし
銀行が取引先に資金を貸し与えることで、預金の受入れや為替(かわせ)取引とともに銀行の固有業務の一つである。銀行が取引先に資金を融通する方法にはほかに有価証券投資もあるが、これは銀行の付随業務であるから、貸出は銀行の基本的資金運用といえる。貸出の形式には手形割引と貸付とがあり、後者には手形貸付、証書貸付、当座貸越の三つが含まれている。
 貸出は銀行の資産の主要部分を占め、また収益の主たる源泉でもあるので、個別銀行の経営上きわめて重要な意味をもつものであるが、国民経済的にも、資金配分の機能を担うものとしてその意義は大きい。
 貸出の分類としては、前記の貸出形式による分類のほかに、貸出先種類別分類(企業貸出と個人貸出)、貸出先企業規模別分類(大企業貸出と中小企業貸出)、貸出資金の使途別分類(設備資金貸出と運転資金貸出、他に住宅向け貸出と消費者金融)、担保別分類(担保貸出と信用貸出)、貸出方式別分類(単独融資と協調融資)、償還方式別分類(一括償還貸出と割賦償還貸出)などがある。[那須正彦]

手形割引

商品の売買に際して振り出された手形である商業手形や荷為替手形と銀行引受手形などを、銀行が満期日までの利息相当額をあらかじめ差し引いて、取引先である手形所持人から買い取る形での融資をいう。手形の買取りの時点で利息相当額を天引してしまうので割引discountということばが生じた。手形割引は、商取引の裏づけがあるので期日決済の確実性が高く、期間も比較的短いので、銀行の貸出形態としてはもっとも好まれ、利息(割引料という)にも通常いちばん低い利率が適用される。[那須正彦]

手形貸付

借用証書のかわりに銀行を受取人とする約束手形を用いて行われる貸出形式で、銀行は民法上の貸付債権のほか手形法上の権利をも保有する。通常、短期の運転資金貸出に用いられ、手形割引とともに銀行の短期貸出の主要な形態である。商業手形の割引と異なり、手形貸付では商取引の具体的な裏づけがないので、有価証券、商品、預金など担保をとることが多く、利率も一般に手形割引よりも若干高い。[那須正彦]

証書貸付

借用証書(金銭消費貸借契約証書)による貸出で、設備資金、長期運転資金など、おもに長期資金融資に用いられる。返済期間が長期にわたるので、債権保全のため原則として不動産、工場財団など担保をとり、また返済も分割返済の方法をとることが多い。利率も一般に手形割引、手形貸付よりも高い。[那須正彦]

当座貸越

当座勘定契約に付随してなされる契約に基づいて行われる。取引先が当座預金の残高を超えて手形または小切手を振り出した場合に、あらかじめ約定した極度額および期間の範囲内であれば銀行が立替払いをするという契約で、その立替額が当座貸越として処理されるのである。当座預金取引先に対し随時発生する一時的な信用供与であって、リスクを伴うので、通常、有価証券など担保をとり、利率も手形貸付より高い。[那須正彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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図書館情報学用語辞典

貸出
特定の図書館資料を特定の利用者に,一定の期間,自由に独占的に利用させること.公共図書館では,個人の利用者に資料を貸し出す個人貸出と,団体利用者に貸し出す団体貸出とがある.図書館の資料を利用する方法には,館内での閲覧と館外への貸出の2種類あるが,前者が利用時間と利用場所を限定するのに対し,後者はより大きな自由を利用者に提供する.利用者は貸出により,どのような時間帯でも,どこででもその資料を自由に利用できる点が,資料提供方法として優れている.日本の公共図書館にとって,貸出は資料提供の基本的方法であり,図書館運営の原点となっている.なお,貸出サービスという用語には,通常,貸出それ自身とそれに関連する読書案内や予約サービスが含まれている.

出典:図書館情報学用語辞典 第4版
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精選版 日本国語大辞典

かし‐だし【貸出】
〘名〙
① 金銭、本などの品物、その他を貸すこと。⇔借入れ
※引越やつれ(1947)〈井伏鱒二〉牛込鶴巻町「私は〈略〉その本の貸出しを受けた」
② 銀行の手形割引、手形貸付、当座貸越、証書貸付の総称。⇔借入れ
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉虚業家尺牘数則「〇〇保険会社には昨今遊金有之候て貸出に気迷ひ居候筈」

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かし‐だ・す【貸出】
〘他サ五(四)〙
貸付けのために、金品を支出する。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋「十、二十と細かく貸出して」
② 本などを外部に貸す。

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たい‐しゅつ【貸出】
〘名〙 かしだすこと。かしだし。

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