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貞門【ていもん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

貞門
ていもん
江戸時代の俳諧の流派。松永貞徳を中心とする一派およびその俳風談林蕉風に対して古風ともいう。地域的には伊勢や上方を中心に漸次全国に普及。時代的には寛永 (1624~44) の初めから正保,慶安,承応,明暦,万治を経て寛文 (61~73) までが最盛期で,延宝 (73~81) になると新興の談林一派に圧倒された。貞門を称する者は幕末にまで及んだが,俳諧史上の意義はほぼ寛文,延宝で終った。おもな作者は,貞徳直系の安原貞室山本西武 (さいむ) ,北村季吟鶏冠井 (かえでい) 令徳高瀬梅盛,荻野安静,池田是誰らと,早く貞徳から離れた野々口立圃 (りゅうほ) ,松江重頼,傍系として斎藤徳元石田未得ら。『犬子集 (えのこしゅう) 』をはじめ延宝初年までの俳書総数は 300に近い。貞門の俳諧は俳言 (はいごん。本連歌に用いない漢語,俗語) を用いることを基本とし,縁語,掛詞 (かけことば) などの技巧を重んじ,連句の付合 (つけあい) は物付 (ものづけ) を特徴とした。太平の時代の庶民の文学として普及し,その知的啓蒙にも役立った。

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デジタル大辞泉

てい‐もん【貞門】
松永貞徳を祖とする俳諧の一派。→貞門風

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世界大百科事典 第2版

ていもん【貞門】

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大辞林 第三版

ていもん【貞門】
俳諧の一派。松永貞徳を祖とし、寛永(1624~1644)初期から約半世紀にわたって盛行。安原貞室・山本西武・北村季吟などを代表とし知識層を中心に普及。発句は言語遊戯を、付合は詞付を主とする。古風。貞徳風。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

貞門
ていもん
俳諧(はいかい)流派。松永貞徳(まつながていとく)を中心とする流派、もしくはその俳風をいう。寛永(かんえい)(1624~44)初年から延宝(えんぽう)(1673~81)初年にかけて約50年がその最盛期であるが、流派としては幕末まで及んでいる。貞徳は初め、俳諧を和歌や連歌に進むための一段階とする考え方を示していたが、俳諧の盛行とともに俳諧自体の文芸的な価値を認める態度をとり、「俳言(はいごん)を以(もっ)て賦(ふ)する連歌なり」と規定した。俗語や諺(ことわざ)あるいは漢語を「俳言」とし、この「俳言」を重視する貞門俳諧は、きわめてわかりやすく、広く庶民層に俳諧を普及させる役割を果たしたが、形式的な「俳言」の規定は、ことばの滑稽(こっけい)を追求するあまり、しだいに類型化を招き、陳腐で平板なものになり衰退した。貞門時代は三期に分けることができる。第一期は、寛永初年から承応(じょうおう)2年(1653)貞徳の死までで、『犬子(えのこ)集』の編集をめぐり重頼(しげより)と立圃(りゅうほ)の確執などあったが、総じて貞徳の指導のもとに、門下の結束が保たれた時期である。第二期は、門人同士が競い合い論書や撰集(せんしゅう)が多く出され、また地方俳壇の活発化など、貞門が拡大し多様化した寛文(かんぶん)(1661~73)末年までの時期。第三期は延宝末から天和(てんな)(1681~84)にかけて談林(だんりん)の台頭による貞門対談林の論争期である。俳人では、重頼、立圃、良徳(りょうとく)、西武(さいむ)、貞室(ていしつ)、季吟(きぎん)、安静(あんせい)の七俳仙や徳元(とくげん)、休甫(きゅうほ)、望一(もういつ)などがいる。撰集では『犬子集』『鷹筑波(たかつくば)集』『崑山(こんざん)集』『玉海(ぎょっかい)集』の四大撰集をはじめ、『誹諧初学抄』『新増犬筑波』『毛吹草(けふきぐさ)』などの作法書やその他さまざまな俳書が刊行された。[雲英末雄]
『中村俊定著『貞門俳諧史』(『俳句講座1』所収・1959・明治書院)』

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精選版 日本国語大辞典

てい‐もん【貞門】
〘名〙 松永貞徳を祖とする江戸初期の俳諧の一派。後の談林・蕉門に対していう。盛んに流行したのは、寛永二年(一六二五)から約半世紀の間だが、その伝統は天保年間(一八三〇‐四四)まで長く続いた。
※俳諧・梅林茶談(1841)「余今より廿年ばかり昔、京にありし頃は、貞門の点者と云ふ者十余人あり」

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