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請負【うけおい】

デジタル大辞泉

うけ‐おい〔‐おひ〕【請負】
日限・報酬を取り決めた上で仕事を引き受けること。また、その仕事。
保証すること。請け合うこと。
「百年生きる―があるか」〈・敗毒散・五〉

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

うけおい【請負】
当事者の一方(請負人)が引き受けた仕事を完成し,他方(注文者)がこれに対して報酬を支払うべきことを内容とする契約(民法632~642条)。雇傭契約委任とともに,他人のために労務を提供することを内容とする労務供給契約である。請負の例として,土木・建築に関する建設工事契約,造船契約,工場設備・プラント類の建設契約,貨物旅客運送契約,注文服の製作契約などがある(ただし,運送契約については商法に特別の規定が設けられている)。

出典:株式会社平凡社
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

請負
うけおい
契約当事者の一方 (請負人) が一定の仕事を完成させ,それに対して他方 (注文人) が報酬を支払うことを約束する契約をいう (民法 632) 。民法上の典型契約の一つで,有償,双務契約である。建設工事については特別法 (建設業法) があり (→建築契約 ) ,運送については商法に詳細な規定がある。建築工事や土木工事などの請負を営業目的とする業者のことを請負業者という。請負は建築,土木関係が圧倒的に多いため,単に請負といえば土木建築請負を意味するものと考えられている。また工事を請負う者を請負者という。請負には一式請負,分割請負,職別工事別請負,定額請負,単価請負などの種類がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

請負
うけおい

当事者の一方(請負人)が、ある仕事を完成することを約し、相手方(注文者)がそのできあがった仕事の結果について報酬を払うことを約することにより成立する契約(民法632条~642条)をいう。仕事の内容は、家屋の建築や洋服の注文など有形なものから、講演、演奏、物の運搬など無形のものも含まれる。請負は成し遂げられた結果を目的とする点で、いかに労務が提供されても期待する結果が得られなければ、請負人の債務は履行されたことにならないから、同じく労務を提供する契約である雇傭(こよう)(雇用)、委任とは区別される。

[平井一雄]

請負と売買

洋服店に注文して服をつくらせる場合を例にとると、注文を受けた洋服店は手持ちの布地を用い、できあがった洋服を代金と引き換えに注文者に渡す、いいかえれば所有権を移すという関係ともとらえることができる。すなわち、仕事の完成という面からみれば請負であり所有権移転という面でとらえれば売買であるといった、請負と売買の両方の性質を兼ね備えるような契約を製作物供給契約という。しかし、このような特殊な類型の契約を認める必要はなく、取引の性質によって、請負か売買かの一方に区別してとらえれば足りるとする見解が有力である。

 これに従えば、請負と売買は次のように区別される。(1)建物その他土地の工作物の建造はすべて請負である。ただし、建売り住宅の購入や、一定の規格によるタイプの一つを選択して販売する場合は売買とみられる。(2)製作された物の個性にとらわれず不特定物として取引の対象とした場合は、材料を製作者に供給して製作された場合でも売買とみなされる。(3)これに対して、特定のサイズ、タイプ、設計に従ってつくられた場合は請負となる。

[平井一雄]

請負人の義務

請負人は、契約に定められた内容の仕事を完成する義務を負う。したがって、請負人の技術や才能などに重きを置いて契約がなされた場合は別として、仕事の完成に要する労務はかならずしも請負人自身が提供する必要はなく、注文者の承諾なく第三者に請け負わせること(下請負・下請け)ができる。その場合、下請負人の故意・過失については、自己の責に帰すべき事由として責任を負わねばならない。

[平井一雄]

請負人の担保責任

完成した仕事について、瑕疵(かし)(欠陥や約束と違う点など)があった場合は、請負人は注文者に対して、たとえその瑕疵が自らの責に帰すべき事由によって生じたものでなくとも、次の担保責任を負う。

(1)瑕疵修補義務 注文者は瑕疵を修補することを請求できる。ただし、瑕疵が重要なものではなく、修理するのに過分の費用を要するときは認められない。

(2)損害賠償義務 瑕疵によって注文者が損害を被ったときは、瑕疵の修補とともに、あるいは修補のかわりに損害賠償を請求できる。

(3)契約の解除 瑕疵が重要で、そのために契約をした目的を達せられないような場合には、注文者は契約を解除することができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、瑕疵がいかに大きくとも解除できない。

 以上は、仕事がいちおう完成した場合の特則であり、仕事が完成される以前に、たとえばその完成が非常に遅延していることを理由に解除することは、債務不履行の一般原則に従って許される。これらの担保責任は、通常の請負では、仕事の完成または目的物の引き渡しのときから1年、土地の工作物については引き渡しのときから5年、堅固な工作物については10年、地盤の瑕疵については5年で消滅する。ただし、請負人は以上の瑕疵担保責任の内容や存続期間の軽減などについて特約をすることができる。

[平井一雄]

注文者の義務

注文者は、請負人に対して報酬(請負代金)を支払う義務を負う。報酬があらかじめ定額で定められているときは、原則として、あとになって請負人はその増額を要求できない。また、報酬は後払いが原則であるが、特約で別に定めることができる。

[平井一雄]

所有権の帰属

完成した物の所有権の帰属とその移転時期については、注文者が材料の全部またはその主要部分を提供したときは、原始的に注文者に所有権が帰属する、請負人が材料の全部を供給したときは、特約のない限り所有権は請負人にいったん帰属し、引き渡しによって注文者に移転する、とするのが判例である。危険負担については、目的物が完成前に滅失毀損(きそん)してもなお請負人の完成義務は消滅しないとされる場合が多い。仕事完成後引き渡し前の滅失毀損については、請負人が危険を負うとするのが通説である。なお建設請負では、以上述べた諸点と異なった特約がなされるのが普通であり、トラブルを避けるために、契約書を交わすことが望ましい。

[平井一雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

うけ‐おい ‥おひ【請負】
〘名〙
① 引き受けること。また、その人。保証。約束。うけあい。
※浮世草子・好色敗毒散(1703)五「百年活(い)きる請負(ウケオヒ)があるか」
② 依頼主とあらかじめ日限や報酬などをとりきめて、仕事を引き受けること。また、その仕事、職業。多く、建築、土木工事、運送、講演、演奏などにいう。法律では、当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約し、他方(注文者)がこれに対して、報酬を支払うことを約することによって成立する。請負契約。
※随筆・折たく柴の記(1716頃)中「鞍具(あんぐ)、馬等をば、商人のうけおひといふ事になして、大名よりは、其価を出さしむべき由の事也」
※滑稽本・浮世床(1813‐23)二「工手間がかかっちゃア、請負(ウケオヒ)だと棟梁出奔(かけおち)だ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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うけ‐お・う ‥おふ【請負】
〘他ワ五(ハ四)〙
① 債務を負う。
※天草本伊曾保(1593)犬と羊の事「コノ ヒツジ イヌノ コムギヲ vqevôtacoto(ウケヲウタコト) ヒツヂャウ ヂャ」
② 日限、報酬などを取り決めたうえで、仕事を引き受ける。
※俳諧・曠野(1689)員外「代まいりただやすやすと請おひて〈荷兮〉 銭一貫に鰹一節〈野水〉」

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