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試薬【シヤク】

デジタル大辞泉

し‐やく【試薬】
化学分析実験などで、化学反応を起こさせるために用いる化学薬品

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

試薬
 化学実験に用いる薬品.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

しやく【試薬 reagent】
特定の規格に合致する純度を有する,試験・研究用の化学薬品の総称。化学試薬chemical reagentともいう。保健衛生,治療などの目的に供せられる医薬品とは区別される。試薬はその形態から,固体試薬,液体試薬,気体試薬およびこれらから調製した溶液に分類される。市販の試薬は容器ラベルによって,毒薬(黒地に白文字),劇薬(白地に赤文字),低毒性ないし無毒試薬(白地に黒文字)のように識別できる。また,無機化合物有機化合物の別によって無機試薬,有機試薬のように呼ぶこともある。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

試薬
しやく
reagent

化学的方法による物質の検出や定量に用いられる特定の純度の薬品類をいう。試薬はJIS(ジス)(日本工業規格)の規定による性質、品位、試験方法の規格に従い、特級、一級および特殊の3等級に分類され、前二者は純度の程度を示し、特殊試薬とはアルカリ分析用、水素イオン濃度(pH)用など特定の目的にのみ用いる試薬をいう。試薬特級は一般の化学分析や精密実験などにそのまま使用できる程度の純度のもので、試薬一級は普通の化学実験に用いることのできる程度のものである。それ以下の純度のものを工業薬品という。

[成澤芳男]

標準試薬

試薬特級以上の純度を有し、主として容量分析の基準として用いられる標準試薬が認定されていて、使用にあたっての取扱い条件等がJISで定められている。標準試薬として用いられるものは塩化ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、スルファミン酸(アミド硫酸)、炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、亜鉛、銅、三酸化二ヒ素(酸化ヒ素(Ⅲ))、二クロム酸カリウム、フタル酸水素カリウムの11種である。標準試薬にはこれらのほかpH標準用、元素分析用、熱量測定用などがあるが、普通、標準試薬という場合は前述の11種をさす。なお、1966年(昭和41)のJISの改訂で、フタル酸水素カリウムはpH標準試薬に入れられ、容量分析の標準試薬から外された。

[成澤芳男]

標準溶液

標準試薬を正確に秤量(ひょうりょう)し、水で一定容積に希釈して調製した溶液を一次標準溶液といい、標準試薬以外の試薬から調整した試薬溶液を、この一次標準溶液を用いて標定(滴定で用いる標準溶液の濃度を正確に測定すること)して二次標準溶液を得る。容量分析全般には二次標準溶液が多く用いられる。なお水に溶けない標準試薬としては金属の銅と亜鉛がある。たとえば亜鉛は、標準試薬の亜鉛を正確に秤量したのち塩酸に溶解し、過剰の塩酸を追い出したあと一定容積に希釈して一次標準溶液を得る。

[成澤芳男]

標準溶液相互の関連性

炭酸ナトリウムの一次標準溶液を用い中和滴定による標定で塩酸、硫酸の二次標準溶液が得られ、これから水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのアルカリ標準溶液が得られる。アルカリ標準溶液は一次標準試薬のスルファミン酸またはフタル酸水素カリウムを用い、標定しても得られる。酸化還元反応を利用するものとしては、シュウ酸ナトリウムの一次標準溶液を用い、酸化還元滴定により過マンガン酸カリウムの二次標準溶液が得られ、これを用いてシュウ酸や鉄(Ⅱ)の二次標準溶液を標定により得る。また、ヨウ素酸カリウムの一次標準溶液を用い、酸化還元反応によりチオ硫酸ナトリウムの二次標準溶液を得、これを用いてさらに種々の二次標準溶液を得る。沈殿反応を利用するものとしては、塩化ナトリウムの一次標準溶液を用いて硝酸銀の二次標準溶液が得られ、さらにこの硝酸銀標準溶液を用いてチオシアン酸カリウムの二次標準溶液が得られる。また、キレート生成を利用するものとして、亜鉛の一次標準溶液からキレート滴定により、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)の二次標準溶液を得る。

[成澤芳男]

分析用試薬

金属イオンの分析いわゆる無機分析に使用される有機試薬は、非常に多く種々さまざまで、比色分析に利用されるもの、沈殿反応に利用されるもの、溶媒抽出に利用されるもの、点滴分析に利用されるものなどである。よく知られている有機試薬としてジメチルグリオキシムがあり、これはニッケル(Ⅱ)、パラジウム(Ⅱ)、白金(Ⅱ)と有色キレートの沈殿を生成し、このキレートは非水溶媒に抽出されるので、ニッケル、パラジウム、白金の分離定量に対する特異試薬である。このような目的に用いられる試薬はほとんどがキレート試薬で、濃い色のキレート化合物を生成するので、比色分析とか点滴分析に利用されるものが多い。

 無機分析に用いられる無機試薬は、有機試薬に比べて種類はずっと少ない。これらのうちでは沈殿反応に利用されるものが圧倒的に多く、そのほかには錯イオン生成に利用されるもの、有色の錯イオン生成により比色定量に利用されるものなどがある。には一般用試薬、特定用途試薬、標準試薬・標準液(標準溶液)という観点からまとめたものを示す。表中GRはguaranteed reagentの略で保証付試薬を、EPはextra pureの略で最純を、CPはchemical pureを意味している。しかしこれらの表示のうち、あるものは試薬業者独自の基準のものもあるので、正式にはJIS規格等による品質保証された試薬を目的に応じて使用するのが望ましい。工業薬品は普通、試薬とは表示されない。

[成澤芳男]

『大西寛・束原巌著、日本分析化学会編『機器分析実技シリーズ 吸光光度法――無機編』(1983・共立出版)』『上野景平・今村寿明著『試薬便覧』(1983・南江堂)』『東京化成工業編『取り扱い注意試薬ラボガイド』(1988・講談社)』『大木道則他編『化学大辞典』(1989・東京化学同人)』『日本分析化学会編『定量分析』(1994・朝倉書店)』『日本化学会編『実験化学ガイドブック』(1996・丸善)』『日本分析化学会編『分析化学実験ハンドブック』(1997・丸善)』『厚生省医薬安全局薬事研究会監修、増井俊夫著『GMPテクニカルレポート7 医薬品等の品質保証に係わる精度管理』(1998・薬業時報社)』『浅田誠一・内出茂・小林基宏著『図解とフローチャートによる定性分析』第2版(1999・技報堂出版)』『日本試薬協会編『試薬ガイドブック』改訂第3版(2003・化学工業日報社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

し‐やく【試薬】
〘名〙 化学分析、薬品試験、薬品検査、試料調整などに用いる化学薬品の総称。無機化合物からなる無機試薬、有機化合物からなる有機試薬に大別される。試験薬。
※舎密開宗(1837‐47)外「水中の土塩等の物は試薬を点じ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

試薬
シヤク
reagent

化学的な実験,試験,検査など,あるいは試料の調整などに用いられる物質に与えられる名称.化学薬品ともいわれ医薬品と区別される.それらのうち,無機化合物を無機試薬,有機化合物を有機試薬という.1951年,JIS試薬が工業標準化法に従って135種類について純度を規定した(1985年には748種類).その後,JIS K 8001試薬通則によって,試薬は3種類(特級,一級,特殊)に区別された.個々の試薬によって,それぞれ不純物の限度が異なっている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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