Rakuten infoseek

辞書

訴訟【そしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

訴訟
そしょう
procedure; Prozeß
裁判によって,私人間あるいは国家と国民間の紛争,利害衝突を法律的に解決調整するために,当事者を関与させて審判する手続をいう。審判の対象となる紛争,事件の性質によって,民事訴訟刑事訴訟行政訴訟などの区別がある。 (1) 訴訟の開始 民事訴訟,行政訴訟は訴えの提起により (民事訴訟法) ,刑事訴訟は公訴の提起により (刑事訴訟法) 始まる。 (2) 訴訟の終了 民事訴訟手続は終局判決の確定,訴えの取下げ,擬制的訴えの取下げ,請求の放棄および認諾,訴訟上の和解などの原因によって終了する。さらに対立当事者の地位の混同,当事者が死亡しまたは当事者適格を失い,しかも訴訟を承継すべき者がない場合でも終了する。 (3) 訴訟の承継 民事訴訟係属中に訴訟の目的である権利関係について訴訟を追行する適格に変動があった場合に (当事者の死亡,権利の譲渡,債務の引き受け) ,新適格者が旧適格者の当事者としての地位を引き継ぐ。承継の種類としては,当然承継,参加承継,引受承継などがある。 (4) 訴訟上の救助 勝訴の見込みがないわけではないが,訴訟費用を支払う資力がない者に対して裁判費用の支払いを猶予し訴訟費用の担保を免除する。訴訟費用のなかに弁護士費用が含まれず,しかも単なる支払いの猶予であって,資金貸与などは考えられていないため,不十分な制度と評価されている。 (5) 訴訟上の請求 民事訴訟において,原告の被告に対する一定の法律的主張とそれに基づく裁判所に対する特定の判決の請求をいう。単に請求ともいい,その対象となる権利関係自体は訴訟物と呼ばれる。 (6) 訴訟上の担保 民事訴訟手続を利用して自己に有利な結果を得ようとする者に対して,将来相手方に対して負担する可能性のある費用償還義務,損害賠償義務を担保するためにあらかじめ課せられる担保。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

そ‐しょう【訴訟】
うったえ出ること。裁判を申し立てること。特に、紛争・利害の対立を法律的に解決・調整するために、公権力(裁判権)により、利害関係人を訴訟当事者として関与させて審判する手続き。民事訴訟刑事訴訟などの別がある。「訴訟を起こす」
嘆願すること。哀訴すること。
「思ひ切て亭主に―し」〈浮・娘気質・一〉

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

そしょう【訴訟】
社会に生じる利害の衝突を公正に処理するために,裁判所が,対立する利害関係者を当事者として審理に関与させ,双方に対し,その言い分を述べ,証拠を出す機会を平等に与えて主張・立証を尽くさせ,これらを公正に判断して判決を下す手続をいう。しかも,近代国家においては,その判断の基準も手続の進め方も法律によって規律されているものである。裁判と同義に用いられることが多い(裁判)。
[訴訟の種類とそれぞれの特色
 現在は,訴訟といわれるものには,民事訴訟刑事訴訟行政訴訟の3種類がある。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

そしょう【訴訟】
スル
訴える者と訴えられる者を当事者とし、裁判機関が第三者としての立場から裁判をなす手続き。 民事- -を起こす
不平・嘆き・希望などを人に言うこと。うったえること。 地下の人々-していはく/仮名草子・伊曽保物語

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

訴訟
そしょう
社会生活上、発生した紛争や利害の対立を、国家権力によって法律的に解決調整するために、対立する利害関係人を訴訟当事者として、その主張を聞き、審理裁判する手続を一般的に訴訟という。法は本質的に強制の契機を含んでいるが、この強制を法規範的な力として、法の実効性を担保する制度が訴訟である。訴訟は、われわれが法律生活を営むについて欠くことのできない制度であり、現代の法治国家においては、司法権の国家独占によって、国家がそれを司宰・営為している。しかし国家成立以前の古代社会にも、団体的統制の一型態として長老裁判のようなものがあった。これは訴訟制度の萌芽(ほうが)とみるべきものといわれている。
 いずれにしろ訴訟制度は、国家機構の発達に伴って整備され、その内容を充実して、現在のような組織体系をもつに至ったものである。近代法治国家における訴訟は一般に要件事実を認定し、それに法律を適用して行われている。訴訟の内容と形式は、時代によって変遷している。しかし訴訟を締めくくるものはつねに裁判である。訴訟となるには、まず裁判により解決せられるべき事件がある。そして裁判する者と裁判される者とが対立し、裁判する者が権威を背景として、その事件に対する法的判断を与えるのである。それが裁判であって、その裁判に至るまでの過程が訴訟である。
 つまり、訴訟は、それに関与する判断機関と両当事者の段階的な訴訟行為の連続によって、裁判に至るまで進行する手続の形式をとっている。その手続が法によって規律されているから法律的手続であり、訴訟法は、主としてそのための法規である。
 現在、すべての訴訟は、民事訴訟ばかりでなく刑事訴訟も行政訴訟も、形式的には原告と被告との対立する二当事者主義の構造をとっている。しかしローマ法にさかのぼる二当事者主義訴訟が本来の姿で行われているのは、民事訴訟と私人訴追主義による刑事訴訟とに限られ、日本やドイツにおけるような国家訴追主義による刑事訴訟には糾問主義が、また行政訴訟には監督主義がその背景となっていて、二当事者主義の訴訟構造は、いわば借り衣装であるということができるであろう。
 なお、民事訴訟は当事者の私法上の権利保護を第一義的目的として、その主体性を当事者に置く制度として発達し、刑事訴訟は法秩序維持のため犯罪に対し刑罰を科することを目的として、国家に主体性のある制度となっている。行政訴訟は近代法治国家機構のもとに発生・発達した比較的新しい制度であって、当事者の権利保護という点では民事訴訟と同じであるが、その保護の対象は公法上の権利関係であって、本来の民事訴訟とは、その制度の目的や性格は異なっている。[内田武吉]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

そ‐しょう【訴訟】
〘名〙
① うったえること。公の場に訴え出て裁決を願うこと。うったえ。公事(くじ)
※十七箇条憲法(604)「五日〈略〉明辨訴訟。其百姓之訟」
※平家(13C前)一「後日の訴訟を存知して、木刀を帯しける用意のほどこそ神妙なれ」
② 要求、不平、願いなどを人に伝えること。嘆願すること。うったえ。
※米沢本沙石集(1283)七「訴訟可申事候て、一門列参仕れり」
※浮世草子・世間娘容気(1717)一「思ひ切て亭主に訴詔(ソセウ)し、笄曲の髪を切て、二つ折に髩(つと)出して」
③ 詫びて、とりなすこと。
※咄本・楽牽頭(1772)三人兄弟「もふ親父どのに知れても、そせうはせぬ」
④ 裁判によって法律関係を確定し対立する当事者間の紛争を解決したり、刑罰権を実現したりするため、事実の認定ならびに法律的判断を裁判所に対して求める手続き。民事訴訟、刑事訴訟などに分けられる。〔哲学字彙(1881)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

訴訟」の用語解説はコトバンクが提供しています。

訴訟の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.