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視床下部【ししょうかぶ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

視床下部
ししょうかぶ
hypothalamus
間脳の一部。間脳の下部にあり第三脳室側壁の一部をなし,背側の視床とは,視床下によって境されている。自律神経系の最も複雑で,精巧な統合中枢である。代謝機能,体温調節機能,心臓血管機能,内分泌機能,性機能などを調節する,生命維持の中核とされている。

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デジタル大辞泉

ししょう‐かぶ〔シシヤウ‐〕【視床下部】
間脳の一部で、視床の下側にあり、脳下垂体につながる部分。自律神経系の中枢で、体温調節・物質代謝の調節・睡眠生殖など、生命維持に最も重要な統御機能をもつ。

出典:小学館
監修:松村明
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栄養・生化学辞典

視床下部
 大脳の下部にあり,下部は下垂体に接続している.自律神経系の中枢であり,神経系と内分泌系が連結する重要な部位で,この部分が分泌するホルモン下垂体ホルモンの分泌を支配する.また下垂体後葉ホルモンとよばれるホルモン,すなわちオキシトシン,バソプレッシンは,視床下部で合成され軸索輸送で下垂体後葉に運ばれる.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ししょうかぶ【視床下部 hypothalamus】
視床下部は間脳の一部で,発生上第三脳室の壁でもっとも腹側に位置し,しばしば脳室壁の溝で腹側視床と境される。哺乳類では視床下部は二次的に視床に接し,腹側視床は視床下部の背外側に位置する。哺乳類以外の脊椎動物の視床下部も便宜上,哺乳類に対応させて,前方から後方前部(視索上部),中間部(隆起部)および後部(哺乳類では乳頭部)に分けられ,また細胞構築上,内側から外側に室周帯,内側帯および外側帯に分けられる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ししょうかぶ【視床下部】
視床の前下方に続き間脳の底部を形成する部分。自律神経系の高次中枢および体温・睡眠・生殖・物理代謝などの神経中枢が存在する。また、下垂体とも密接に連絡する。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

視床下部
ししょうかぶ
間脳に属し、第三脳室の両外側壁の下部を占める領域をいう。第三脳室の底床は左右の視床下部がつながった部分にあたり、漏斗(ろうと)状をしているため「漏斗」とよぶ。この漏斗の先端には下垂体(脳下垂体)が付着している。第三脳室の外側壁に前後に走る視床下溝(かこう)とよぶ溝(みぞ)があり、この溝から下方を視床下部とよんでいるが、視床下部の内容はそれより上方まで広がっている。視床下部の境は、前方は漏斗の直前にある視(神経)交叉(こうさ)がこれにあたり、後方は漏斗の後方にある1対の丸く隆起した乳頭体がこれにあたる。外側の境は、視神経が交叉後、後方に走る視神経束、すなわち視索(しさく)によってつくられる。視(神経)交叉の前上方に続く部分は第三脳室の前壁で、終板とよばれる。終板の上方は前交連の直前で終わる。漏斗部分から後方の乳頭体までの間にはやや膨らんだ部分、灰白(かいはく)隆起がある。下垂体後半部の後葉という部分は、視床下部から連続している部分で神経性組織である。下垂体前半部は発生の初期に口腔(こうくう)壁の一部が内分泌組織として発達して前葉となり、後葉と結合したものであり、腺(せん)組織である。[嶋井和世]

視床下部の働き

視床下部は自律神経系の最高中枢とされ、体の自律機能、内臓機能あるいは内分泌機能などの統御中枢として、脳脊髄(のうせきずい)のなかでは生命維持にかかわるきわめて重要な部分である。さらには、われわれの感情行動や情動行動にも深い関係をもっている。視床下部では狭い範囲の全領域にいくつかの細胞集団(神経核という)が散らばっている。これらの細胞集団がそれぞれ、複雑な自律機能にどのように対応しているのかは重要な問題である。かつては個々の細胞集団が、それぞれ自律作用をもっていると考えられてきた。たとえば体温調節、水分代謝、あるいは糖や脂肪の代謝などは特定の神経核にその機能中枢があるとする考え方である。しかし、その後の数多くの実験的証明や臨床的観察から、視床下部、およびそれと直接接している領域は自律機能の総合的な支配中枢とみなすのが合理的と考えられている。なお、自律神経系の交感性と副交感性の二つの活動の主要区分についても、部分的にかなり明確な局所的構成が証明されつつある。視床下部の前部には副交感性の活動調節部分があり、後部には交感性の活動調節部分が存在するといわれるほか、学者によっては第三脳室外側壁から外側方に向かって副交感性、交感性、副交感性という3帯に分かれた活動調節部が配列していると説明している。また、ある特定の神経核では特異的な働きが証明されているものもある。
 第三脳室の両外側壁の上方で壁直下に存在する室傍核(しつぼうかく)はオキシトシンおよびバソプレッシンというホルモンを産生し、オキシトシンは子宮壁の平滑筋と、乳腺の分泌管を囲む筋上皮細胞を収縮させる働きがある。バソプレッシンは抗利尿ホルモンとして水分平衡の保持に役だっている。視索上核は両側の視索のすぐ上方に存在する神経細胞集団で、バソプレッシンのみを産生すると考えられている。これら両核の神経細胞からおこる神経突起(軸索)は下垂体後葉まで達して視床下部下垂体路という神経路を構成している。両核の神経細胞内で産生されたオキシトシンやバソプレッシンは、ノイロフィシンという運搬用タンパクと結合し、コロイド小滴としてこの神経路の軸索内を流れて後葉まで達し、その軸索末端に至ると、ここから下垂体後葉の血液中に放出される。この現象を神経分泌作用とよんでいるが、このコロイド小滴は染色が可能であるため、これらホルモンの増減による働きのぐあいを、顕微鏡下で調べることができる。
 視床下部から下垂体前葉へ行く神経線維はまだ証明されていない。しかし、下垂体前葉で産生される性腺刺激ホルモン、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、あるいは成長ホルモンなどを分泌促進させる遊離因子をつくる部位が視床下部にあることが研究され、視床下部で産生されたこうした遊離因子は下垂体内脈管系を経て液性に下垂体前葉に働きかけることが知られている。そのほか、視床下部における腫瘍(しゅよう)や病的障害によって性的発育が変えられること、脳底に近い一定部位の損傷によって肥満症が発症すること、隆起域のある部位の損傷によって過食症をおこすことなどが明らかにされている。また、乳頭体は内部に大小の神経細胞が含まれており、嗅覚(きゅうかく)に関係のある自律神経機能をもつと考えられている。
 視床下部の領域はきわめて狭いが、このように特定の神経細胞集団の働きを知ることによってその機能がしだいに明らかにされつつある。しかし、なお不明な点も多い。視床下部内を走る神経線維は錯綜(さくそう)しており、その多くは広がっていて若干の神経線維束以外は追跡しにくいということが、視床下部の構造やその働きの解明を困難にしている。[嶋井和世]

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精選版 日本国語大辞典

ししょう‐かぶ シシャウ‥【視床下部】
〘名〙 間脳の一部で、視床の下部にあたる部分。第三脳室の床と壁をなし、下方は突き出して脳下垂体に連なる。体温調節・物質代謝・睡眠・生殖などに関与する自律神経系の中枢で、生命を維持するのに最も重要な統制的機能をもつ。視丘下部。〔人体の機能(1952)〕

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