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要塞【ようさい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

要塞
ようさい
fortress
敵の攻撃に対抗できるように,軍事技術や建築工学を応用して造られる堅固な構築物のこと。古代から戦争の変化に応じて,さまざまの形式のものが現れた。構築の強度や使用目的などから,一般に永久要塞と野戦要塞に分類される。国境海岸,重要都市などに築かれる永久要塞は,敵の攻撃にできるだけ長くもちこたえられるように,また味方部隊の安全な避難場となりうるように,煉瓦コンクリート,石などで入念に築かれる。野戦要塞は,敵と接触したり,または危険が差迫っている際に臨時的に築かれるもので,永久要塞より強度や規模は劣る。前者としては旅順要塞や第2次世界大戦のマジノ線が,後者としては第1次世界大戦に塹壕を連ねたヒンデンブルク線が有名。最近の戦争では機動力が増大したため,軍事的価値は低下した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

よう‐さい〔エウ‐〕【要塞】
国防上の要所につくった軍事的防備施設。監視所や砲台などを備える。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ようさい【要塞 fortress】
一国の戦略要点や国境の要部等において敵軍を阻止し,自軍動員・集中等を掩護(えんご)し,あわせて軍需品集積住民の保護などの目的をもって,平時から堅固に建設した永久築城施設をいう(築城とは軍用の工事,各種構築物を総称した言葉)。その所在地により,陸地要塞海岸要塞に分けられる。
[陸地要塞]
 要塞は火砲発達とともに主としてヨーロッパにおいて17~18世紀ごろから発達し,第1次世界大戦前にその極致に達した。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

要塞
ようさい

ある地域の戦術的価値を高めるために構築された防御的軍事施設。大別して永久要塞と野戦要塞がある。またその行為を要塞化といい、多数の要塞の連なった線を要塞線という。永久要塞は、平時から重要な海岸、港湾、国境、島、都市要地などの地上と地下に堅固な陣地を構築し、砲台、銃座、障害物、通信、観測、医療、居住の各設備や倉庫、交通路を備え、地上、海上、空中からの攻撃に長期的に耐え、また攻撃の拠点となるよう総合的に構成されている。国境、沿岸、島嶼(とうしょ)、要地の各要塞に分類される。構築材としては金属、石、コンクリート、れんが、土砂などで、多大の月日と費用をかけて構築される。野戦要塞は、敵と近接する戦場で比較的短時日に応急的材料で構築するもので、前者に比べて強度や防御力は劣るが、戦闘の膠着(こうちゃく)化につれて補強され、永久要塞化されることが多い。

 古代から堅固な城塞や砦(とりで)は数多いが、近代的要塞の代表例は、クリミア戦争時のセバストポリ要塞、150日間の持久力を誇った日露戦争時のロシアの旅順(りょじゅん)要塞、第一次世界大戦時フランスのベルダン要塞、第二次大戦時イギリスの香港(ホンコン)要塞・シンガポール要塞、アメリカのコレヒドール要塞。要塞線では、ドイツのヒンデンブルク、ジークフリート、フランスのマジノ、ソ連のスターリンなど。また日本では、お台場に起源する東京湾要塞などの沿岸要塞、満州(中国東北部)虎頭(ことう)の国境要塞、対馬(つしま)要塞などの島嶼要塞があったが、虎頭要塞以外は戦闘はなかった。現在、要塞の戦略的価値は、機動力の欠如、核兵器の登場、航空機の発達などにより、しだいに低下しつつある。

[寺田近雄]

『浄法寺朝美著『日本築城史』(1971・原書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

よう‐さい エウ‥【要塞】
〘名〙
① 国境などで、攻守に好都合の地に設けられたとりで。
※経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「隙を窺て斉境に侵入し、各地の要砦を抜て以て大軍進入の路を作るべしと」 〔礼記‐月令〕
② 国防上重要な場所に設けられた軍事的な防備施設。〔五国対照兵語字書(1881)〕
※こゝろ(1914)〈夏目漱石〉下「私は彼自身の手から、彼の保管してゐる要塞(エウサイ)の地図を受取って」

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