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西洋紀聞【せいようきぶん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

西洋紀聞
せいようきぶん
新井白石著。上中下3巻。宝永5 (1708) 年屋久島潜入してきたイタリア宣教師 G.シドッチをキリシタン牢屋敷で4回にわたり訊問した結果を記したもので,上巻将軍のシドッチ訊問の命令についてのいきさつと取調べの状況を記し,中巻は五大州の総論,海外諸国の政治,風俗地理,歴史などの説明,下巻はシドッチ来国の詳しい説明から,デウスキリストローマ教会教皇庁の職制などの解説と,終りに白石自身の天主教批判を載せている。成立年代は正徳5 (15) 年頃とみられるが,その性質上公にされず,明治になってから初めて刊行された。

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デジタル大辞泉

せいようきぶん〔セイヤウキブン〕【西洋紀聞】
江戸中期の外国地誌。3巻。新井白石著。正徳5年(1715)ころ成立。屋久島に潜入したイタリア人宣教師シドッチ尋問したときの記録をまとめたもの。西洋諸国の歴史・地理・風俗とキリスト教大意などを記述

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世界大百科事典 第2版

せいようきぶん【西洋紀聞】
新井白石著。3巻。1708年(宝永5)日本にキリスト教を復活させようと屋久島に潜入して捕らえられたイタリア人宣教師シドッチを,白石が幕命により翌年江戸小石川切支丹屋敷において訊問し,聴取した内容にオランダ人への質疑を加えてまとめた記述。上巻はシドッチの潜入,取調べの様子から獄死に至る経過,中巻は五大州諸国の事情・地理など,下巻は渡来の目的とキリスト教についてのシドッチの解説と白石の解釈・批判を記す。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

せいようきぶん【西洋紀聞】
新井白石の欧米事情取調書。三巻。屋久島に渡来したイタリア人宣教師シドッチを尋問した際の記録をもとにまとめたもの。上巻は宣教師との対話編、中巻は五大州誌、下巻は天主教の大意を記す。1715年頃成立。1882年(明治15)刊。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

西洋紀聞
せいようきぶん
新井白石(あらいはくせき)の著書。1708年(宝永5)に屋久島(鹿児島県)に潜入したローマの使節、イタリア人宣教師ジョバンニ・バッティスタ・シドッチを取り調べた際、聴取したヨーロッパをはじめ海外事情とキリスト教関係事項とを書き記したもの。世界地理の記述では『采覧異言(さいらんいげん)』のほうが詳しく体系化もされているが、国文で平易に書き、キリスト教教義をも詳細に書いている(3巻のうちの下巻)点が本書の特色。もちろん儒教道徳と合理主義の立場から、キリスト教には厳しい批判を加えている。また同じ事項を、江戸にやってきたオランダ商館長らに尋ねたことから、偏見を免れたところも少なくない。スペイン継承戦争(1701~14)や北方戦争(1700~21)の記事などでも、オランダ人から聞いて不足を補っている。『采覧異言』と同じく最晩年まで増訂の筆が加えられたことが、みごとな筆跡をもつ現存自筆本によって知られる。本書は新井家に極秘のうちに伝えられたため知る人も少なく、1793年(寛政5)幕府の命令で献上されてから、やっと知識人の間でわりあい知られるようになった。キリシタン批判書であり「和魂洋才(わこんようさい)」的考え方(器械など物質面では西洋が優れ、道徳など精神面では東洋、日本が優れているとする)をしている点で、鎖国制下における本書の思想史的役割は大きく、明治以前すでにアメリカ人宣教師によって英訳もされた。自筆本は国立公文書館蔵。『新井白石全集 第4巻』、『新訂西洋紀聞』(平凡社・東洋文庫)、『日本思想大系 35 新井白石』、岩波文庫などに所収。[宮崎道生]

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精選版 日本国語大辞典

せいようきぶん セイヤウ‥【西洋紀聞】
江戸中期の外国地誌。三巻。新井白石著。正徳五年(一七一五)の識語があるが、完成は白石の最晩年とされる。伝道のため屋久島に潜入したイタリアのイエズス会宣教師シドッチを訊問した時の質疑応答の記録。西洋諸国の歴史、地理、風俗と天主教(キリスト教)に関する記述から成る。秘本とされ、公刊されたのは明治一五年(一八八二)だが、寛政五年(一七九三)幕命により献上した後は、知識人の間に広まっていた。

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旺文社日本史事典 三訂版

西洋紀聞
せいようきぶん
江戸中期,新井白石の著した西洋研究書
1715年成立。3巻。大隅国(鹿児島県)屋久島に潜入したイタリア人宣教師シドッチを尋問して得た西洋の地理・風俗や,キリスト教の大意とその批判をまとめたもので,初め極秘に伝えられたがのち普及し,洋学勃興の端緒を開いた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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