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複眼【ふくがん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

複眼
ふくがん
compound eye
昆虫類,甲殻類などがもつ眼で,小さな個眼が多数集合してできている。頭部に通常1対ある。個眼は太さがおよそ 10~100μmの細長い棒形で,レンズに相当する角膜と水晶体,光刺激の感受部位である感桿と視細胞,およびこれらを取巻く色素細胞とから成る。複眼による像形成は,色素の移動の仕方により連立像眼と重複像眼の2タイプに分けられているが,実際にどのような像が形成されるかは明らかでない。1個の複眼を形成する個眼の数は種によって異なり,トンボ類で1万~2.8万個,イエバエで 4000個である。

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デジタル大辞泉

ふく‐がん【複眼】
節足動物などにみられる、多数の小さな個眼が束状に集まった目。物の形や動きの識別ができ、昆虫では紫外線偏光も識別。⇔単眼
対象をいろいろの見地から見ること。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ふくがん【複眼 compound eye】
節足動物の昆虫類と甲殻類などにある1対の側眼は,多数の個眼ommatidiumが集まってできた眼で,複眼と呼ばれる。それぞれの個眼は1個のレンズをもち,その下に少数(8~9個)の視細胞があり,隣接する個眼との間には色素細胞がある。個眼の数は原始的な甲殻類ではわずか数個とひじょうに少ないこともあるが,多いものでは数千個あり,大型のトンボでは1万個から2万個以上にもなる。 複眼には各個眼の感杆(かんかん)が円錐晶体の直下に接し,色素細胞が各個眼を包み,隣接する個眼が光学的に分離されている連立像眼と,感杆が個眼の中枢側に偏在し,感杆層と円錐晶体層の間に透明帯があり,色素細胞の色素は暗時には上下に移動する重複像眼がある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ふくがん【複眼】
個眼が蜂の巣状に多数集まった目。節足動物(昆虫類・甲殻類など)や多毛類などに見られる。物体の形態を識別できる。昆虫では色彩弁別の能力もある。 → 個眼

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

複眼
ふくがん
昆虫および甲殻類の頭部に一対あり、これらの動物に特有な目をいう。個眼とよばれる光受容単位が多数集合してつくりあげているのでこの名がある。個眼は、キチン質からなる透明な凸レンズ状の角膜、集光した光の通り道である4個のガラス体細胞、それらの間隙(かんげき)を埋めているガラス体(円錐(えんすい)晶体)、細長く伸びる7~8個の視細胞とその中心にある感桿(かんかん)(受光部)を主要な部分としている。視細胞の最奥部は神経繊維となって光刺激を脳に伝える。この個眼は、洞穴動物や土壌昆虫のように退化してしまったものは除いて、比較的少ないイエバエで400、もっとも多いトンボの類で2万8000ぐらいが集合して複眼を構成する。各個眼の角膜は六角形で、互いにすきまなく並んで球面状の複眼表面を埋め尽くしている。各個眼で受光する光刺激が全体としてどう総合されるかは明らかではないが、一つのレンズで像をつくる脊椎(せきつい)動物のカメラ眼と同様、像を見ていることが知られている。その解像力(近接した2点の間を区別する能力)は、ミツバチの場合ヒトの100分の1、ショウジョウバエで1000分の1とされている。複眼では動くものを感じ取ることもできる。複眼をもつ昆虫の色覚はヒトに比べて短い波長側に感受性が高く、紫外線の部分まで感じ取るという。このほかミツバチで偏光の方向を認める働きのあることが調べられている。[竹内重夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ふく‐がん【複眼】
〘名〙
① 節足動物の甲殻類・昆虫類・カブトガニ類・ムカデ類に通常一対ある眼。多数の個眼により形成される(イエバエで四千、トンボで一万~二万八千)。個眼の表面は六角形または五角形で密に並んでおり、それぞれの個眼は角膜レンズ・円錐晶体からなる光学系と通常七個の視細胞とそれを取り巻く色素細胞から成る。
※動物小学(1881)〈松本駒次郎訳〉下「蟻の複眼〈略〉には五十の小眼ありて」
② 多くの人の目。また、いろいろな立場、角度から物事を見ること。

出典:精選版 日本国語大辞典
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