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製塩【せいえん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

製塩
せいえん
塩の製造。原料としては岩塩海水塩湖湖水がある。岩塩は工業用には採掘してそのままか溶解して使用するが,食塩としては溶解して加熱再結晶させて使用し,海水,塩水湖の湖水は天日製塩が行われる。日本では,岩塩層や塩水湖が存在しないために,古来海水から製塩を行なってきたが,降水量が多く塩田天日結晶させることができないため,揚浜式塩田入浜式塩田流下式塩田で濃縮した海水を釜で煮つめて製塩した。 1972年以降はイオン交換膜法製塩が行われている。

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デジタル大辞泉

せい‐えん【製塩】
[名](スル)海水や岩塩などから食塩を製造すること。日本では古くから揚浜(あげはま)・入浜塩田法や天日製塩法により、現代ではイオン交換膜による電気透析法により行われる。

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栄養・生化学辞典

製塩
 岩塩,海水,塩湖などの塩を原料に食塩を作ること.

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世界大百科事典 第2版

せいえん【製塩】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

せいえん【製塩】
( 名 ) スル
食塩を海水・岩塩・天然鹹水かんすいなどから採取し、製造すること。日本では、主に海水を天日蒸発させる揚浜式塩田・入浜式塩田による方法が行われた。現在はイオン交換膜を用いる電気透析法による。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

製塩
せいえん
salt manufacture
食塩を工業的に製造することをいう。食塩の資源としては、岩塩、天然鹹水(かんすい)および海水があり、世界的にみると製塩法としては岩塩の採取および海水からの天日(てんぴ)製塩が大部分を占め、一部で天然鹹水が利用されているという状況である。これに対し、日本では岩塩や天然鹹水のような資源に恵まれず、気候的に天日製塩にも適していないので、古くから海水を原料とした独特の製塩法が発達してきた。
 岩塩は天然に存在する結晶状の食塩であり、かつて海であった地域が地殻変動によりその一部が内陸部に取り残され、水分が蒸発して地中で岩塩層になったものであるといわれている。岩塩の鉱床はアメリカ、イギリス、旧ソ連地域、ドイツ、フランスなどにあり、坑道掘りや露天掘りで採掘したり、岩塩層に水を注入して飽和に近い鹹水(濃厚食塩水)として採取する方法が行われている。天然鹹水は有名な中東の死海やアメリカのグレート・ソルト・レークのような鹹湖、鹹泉、鹹井などとして存在し、その湖水あるいは地下水などの食塩濃度は非常に高く、これを利用して製塩が行われている。天日製塩は、海浜につくった天日塩田に海水を導入し、貯水池、蒸発池、結晶池と順に流していき、おもに太陽熱によって水分を蒸発させて食塩の結晶を析出させる方法である。高温少雨の気象条件に恵まれたオーストラリア、メキシコ、スペイン、中国などの地域で行われており、日本に輸入されている食塩の大部分は天日製塩による天日塩である。[平嶋克享]

製塩工程

日本で行われてきた製塩法は、採鹹工程とせんごう(煎熬)工程に分けられているのが特徴である。採鹹工程では、海水を濃縮して鹹水を得、せんごう工程で、鹹水を煮つめて食塩の結晶を析出させるという方式である。[平嶋克享]
採鹹工程
古くから揚浜(あげはま)式塩田や入浜(いりはま)式塩田による天日濃縮が実施されてきたが、1952年(昭和27)から1958年にかけて、より効率がよく降雨の影響をあまり受けない枝条架装置併用の流下式塩田が採用され、さらに1972年からはイオン交換膜を用いる電気透析法に全面的に転換し今日に至っている。[平嶋克享]
イオン交換膜電気透析法
現在、採鹹工程に用いられているイオン交換膜電気透析法は、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に数多く並べて多数の室に仕切った電気透析槽に、不溶物の濾過(ろか)、加温などの前処理をした海水を供給し、直流電流を通して電気透析を行うことによって海水中の塩分を濃縮する方法である。陽イオン交換膜と陰イオン交換膜は、それぞれ陽イオンあるいは陰イオンを選択的に透過させる膜で、反対荷電のイオンをほとんど通さない。したがって直流電流を通すことによって負極(陰極)に向かって移動する陽イオンは陰イオン交換膜で、正極(陽極)に向かって移動する陰イオンは陽イオン交換膜で移動を妨げられるため、透析槽内にはイオン濃度が高くなり食塩が濃縮される濃縮室と、逆に脱塩される希釈室が交互に並び、濃縮と脱塩が併行して行われることになる。この脱塩の働きを利用して、海水の淡水化にもこの電気透析法が応用されている。[平嶋克享]
せんごう工程
鹹水をさらに濃縮して食塩の結晶を析出させる工程である。現在、この工程には真空式多重効用蒸発缶がもっとも多く用いられている。この蒸発缶は、比較的低温の熱源を利用できるように真空で作動させて沸点を下げるとともに、熱をできるだけ有効に利用するために、順次圧力を低くした蒸発缶を複数個直列に連結してある。たとえば、第一缶で発生した水蒸気の熱を、第二缶における熱源として利用できるように第二缶の真空度を第一缶より高くする。多重効用缶のほかに多段フラッシュ蒸発法、蒸気圧縮法による濃縮装置がある。蒸気圧縮法はエネルギー効率が高いので、塩田を用いずに海水を直接濃縮して食塩を製造するために利用されていた時期がある。[平嶋克享]

精製工程

せんごう工程での濃縮によって晶出した食塩の結晶は、母液あるいは濃縮鹹水で洗浄したのち遠心分離機で脱水される。この状態のものを並塩(なみしお)とよぶ。これを乾燥機で乾燥して食塩とする。精製塩とよばれるものは原塩(げんえん)(おもに天日塩などの輸入塩)を水に溶解したのち、アルカリ処理によってカルシウム、マグネシウムなどの不純物を除去して精製鹹水を得、これを濃縮して結晶として析出させた高純度食塩のことである。食卓塩の場合は固結防止のためと味覚の点から塩基性炭酸マグネシウムが添加されている。[平嶋克享]

にがりの処理

海水から食塩をとったあとの母液を苦汁(にがり)という。にがりの中には海水に含まれている多くの化合物が濃縮されており、にがりを適当に処理して塩化カリウム、塩化マグネシウム、石膏(せっこう)、臭素などを回収することによって資源の有効利用、製塩コストの低減が図られている。[平嶋克享]
『永井靖・杉二郎・緒方英世・中山道夫著『海水化学』(1963・日刊工業新聞社) ▽宇野昌平著『共立全書36 無機製造化学I』(1977・共立出版) ▽岡部史郎・広田致・清水和雄著『海洋の化学』(1980・東海大学出版会)』

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精選版 日本国語大辞典

せい‐えん【製塩】
〘名〙 海水から食塩をつくること。天日製塩のほか揚浜式・入浜式・流下式塩田法、直接蒸発法、冷凍法、イオン交換樹脂膜を利用した電気透析法、真空濃縮製塩法などがある。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「府西の平野に製塩造場あり」

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