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血尿【けつにょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

血尿
けつにょう
hematuria
尿中に出血の認められる状態,すなわち血液を含んだ尿をいう。肉眼で認められなくても,顕微鏡的血尿がある。腎臓,尿管,膀胱,尿道などの出血によって起る。血尿が現れる尿路の病気としては,結石,腫瘍,炎症,結核などであるが,ことに無痛の血尿は,膀胱癌の初発症状として重要である。臨床症状として重要なので,血尿が1度だけでも,専門医に検査してもらうことが必要である。

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デジタル大辞泉

けつ‐にょう〔‐ネウ〕【血尿】
赤血球が混じって出る尿。腎臓・膀胱(ぼうこう)など尿路の疾患の際にみられる。

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栄養・生化学辞典

血尿
 尿へ血液が混入する症状.

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世界大百科事典 第2版

けつにょう【血尿 hematuria】
尿中に血液が混入している状態をいう。血尿の種類には,肉眼的にわかる肉眼的血尿と,尿沈渣により判定できる顕微鏡的血尿とがある。また排尿との関係で排尿初期血尿,排尿末期血尿,全血尿とに分けられる。血尿を起こす病気としては,尿路腫瘍,尿路結石,尿路感染症,腎下垂,腎炎,ネフローゼ症候群出血性素因,尿路外傷,尿路奇形などがある。全身性出血傾向検査に加えて,膀胱鏡,排出性腎盂(じんう)造影,腎動脈造影,腎・尿路超音波診断,CT,必要に応じて血液検査(一般の生化学検査,免疫学的検査)を行う。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けつにょう【血尿】
赤血球が混じった尿。必ずしも赤色を呈さず潜血反応や顕微鏡検査でのみ診断可能なものもある。腎尿路疾患や内科疾患など種々の成因により生じる。 → 血色素尿

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

血尿
けつにょう
尿に赤血球が異常に多く混じっているものをいう。赤血球が壊れてヘモグロビンが混じっているものは血色素尿とよんで区別される。血尿は真っ赤に濁って一見してそれとわかることもある(肉眼的血尿)が、軽度のものは淡く濁っているだけで赤みがないので、試験紙で検査するとともに、尿を遠心沈殿した沈渣(ちんさ)(上澄みを除いたあとに残ったもの)について顕微鏡で赤血球を調べなくてはならない(顕微鏡的血尿)。各視野に赤血球数が5個以上の場合は、異常と考えられる。また、尿酸塩尿をはじめ、サントニンや多くの下剤などの薬剤、クワの実や着色食品などの食物によっても、血尿を思わせる赤みを帯びることがあるから注意を要する。
 血尿は尿路(腎(じん)、尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道)のいずれの部位からも発現しうるが、2杯のコップに尿を分けてとってみると、どこからの出血であるか、ほぼ見当がつく。初めから終わりまで血尿であれば(全血尿)腎・尿管・膀胱からの出血であり、尿の終わりに血尿となる(終末血尿)のは膀胱頸部(けいぶ)・後部尿道からの出血、また尿の初めに血尿が出る(初期血尿)のは尿道からの出血である。血尿をおこす疾患は、腎では腎炎、腎結核、腎腫瘍(しゅよう)、腎結石、水腎症、嚢胞(のうほう)腎、外傷、特発性出血、遊走腎があり、尿管では結石や腫瘍、膀胱では膀胱炎、腫瘍、結石、尿道では尿道炎などがある。
 一般に血尿とともに排尿痛や頻尿などの自覚症状を伴うものは膀胱あるいは尿道疾患で、特発性出血の場合は概して自覚症状が軽微である。結石では仙痛(せんつう)や鈍痛を訴えることもある。血尿以外に症状がみられないものを無症候性血尿という。これが突発的に発現した場合は腎腫瘍、膀胱腫瘍、特発性腎出血などが考えられるので、たとえ一過性に治っても、膀胱鏡や腎盂(じんう)尿管X線検査を厳密に行う必要がある。[加藤暎一]

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精選版 日本国語大辞典

けつ‐にょう ‥ネウ【血尿】
〘名〙 血液のまじった尿。腎炎、膀胱炎、尿道炎などの場合にみられる。→血色素尿。〔医語類聚(1872)〕〔古今図書集成‐芸術典・医部・血門五・方二〕

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内科学 第10版

血尿(症候学)
概念
 尿中に赤血球が異常に多く排泄される状態を血尿という.したがって,血尿の診断は顕微鏡で尿沈渣に赤血球を証明することにより行われる.健康人でも1日に106個の赤血球が尿中に排泄されており,これは3個/μLにあたる.
1)顕微鏡的血尿(microscopic hematuria):
尿沈渣を顕微鏡の400倍の視野で観察すると1個程度の赤血球が認められる.したがって,2~3個/HPF (high power field,400倍)(これは5個/μLにあたる)以上の排泄は異常である.これを顕微鏡的血尿という.
2)肉眼的血尿(macroscopic hematuriaまたはgross hematuria):
血尿の程度が強く尿1 L中に血液が0.5 mL以上混じると,肉眼で赤く見える(これは2500個/μL以上に相当).これを肉眼的血尿という.ときに,コーラ色と表現されることもある.酸性尿や古い尿では褐色から黒色となる.
病態生理
①肉眼的血尿は,その外観から患者自身が気づく場合がほとんどであるが,顕微鏡的血尿は健康診断や一般のスクリーニング検査などにおける尿潜血反応陽性が契機となって発見されることが多い.これを無症候性血尿(asymptomatic hematuriaあるいは chance hematuria,偶然に発見された血尿という意味)という.
  試験紙法による尿潜血反応の感度は鋭敏で,尿1 mL中に赤血球が5個以上含まれていれば陽性となる.ただし,アスコルビン酸(ビタミンC)を含有する尿は反応が偽陰性となるので注意を要する.②潜血反応が陰性なのに尿沈渣で赤血球が確認されない場合は,溶血に伴う血色素尿症(ヘモグロビン尿)や横紋筋融解に伴うミオグロビン尿が考えられる(表2-38-1).
鑑別診断(表2-38-2)
1)血尿の原因疾患:
血尿の原因になるおもな疾患を表2-38-2に示す.肉眼的血尿の多くは尿路疾患である.しかし,IgA腎症,感染後急性糸球体腎炎,顕微鏡的多発血管炎(半月体形成性糸球体腎炎)などの糸球体疾患でもしばしば肉眼的血尿がみられる.通常行われる腎・泌尿器科的検査で原因が特定できないものを特発性血尿(essential hematuria)という.ナットクラッカー現象は,左の腎静脈が大動脈と上腸間膜動脈の間に挟まれて左腎静脈圧が上昇するために上部尿路(腎盂と考えられている)から出血して肉眼的血尿が生ずるものである. 
血尿の程度と原因疾患の重症度は必ずしも一致しない.また,診断過程で見つかった病変がその血尿の原因とは限らないことに注意を要する.
2)血尿の部位診断:
泌尿器科的疾患による尿路からの出血をまず鑑別することが重要である.そのためには赤血球形態検査や画像診断が有用である(表2-38-3). 
a)2杯分尿試験:肉眼的血尿の場合は,2杯分尿あるいは3杯分尿試験により,全血尿あるいは終末時血尿を呈する上部尿路疾患と,初期血尿を呈する下部尿路からの出血をある程度鑑別できる.
b)尿中赤血球形態検査:糸球体障害により尿中に排泄される赤血球は70%以上がドーナツ状,ヘルメット状,金平糖状などの多彩な変形を呈する(糸球体性血尿glomerular hematuria).しかし,尿路からの出血では変形がほとんどみられない(非糸球体性血尿non-glomerular hematuria).糸球体性の血尿が多彩な変形を示すのは,赤血球が糸球体基底膜を通過するときの機械的損傷と,尿細管を通過する際に浸透圧やpHの影響を受けることによると考えられている.
c)画像診断:腎・尿管・膀胱単純X線撮影(kidney,ureter and bladder:KUB),腎・尿路の超音波検査,経静脈性の腎盂造影が基本的な画像診断である.このなかでも超音波検査は侵襲がなく情報量も多いので,まずスクリーニングとして行う検査である.腫瘍や血管系の異常が疑われるときは,さらにCTスキャン,MRI,血管造影などの検査を行う.
d)内視鏡検査:膀胱鏡検査で片側尿管からの出血が確認されれば腎・上部尿路の腫瘍やナットクラッカー現象(左腎からの出血)などが疑われる.両側からの出血であれば内科的腎疾患の可能性が高い.
e)その他の尿検査所見:①血尿と同時に尿蛋白が陽性のときは糸球体疾患を疑う.ただし,尿路出血でも1000 mLの尿に3~6 mLの血液が混じると定性試験で尿蛋白は陽性となる.②尿沈渣にて赤血球円柱や顆粒円柱,ろう様円柱などの多彩な所見が認められる場合は,活動性の糸球体腎炎が考えられる.③白血球尿(膿尿)と細菌尿を認める場合には尿路感染を疑う.ただし,血管炎やループス腎炎などで激しい炎症が糸球体にみられる場合には,白血球尿を認める.④異形細胞を認めれば腎尿路の悪性腫瘍の可能性がある.⑤血尿単独例のなかには,高カルシウム血症や高尿酸血症を伴う例がある.微小結石が尿細管を障害して血尿の原因となることが推測される.
3)腎生検:
泌尿器科的疾患が否定される場合は内科的疾患の鑑別を進める.IgA腎症,遺伝性腎炎,菲薄基底膜病など血尿をきたす糸球体疾患は腎生検により確定診断に至る.
4)顕微鏡的血尿に対する臨床的なアプローチ:
一般住民の顕微鏡的血尿の頻度は5~13%といわれている.50歳未満の無症候性の顕微鏡的血尿では,ほとんど重篤な疾患はなく,特発性血尿として経過観察されることが多い.50歳以上の原因不明の顕微鏡的血尿は腫瘍の可能性を否定するために,画像診断をしっかりと行う必要がある(顕微鏡的血尿で泌尿器科に紹介された50歳以上の患者の13%に尿路の悪性腫瘍がみつかったという報告がある).[木村健二郎]

出典:内科学 第10版
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