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蒸散【じょうさん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

蒸散
じょうさん
transpiration
植物において,主として葉から水分水蒸気になって出ていく現象。その大部分は気孔,水孔,皮目などの孔を通して,植物体の細胞間隙中の水分が直接に出ていくが,また表皮系の表皮細胞ことに孔辺細胞,毛の細胞などから直接にクチクラを通しても蒸散は行われている。植物体が蒸散によって失う水分は,根によって吸収され,通道組織を通って茎葉に補給される。吸収作用と蒸散作用との平衡がくずれ,過剰に蒸散が起れば植物はしおれる。

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デジタル大辞泉

じょう‐さん【蒸散】
[名](スル)植物体内の水分が体表から水蒸気として排出される現象。葉の気孔で行われるが、クチクラ蒸散もわずかにみられる。

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

蒸散
 蒸散作用,蒸泄ともいう.植物の葉から水分が放出される現象.動物では,皮膚呼吸器官から水分が自然に放散すること.

出典:朝倉書店
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レーシック関連用語集

蒸散
医療用レーザー「エキシマレーザー」で角膜などの生体を切除すること。エキシマレーザーは高エネルギーの特殊な波長を持つ光で、角膜組織の分子の結合を切 り離し、ガスに分解することによって、切除します。

出典:レーシックNET
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世界大百科事典 第2版

じょうさん【蒸散 transpiration】
水が植物体から大気中に蒸発する現象をいう。植物では,水は主として葉に存在する気孔を通して水蒸気の形で排出される。蒸散は気孔の開閉運動により制御され,気孔は通常光照射,低二酸化炭素濃度で開孔し,蒸散が増大するが,一方乾燥,暗黒,高二酸化炭素濃度,雨などで気孔は閉じ,同時に蒸散も低下する。一方,気孔の開度が一定であっても,高温,低湿,風などにより蒸散が増加する。気孔からの蒸散を気孔蒸散と呼び,葉からの蒸散のほとんどは気孔蒸散により行われ,夜間でもわずかではあるが気孔蒸散が行われる。

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大辞林 第三版

じょうさん【蒸散】
( 名 ) スル
植物体内の水分が水蒸気として体外に排出される現象。気孔蒸散と表皮蒸散(クチクラ蒸散)があり、主に気孔の開閉によって調節される。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

蒸散
じょうさん
植物中の水が、水蒸気となって植物体の表面から大気中に放出される現象で、通発ともいう。単なる蒸発と異なるところは、植物が水の放出について調節を行う点であり、とくに気孔を通じての蒸散は、孔辺細胞(気孔をつくる細胞)の開閉運動によって調節されている。
 根から吸収された水は、一部は細胞の膨圧の維持や代謝に用いられるが、大部分は蒸散によって失われる。蒸散の行われる場所は主として葉である。葉の表面はクチクラという硬い層で覆われているので、気孔がおもな蒸散の場となる。完全に気孔が閉じると蒸散が行われないはずであるが、実際には、葉の表面のクチクラ層を通っても蒸散が行われている。気孔からの蒸散を気孔蒸散、クチクラ層を通しての蒸散をクチクラ蒸散という。両者の割合は植物の種類によって異なるが、普通は気孔蒸散が大部分を占めている。気孔は植物のガス交換の場であるため、内的および外的条件によって蒸散も影響を受ける。外的条件のうち、水分による影響がもっとも大きく、土壌水分が低下すると気孔が閉じて蒸散は抑えられる。このような気孔の開閉による蒸散の調節は植物ホルモンによって行われ、土壌中の水分低下を葉に伝えているのはサイトカイニンであるとされている。サイトカイニンは気孔を開かせる働きをもつが、土壌水分が低下すると、根から地上部に運ばれるサイトカイニン量が減り、それに応じて葉の中のサイトカイニン量が低下して気孔が閉じ、蒸散が抑えられる。また、水分含量の低下を葉肉細胞で感知し、葉肉細胞から孔辺細胞へと情報を運んでいるのはアブシシン酸で、葉のアブシシン酸は水分が減ると増加し、気孔を閉じさせる。このほか、光や二酸化炭素濃度によっても気孔の開閉は左右される。つまり、気孔は明るいところで開き、暗くなると閉じ、二酸化炭素濃度が高いと閉じ、低くなると開くなどである。
 蒸散は植物体における水の上昇の原動力となるものである。植物体内では、水は葉の先端から根の末端までが木部の道管を通ってつながっており、蒸散が盛んに行われている場合は、吸水が断たれない限り、連続して水は上昇する。このとき同時に栄養塩類の移動運搬も行われる。葉が強光にさらされると蒸散が盛んになるのは、水の蒸発によって気化熱を奪い、葉を過熱から防ぐためといわれる。しかし、砂漠の植物はかえって昼は気孔を閉じて蒸散を少なくしている。[吉田精一]
『ゲイロン・S・キャンベル著、中野政詩訳『パソコンで学ぶ土の物理学――自然環境管理の基礎』(1987・鹿島出版会) ▽農山漁村文化協会編・刊『稲作大百科2 生育 生理と生態』(1990) ▽増沢武弘著『高山植物の生態学』(1997・東京大学出版会) ▽山崎種吉監修、福嶋葉子著『図解 たのしい科学遊び 生物編』(1999・東陽出版) ▽山崎肯哉著『養液栽培全編』(2000・博友社) ▽野並浩著『植物水分生理学』(2001・養賢堂)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

じょう‐さん【蒸散】
〘名〙
① 植物体内の水が水蒸気として体外に排出される現象。気孔を通じ行なわれる気孔蒸散とクチクラで行なわれるクチクラ蒸散に大別される。蒸散作用。
② 蒸発してあたりへ散らばり出ること。
※舎密開宗(1837‐47)内「験温器の球に亜爾箇児或は亜的児を濡せば亜爾箇児蒸散し晞くとき其汞著く降る」

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