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蒲団【ふとん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

蒲団
ふとん
田山花袋の小説。 1907年発表。中年の作家と若い女弟子との交渉に託して,みずから愛欲の体験を赤裸々に告白し,日本自然主義文学の性格を決定し,私小説への道を開いた作品。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ふとん【蒲団/FUTON】[書名]
(蒲団)田山花袋の小説。明治40年(1907)発表。中年の作家竹中が、美貌の弟子芳子に寄せる恋と嫉妬(しっと)の思いを赤裸々に描く。最初の私小説とされ、その後の自然主義文学に大きな影響を与えた。
(FUTON)中島京子長編小説。平成15年(2003)刊行を題材とする、著者のデビュー作品。

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とっさの日本語便利帳

蒲団
もともと中国語としての「蒲団」は、蒲(がま)の葉で編んだ円形の敷物、または蒲の穂などを布で包んだ敷物のこと。日本では、室町時代頃に綿を布で包んだ敷物が「蒲団」と呼ばれ、江戸時代になって綿の栽培が大規模化し、大型の敷物が作られて寝具として利用されるようになり、現在の「ふとん」となった。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

世界大百科事典 第2版

ふとん【蒲団】
田山花袋中編小説。1907年(明治40)《新小説》に発表。花袋みずからをモデルとした中年の文学者竹中時雄が雑誌社の仕事や結婚生活に倦怠を覚えているとき,ミッション・スクールの神戸女学院の学生横山芳子が父親伴十郎に連れられて入門して来る。時雄は,女をG.ハウプトマンの《寂しき人々》の女子学生アンナ・マールに擬し,その才知と美貌に心ひかれ,芳子の愛人田中秀夫に激しい嫉妬心をいだく。しだいに身辺に非難の眼を感ずるようになったので,保護者の立場にかくれ,芳子を国元に帰した彼は,女の残していった蒲団に顔を埋め,性欲と悲哀と絶望に泣く。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ふとん【蒲団】
小説。田山花袋作。1907年(明治40)発表。中年の作家が自己の内面の醜悪さを大胆に告白暴露する。日本自然主義文学の方向を決めたとされる作。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

蒲団
ふとん
田山花袋(かたい)の中編小説。1907年(明治40)9月『新小説』に発表。翌年易風社刊の短編集『花袋集』に収録。中年の文学者竹中時雄が雑誌社の仕事や結婚生活に倦怠(けんたい)を覚えているとき、ミッションスクール神戸女学院の学生である横山芳子が父親に連れられて入門してくる。竹中は女をハウプトマンの『寂しき人々』の女子学生アンナ・マールに擬し、その才知と美貌(びぼう)に心ひかれ、芳子の愛人である田中秀夫に激しい嫉妬(しっと)を感ずる。しだいに非難の目を感じ、保護者の立場に隠れ、女を国元に帰し、残していった蒲団に顔を埋め、性欲と悲哀と絶望に泣くのである。抱月は「肉の人」、赤裸々な「懺悔(ざんげ)録」と評し、自然主義作品としての位置づけをした。[小林一郎]
『『蒲団』(岩波文庫・角川文庫・新潮文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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