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菩薩【ぼさつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

菩薩
ぼさつ
サンスクリット語 bodhisattvaの転訛形の音写。仏教用語。菩提薩 埵 (ぼだいさった) の略称ともいわれる。原始仏教においては,悟りを開く前の仏陀のこと。特に本生話 (ジャータカ ) では仏陀の前世の姿をいう。『舎利弗阿毘曇論』では「菩薩とは他の教えによらないで自力で悟る人,三十二相を成就している人,将来仏の十力,四無所畏などを成就する人,将来大慈を成就して転法輪をなす人」と定義されている。大乗仏教では,大乗の実践を行う人,宗教的実践をなす主要な人とみなされた。『大智度論』では仏陀の道を学ぼうとする心をもった人と解釈され,また利他行を行うものとして説かれ,大願と不退転と勇猛精進の3条件を菩薩の資格としている。声聞 (しょうもん) ,縁覚,菩薩の三乗を分類する場合には,菩薩乗を大乗としているように,大乗仏教では重要な存在である。したがって中国,日本では高徳の僧への称号としても用いられた。日本では聖武天皇が行基に菩薩の号を賜わったのを初めとする。さらに特定の機能をもち理想化された菩薩として,弥勒,観世音,大勢至,日光,月光,文殊,普賢,地蔵,虚空蔵などがあり,図像化の際には形姿や持物などによって区別される。

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菩薩
ぼさつ
雅楽の曲名。唐楽曲の一つで,壱越 (いちこつ) 調 (主音ニ) に属する。序,,詠詞の楽章より成るものであったが,現在では破の楽章 (延八拍子) だけ,管弦の演奏形態で奏される。以前は舞があったが,平安時代後期には絶えたらしい。現在大阪の四天王寺舞楽法要のときに,菩薩の面をかぶった舞人2人によって行われる大輪 (おおわ) ,小輪 (こわ) にその痕跡がみられる。

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デジタル大辞泉

ぼ‐さつ【××薩】
《〈梵〉bodhisattvaの音写「菩提薩埵(ぼだいさった)」の略。悟りを求める人の意》仏語。
の位の次にあり、悟りを求め、衆生を救うために多くの修行を重ねる者。文殊(もんじゅ)観音弥勒(みろく)勢至(せいし)普賢(ふげん)など。元来は釈迦の前生時代の称で、大乗仏教がおこると、将来仏になる者の意で用いられるようになった。
昔、朝廷から高徳の僧に賜った称号。「行基(ぎょうき)菩薩
本地垂迹(ほんじすいじゃく)説により、日本の神につけた尊号。「八幡大菩薩

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デジタル大辞泉プラス

菩薩
アメリカのバンド、スティーリー・ダンの曲。セカンド・アルバム「エクスタシー」(1972年)のオープニング曲。シンプルなロックンロール・ナンバー。原題《Bodhisattva》。

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世界大百科事典 第2版

ぼさつ【菩薩】
〈悟り(ボーディbodhi)を目ざす人〉の意で,仏陀(悟った人)になる前の段階にいる人を指す。サンスクリットのボーディサットバbodhisattvaの音訳。より正確には菩提薩埵。意訳は覚有情。初め仏陀の前世物語〈ジャータカ〉において,善行を積んでいた釈迦牟尼を指していたが,大乗仏教の興起とともに,〈悟りを目ざして励む修行者〉一般を指すようになった。大乗教徒によれば,小乗教徒は自分の悟りのみを目ざす利己的な人間である。

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大辞林 第三版

ぼさつ【菩薩】
bodhisattva の俗語 botsat の音写か〕
〘仏〙
最高の悟りを開いて、仏になろうと発心して、修行に励む人。初めは前世で修行者だった釈迦をさす名称であったが、のちに大乗仏教では自己の悟りのみを目指す声聞しようもん・縁覚えんがくに対し、自利利他の両者を目指す大乗の修行者をいう。弥勒・観世音・地蔵などの高位の菩薩は仏に次ぐ存在として信仰される。菩提薩埵ぼだいさつた。大士。覚有情。
高徳の僧をたたえて付ける尊称。日本では行基菩薩のように朝廷から正式に与えられる場合もある。
神仏習合の思想により、日本の神に与えられる称号。 「八幡大-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)

菩薩
ぼさつ
仏教の術語。サンスクリット語でボーディサットバbodhisattvaといい、漢訳では菩提薩(ぼだいさった)と音写され、その省略語が菩薩である。bodhi(菩提、悟り)+sattva(薩、人)より「悟りを求める人」の意であり、元来は仏教の創始者釈尊の成道(じょうどう)以前の修行の姿をさしている。とくに部派仏教時代に制作された『ジャータカ』(本生譚(ほんじょうたん))は釈尊の前世の修行の姿を菩薩の名で示し、釈尊は他者に対する慈悲(じひ)行(菩薩行)を繰り返し為(な)したために今世で特別に仏陀(ぶっだ)になりえたことを強調した。すなわち、部派仏教では菩薩はつねに単数で示され、成仏(じょうぶつ)以前の修行中の釈尊だけを意味する。そして他の修行者は釈尊の説いた四諦(したい)などの法を修習して「阿羅漢(あらかん)」になることを目標にした。西暦紀元前後におこった大乗仏教は、部派仏教の法の学習に基づく阿羅漢への志向に対し、これは釈尊の真の精神たる慈悲行を取り落としたものだと批判し、『ジャータカ』の慈悲行を行う釈尊(菩薩)を自らのモデルとし、自らも「仏陀」になることを目ざした。ここに至って菩薩は複数となり、大乗仏教の修行者はすべて菩薩といわれるようになった。また『般若経(はんにゃきょう)』などでは菩薩は摩訶薩(まかさつ)(マハーサットバmahsattva、大きな志をもつ人)ともよばれる。菩薩が一般修行者を意味するようになれば、おのずから菩薩の修行段階が問題になる。諸経典には種々の階梯(かいてい)が示されるが、とくに『華厳(けごん)経』の十地(じゅうじ)の階梯が有名である。また大菩薩、小菩薩の区別もされるようになり、たとえば観音(かんのん)、普賢(ふげん)、文殊(もんじゅ)などの大菩薩は、仏陀になりうるにもかかわらず衆生(しゅじょう)を勇気づけるために菩薩であり続けているが、実は仏陀と同じ能力を有すると考えられた。ところで、仏陀を目ざして修行する菩薩が複数であれば、過去においてもすでに多くの仏陀が誕生していることになると考えられ、薬師(やくし)、阿弥陀(あみだ)、阿(あしゅく)などの多仏思想が生じた。大乗仏教はまた菩薩乗ともいわれる。菩薩は大乗仏教を理解するうえで、もっとも重要なキーワードである。[加藤純章]
『平川彰著『初期大乗仏教の研究』(1968・春秋社)』

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精選版 日本国語大辞典

ぼ‐さち【菩薩】
〘名〙 (「さち」は「薩」の呉音) =ぼさつ(菩薩)(一)
源氏(1001‐14頃)鈴虫「阿彌陀仏けうしのほさちおのおの白たんしてつくり奉りたる」

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ぼ‐さつ【菩薩】
[1] 〘名〙 (bodhisattva 「菩提薩埵(ぼだいさった)」の略。覚有情・開士・大士・大心衆生などと訳す)
① 仏語。もと、釈迦牟尼の前生における呼称。大乗仏教が興って、修行を経た未来に仏になる者の意で用いる。悟りを求め修行するとともに、他の者も悟りに到達させようと努める者。また、仏の後継者としての、観世音、彌勒、地蔵など。〔勝鬘経義疏(611)〕 〔法華玄賛‐二本〕
② 昔、朝廷から碩徳の高僧に賜わった号。また、一般に高僧を敬まっていう語。
※日本往生極楽記(983‐987頃)行基菩薩「菩薩出家。為薬師寺僧。読瑜伽論唯識論等了。知奥義
※拾芥抄(13‐14C)中「大法師叡尊〈思円房、号興正菩薩、正安二年閏七月三日被勅書〉」
本地垂迹説の勃興以後、神につけられた号。
※文徳実録‐天安元年(857)一〇月己卯「在常陸国大洗磯前。酒列磯前両神。号薬師菩薩名神
④ 菩薩に扮する雅楽の舞人。
※東大寺続要録(1281‐1300頃)供養篇「菩薩東西相分供花還却。次奏菩薩舞
⑤ 米の異称。
※慶長見聞集(1614)一「古仏しゃりへんじてすでによねと成と説れたり。かるがゆへに人間は米をぼさつと云」
⑥ 転じて、飯炊きの下女。
[2] 雅楽の曲名。唐楽、壱越調の曲。林邑僧仏哲が伝えたものといわれている。今日宮内庁の選定楽譜には同曲の破(は)だけが残り、舞は残されていない。菩薩楽。

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