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花道【はなみち】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

花道
はなみち
歌舞伎舞台の特殊な機構の一つ。舞台に向って左のほう (下手) に客席を貫いて舞台と直交して設けられている,俳優が出入りする通路。長さは劇場によって違いがあるが,幅は約 1.5m。花道の効用は,舞台上とは別の場面を花道上に設定できることで,演出上重要である。贔屓 (ひいき) から俳優への贈り物 (はな) をするための道というところから名づけられたといわれ,それが発達して能舞台の橋懸りと同じような役目をもつにいたった。現在のような形となったのは,おおむね元文5 (1740) 年頃以降といわれる。現在は下手に常設 (本花道) されるほか,上手寄りに仮設されることもあり,これを仮花道または東の歩みという。江戸時代中期から末期にかけてはこの両花道は常備されていたが,近代以後仮花道は必要な場合にだけ設けられるようになった。花道の全体のうち揚幕から七分,舞台から三分ぐらいの位置を七三 (しちさん) という。この七三で主たる役は登場,退場にあたって必ずなんらかの演技を示す。これを七三の演技という。この位置には床を四角に切抜いて,奈落から上下できるような機構がある。これを「切り穴」または「すっぽん」という。また相撲場で,力士が土俵に出入りする通路も花道という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

はな‐みち【花道】
歌舞伎劇場の舞台設備の一。観客席を縦に貫いて舞台に至る、俳優の出入りする道。寛文(1661~1673)ごろ発生し、元文(1736~1741)ごろ完成した。下手にある常設のものを本花道、上手に仮設されるものを仮花道とよぶ。もとは役者に花(祝儀)を贈るための通路であったという。
《平安時代、相撲(すまい)の節(せち)で力士が花をつけて入場したところから》相撲場で、力士が支度部屋から土俵に出入りする通路。「東西の花道
世の注目や称賛が一身に集まる華やかな場面。特に、人に惜しまれて引退する時。「引退の花道を飾る」

出典:小学館
監修:松村明
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とっさの日本語便利帳

花道
下手から客席を縦断して後方に通ずる通路。“出”や“引っ込み”の演技が行われるほか、川や空中、遠方などを表現する場にもなる。花道の突き当たり、役者が出入りする枠の幕が揚幕(あげまく)。舞台寄り三分(揚幕から七分)の位置を七三、七三にある妖怪、幽霊、忍術使いなどが出入りするセリをすっぽんという。

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

宝塚用語辞典

花道
昭和の初年までは旧・宝塚大劇場に歌舞伎同様に舞台から客席の中へ突き出た「花道」があった。銀橋が出現した頃から取り外され、舞台の左右にある通路のようなところを「花道」と呼ぶようになった。

出典:宝塚歌劇公式ホームページ「宝塚用語辞典」

世界大百科事典 第2版

かどう【花道】
江戸時代から使われていたいけばなの総称で,様式語としての立花(りつか),抛入(なげいれ)花などのすべてを含む。華道とも書く。芸道における〈道〉の意識の成立は中世以来のものであるが,秘伝奥儀などを習得するための修練を強調する求道的精神から歌道,茶道,香道などと等しく造語されたもの。その初見は1688年(元禄1)刊行の桑原冨春軒の《立華時勢粧(りつかいまようすがた)》に,〈花道を鍛練して〉とか〈花道の奥儀〉〈花道第一の秘儀〉などとして使われ,また編者不明だが,1717年(享保2)刊の立華と生花(いけはな)の書は《華道全書》という題名がつけられている。

出典:株式会社平凡社
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はなみち【花道】
歌舞伎の舞台機構の一。舞台に向かって左手の位置に,舞台と同じ高さで,客席の後方にまっすぐ貫いてのびている通路。原則として,舞台で起こる事件に重要なかかわりをもつ人物の登・退場に用いる。花道の名称の由来については定説がないが,ただ,花の役者の通り道とか,役者が花を飾って(美しく装って)出てくる道からといった説が妥当かと思われる。歌舞伎の舞台は17世紀後半,舞台面積の拡大に伴って橋掛りも拡幅された。その結果,歌舞伎は出端(では)(登場)の芸を生かすための新しい空間を客席に求め,付け橋掛り(舞台から客席の奥へと仮設された橋掛り)や付け舞台(舞台前面に,舞台から隔てて仮設された横長の台)を設けた経験をもとに花道を設置した。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

はなみち【花道】
歌舞伎の劇場で、観客席を貫いて舞台に連なる道。俳優が舞台にかかる通路であり、また舞台の一部として使用される。下手しもて寄りの常設のものを本花道、上手かみて寄りに設けるものは現在は仮設で、仮花道という。 〔もと、客が俳優に花(=祝儀)を持っていくために設けられたことからの名という〕 → 七三しちさん
相撲で、力士が支度部屋から土俵に出入りするための通路。 〔平安時代、相撲すまいの節せちに花をつけて入場したところからの名という〕
最後にはなばなしく活躍する場面や時期。また、人に惜しまれて引退する時期。 「引退の-を飾る」

出典:三省堂
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