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花見【はなみ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

花見
はなみ
花,特に旧暦の2月から3月にかけてサクラを見て遊び楽しむこと。元来日本の見は,農耕生活に結びついた「サクラ (穀霊の憑〈よ〉りつく神座の。サクラに限らなかった) 」の花の花鎮 (しず) めに発したもので,人々の生活に根ざした宗教儀礼,民俗的行事であったが,それがやがて中国文化に触発されて宮廷の花になり,さらに貴人の遊興に化したといわれている。花見の宴は花の下に座ることによって花粉の精気を吸収する健康法でもあった。桃山時代豊臣秀吉吉野醍醐の花見の宴は有名で,江戸時代になると,この花見の風も次第に庶民のものとなり,そのありさま落語の『長屋の花見』にもうかがわれる。

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デジタル大辞泉

はな‐み【花見】
花、特にの花を眺めて楽しむこと。 春》「たらちねの―の留守や時計見る/子規

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世界大百科事典 第2版

はなみ【花見】
桜の花を観賞するために野山に遊びに行く行事。酒や馳走を用意し,花を見ながら宴を催す。特定庭園の桜のもとで行う例も多い。現代も盛んで,花の時期には桜の名所は花見客でにぎわう。露地敷物を敷いて席を設け,飲み食いをし,歌い踊ってさわぐのは,江戸時代に,江戸,大坂,京都などの大都市を中心に発達した庶民の花見の風俗継承である。元来,花見は個人の趣味ではなく,社会慣習になっていたところに意味がある。中国・近畿・関東地方では,旧暦3月3日か4日に,山に登って飲食をする行事を,花見と称した。

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大辞林 第三版

はなみ【花見】
花、特に桜の花を見て楽しむこと。 [季] 春。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

花見
はなみ
主として桜の花を観賞するため、野山に出て飲食し遊ぶ行事。日本列島は南北に長く、また起伏も著しいため開花時期が一定せず、旧暦の3月3日から4月8日ごろまでの間に行われる。もとは個人の趣味や風流の行事ではなく、農事の開始に先だつ物忌みのため、屋外に臨時のかまどを設けて飲食する行事であった。山遊び、磯(いそ)遊び、三月場(さんがつば)、ひいな飯、かまこ焼きなどともいう。たとえば、岩手県上閉伊(かみへい)郡のかまこ焼きは3月3日の行事で、子供たちが10人前後の組をつくり、川原にかまどを築いて煮炊きをして一日中遊ぶ。他の組のかまどを荒らす遊びもある。多くの地方で三月節供の料理に蛤(はまぐり)の吸い物を添えるのは、磯遊びで蛤をとって食べた名残(なごり)である。屋外での炊事が簡略化されると、家で料理したものを重箱に詰めて持って行くようになる。
 古代・中世においては貴族・武家の間で行われたが、近世には大名も町人も、花見弁当や酒器を持って山野に繰り出した。都市近郊の社寺境内、広場、堤などには、人工的に桜を植えて「桜の名所」をつくりだし、江戸では品川御殿山(ごてんやま)、飛鳥(あすか)山、向島(むこうじま)、上野、浅草、小金井(こがねい)などが著名であった。その後も次々に名所ができ、行楽の花見は広がった。現代も花見の行楽は続いているが、一部には、会社などの団体で争って場所をとり、夜桜の下で宴会を開き、夜遅くまで騒ぐ人たちもいる。[井之口章次]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

はな‐み【花見】
〘名〙
① 花を見て遊び楽しむこと。主として春の桜についていい、花の下で宴をはり、遊興すること。《季・春》
※平松家本平家(13C前)九「春の比、女院、法勝寺へ花見の御幸有し時に」
② 三月三日から四月にかけての一日、村人たちが見晴らしのよい岡などに集まって花などを見ながら飲食する習俗。
③ 花札を用いてする賭博、またはその賭博に勝つことをいう、賭博者仲間の隠語。
※歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)五立返し「盃とは有難い。こいつが来ちゃアいよいよ花見だ」
④ 人々が集まり、酒を飲み合って楽しむこと。山形地方などでいう。
※月山(1974)〈森敦〉「『ほーい。花見すっさけ、来てくれちゃァ』花見とは酒盛りのことです」
[語誌](1)平安時代、宮廷では花見は節日とされた。貴人の遊びとしても大いに広まり、「桜狩」とも呼ばれた。
(2)鎌倉以降は武家の間にも流行し、桜の名所がふえ花見も華やかになった。江戸時代に入ると花見は庶民にも広まる。文化・文政の頃より集団での花見が多くなり、花そのものより座興を楽しむようになる。
(3)古くは「常陸国風土記」に、春の花の季節に人々が飲食物を携えて筑波山に登ったとあり、そこに花見の原型がある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

花見
はなみ
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治29.3(東京・春木座)

出典:日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」
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