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良心【りょうしん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

良心
りょうしん
conscience
道徳的判断をなし,自己の行為,心情にかかわって正善を意志,令し,悪を悔い退ける全人格的意識。中世スコラ哲学では,善への肯定的態度と悪への否定的態度を直接に示す人間の生得的能力の総括概念をいう。この生得説はプロテスタンティズムや,17世紀の R.カドワース,18世紀の J.バトラーらに受継がれた。近代になって,カントにより,これら従来の説は批判的に集大成された。東洋における良心は,まず『孟子』告子編に認められる。現代では,ハイデガーヤスパースによって,実存主義的な良心論が展開されている。

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デジタル大辞泉

りょう‐しん〔リヤウ‐〕【良心】
善悪・正邪を判断し、正しく行動しようとする心の働き。「良心がとがめる」「良心呵責(かしゃく)」

出典:小学館
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

良心 りょうしん
?-? 室町時代の医僧。
明登(あきのり)親王王子信濃(しなの)(長野県)の人。文明5年(1473)畠山義統(よしむね)の命で朝鮮わたり,和気,丹波両家の八穴灸の療法と神応経をつたえて帰国したという。詩文にもすぐれた。俗姓

出典:講談社
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世界大百科事典 第2版

りょうしん【良心】
明治初年以降,《孟子》告子章上の〈良心〉(人間に固有の善心)が,一種道徳意識としてのコンシャンスconscience(英語,フランス語),ゲウィッセンGewissen(ドイツ語)の訳語として定着するにいたった。近代哲学の中核語はルネサンス期に形成された意識(コンスキエンティアconscientia,その原義は〈共に知ること〉)という術語である。この語はおそらくストア学派のシュネイデシスsyneidēsisという術語に由来する。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りょうしん【良心】
道徳的に正邪・善悪を判断する意識。 -の呵責かしやくを感ずる
善悪を判断して善を命じ悪を退ける知情意の統一的意志。その起源や妥当性に関して、生得説・経験説・批判説などがある。 孟子人本来の善心の意。中村正直訳西国立志編(1871年)に英語 conscience の訳語として載る

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日本大百科全書(ニッポニカ)

良心
りょうしん
syneidsisギリシア語
conscientiaラテン語
conscience 英語 フランス語
Gewissenドイツ語
道徳哲学の用語。自己の存在および行為について、その善悪を感知し裁定する直覚的な働きをいう。
 人間はその認識と行動によって世界のうちの多くのものとのかかわりのうちに置かれている。このかかわりが自己のものとして認知されるところに人間の自己がある。この自己認知の働きが自己に顕在化しているものが自己意識である。自己意識において意識されるのは、ただ自己が自己であるという空虚な自己の形式ではなく、自己のかかわる他のさまざまなものの意識であり、この他のさまざまなものへとかかわっているものとしての自己の意識である。しかし、これが自己の存在であり、自己の行為であるということが顕在的に意識されるときに、自己のうちにはこれを自己自身のものとして認めることを是認したり、拒否したりしようとする第二の自己の声がおこってくる。これが良心の声である。
 それは〔1〕顕在的な自己意識を前提にしたうえで、平常は意識されない自己の深層からおこる声であり、〔2〕自己自身の善悪にかかわり、これを裁定する声であるという特徴をもつ。自らなした行為が自己自身のものであることを拒みがたいということ、また、その自己のなした行為が悪いものであるとき、これを自己のものとして認めることを是認しがたいという二つのことによって、自己のなした悪なる行為において良心の声はもっとも先鋭に意識される(良心の呵責(かしゃく))。それゆえ、良心とは表層的な自己にはかならずしも意識されていない深層における自己の、善への本性的なかかわりの意識であり、直覚である。それは深層において自己を形成する自己の核であり、自己を人格として形成する。人間が本性上、善にかかわるものであり、道徳意識をもっていることの事実は良心において与えられている。良心を失うとき、人間は自己の内面を失い、表層だけの抜け殻となる。
 しかし、良心は社会的に形成されるものでもあり、社会的な道徳意識としての事実性をもつ(社会は国、集団、家などさまざまでありうる)。それゆえ、良心による善悪の裁定が不可謬(ふかびゅう)であるとはいえない。美醜、正不正、善悪に関する理性的な反省がこれに加わるとき、主観的な道徳意識としての良心は普遍的な道徳性へと形成される。
 人間の道徳意識の事実は良心にもっとも如実に表出されている。良心のもつ根源性、個人性、社会性という面のどれを強調するかによって道徳哲学の原理的な構成は微妙にずれてくる。[加藤信朗]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りょう‐しん リャウ‥【良心】
〘名〙 物事の是非・善悪を正直に判断し、状況や利害に左右されずに善いと信じるところに従って行動しようとする気持。人間が生来もっている心とする「孟子」による説、後天的な教育によって育つものとする説などがある。フロイトの説では、幼児期に形成される超自我をいい、本能的欲求を制御したり、理想や価値観を設定したりするものとされる。
※三国伝記(1407‐46頃か)一〇「良心に疑恠を懐き我を助る人不審なる故へに」 〔孟子‐告子上〕

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