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臭素【しゅうそ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

臭素
しゅうそ
bromine
元素記号 Br,原子番号 35,原子量 79.904。周期表 17ハロゲンの1つ。 1826年フランスの化学者 A.バラールによってにがりのなかから発見された。地殻存在量 2.5ppm,海水中の存在量 65ppm,コンドライトの平均臭素含有量 0.2ppm。工業的には海水,にがりなどの中の臭素を酸化分離するか,岩塩から分離製造される。単体は二原子分子 Br2 で,常温液体である唯一の非金属元素。赤褐色の重い液体で,不快な刺激臭がある。沸点 58.8℃,比重 3.14 (25℃) 。水に比較的よく溶け,アルコール,クロロホルム,濃塩酸などにも易溶である。皮膚に激しい炎症を与えるため危険。金の抽出,,繊維の漂白,医用臭素化合物の製造,染料,ガソリン用アンチノック剤の製造に用いられる。殺菌剤,酸化剤としても用いられる。

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デジタル大辞泉

しゅう‐そ〔シウ‐〕【臭素】
ハロゲン族元素の一。単体は常温で赤褐色の液体で、揮発しやすく、刺激臭があり、有毒。天然には単体として存在せず、臭化物として広く分布。工業的には海水を原料とし、塩素を吹き込んで遊離させて製する。臭化物の製造や酸化剤に、化合物写真感光材料医薬に使われる。元素記号Br 原子番号35。原子量79.90。ブロム

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栄養・生化学辞典

臭素
 原子番号35,原子量79.904,元素記号Br,17族(旧VIa族)の元素.ハロゲン元素の一つ.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

しゅうそ【臭素 bromine】
周期表元素記号=Br 原子番号=35原子量=79.904地殻中の存在度=2.5ppm(48位)安定核種存在比 79Br=50.52%,81Br=49.48%融点=-7.2℃ 沸点=58.8℃液体の比重=3.10(25℃)気体の密度=5.480g/l(87.7℃,1気圧)臨界温度=311℃ 臨界圧=102気圧水に対する溶解度=3.58g/100ml(20℃)電子配置=[Ar]3d104s24p5おもな酸化数=-I,I,V周期表VIIB族に属するハロゲン元素の一つ。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しゅうそ【臭素】
17 族元素(ハロゲン)の一。元素記号 Br  原子番号35。原子量79.90。常温では赤褐色の悪臭のある液体。揮発しやすく蒸気は目の粘膜を刺激する。有毒。医薬・写真材料などに用いる。ブロム。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

臭素
しゅうそ
bromine
周期表第17族に属し、ハロゲン元素の一つ。通称のブロムはドイツ語Bromからきている。1824年、フランスのバラールが海藻灰の中から発見、これに対しフランスアカデミーのボワボードランL. de Boisbaudran(1838―1912)とテナールが「悪臭」を意味するギリシア語bromosにちなんでbromineとすることを提案し、それが一般に受け入れられた(1826)。単体は天然には存在しない。海水中に臭化マグネシウムとして、地殻中にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の臭化物として存在する。臭化物に二酸化マンガンと硫酸を加えて熱するか、臭化物に塩素を作用させると得られる。工業的には、にがりと海水を原料として、塩素を吹き込んで単離する。赤褐色の液体。非金属元素の単体として室温で液体である唯一のもの。刺激性の有毒蒸気を出し、金属や有機物を侵す。反応性は塩素より弱いが、水素とは熱または光によって臭化水素を生成する。リン、ヒ素、スズ、アルミニウムとは激しく化合する。金とも化合するが、白金とは作用しない。水に溶けて臭素水をつくり、アルコール、クロロホルム、二硫化炭素などの有機溶媒に溶けて赤色溶液となる。水溶液からは低温で水和物Br28H2Oが得られる。アルカリ性水溶液は、低温で臭化物と次亜臭素酸塩に、高温では臭化物と臭素酸塩に不均化する。
 酸化剤、臭素化剤として使われるほか、農薬(臭化メチルなどの殺線虫剤)の製造、エチル液(テトラエチル鉛の掃鉛剤)、医薬、塗料、難燃剤、香料、臭素化合物などの製造に用いられる。皮膚につくと炎症をおこすので取扱いには注意を要する。[守永健一・中原勝儼]

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精選版 日本国語大辞典

しゅう‐そ シウ‥【臭素】
〘名〙 ハロゲン族元素の一つ。元素記号 Br 原子番号三五。原子量七九・九〇四。常温で赤褐色の液体。低温で暗赤色、斜方晶系の結晶。カーナル石や塩化マグネシウムを含む鉱石にわずかに含まれる。液体は刺激臭の強い赤褐色の蒸気を放つ。化学作用は塩素に似ているがやや弱い。臭気が激しく皮膚を侵し、蒸気は粘膜を刺激する。有毒。酸化剤・臭素化剤・殺菌剤・医薬品・写真材料などに広く用いられる。ブロム。〔稿本化学語彙(1900)〕

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化学辞典 第2版

臭素
シュウソ
bromine

Br.原子番号35の元素.電子配置[Ar]3d104s24p5の周期表17族非金属元素.原子量79.904(1).ハロゲン元素の一つ.天然には質量数79(50.69(7)%),81(49.31(7)%)の安定核種があり,ほかに質量数67~97の放射性同位体がある.常温で液体である唯一の非金属元素で,1826年フランスの化学者A-B. Balardによってにがりのなかから発見された.英語名は悪臭を意味するギリシア語βρμο(bromos)に由来する.宇田川榕菴は天保8年(1837年)に出版した「舎密開宗」で,蒲羅密烏母(フロミウム)としている.
天然には単体として存在せず,主としてアルカリ金属およびアルカリ土類金属の臭化物として,塩素よりはるかに少量ではあるが塩素とともに存在する.また海水1 L 中に平均67 mg 含まれている.生産国はアメリカ(42%),ついでイスラエル(36%)(2007年),埋蔵量はアメリカ,フランス,スペインの順である.海水,にがり,かん水あるいは岩塩より食塩を分離した母液に塩素を通じてつくられる.単体は固相,液相,気相のいずれでも二原子分子 Br2 である.赤褐色の刺激性の液体.揮発しやすく,室温で赤褐色の蒸気を放つ.密度3.1226 g cm-3(液体20 ℃),7.59 g L-1(気体25 ℃).融点-7.2 ℃,沸点58.78 ℃.Br-Br0.22811 nm.第一イオン化エネルギー11.814 eV.Br のイオン半径は0.196 nm.水100 g に対する溶解度は3.58 g(293 K)であるが,一方,臭素に対する水の溶解度は0.046%(293 K)と低い.臭化アルカリ溶液には三臭化物イオン Br3 となってよく溶ける.アルコール類,エーテル,ベンゼン,四塩化炭素などの一般の有機溶媒に易溶.塩素水より安定であるが,水溶液中では一部加水分解して次亜臭素酸と臭化水素酸を生じる.酸化数-1,1,3,5,7(例:HBr,HBrO,HBrO2,HBrO4).水素とは加熱または光照射によって反応してHBrを生成する.フッ素と反応してBrF,BrF3,BrF5などをつくり,塩素,硫黄とも反応してBrCl,S2Br2をつくる.酸化作用があり,アンモニアを N2 に,二酸化硫黄を硫酸に酸化する.Br は Cl2 によって酸化され Br2 となり,Br2 は I を I2 に酸化する.多くの金属と室温または高温で反応し臭化物をつくる.有機化合物に対しては酸化作用をもち,不飽和化合物には付加,また水素を置換する.
塩素より酸化力は弱いが,酸化剤,殺菌剤,臭素化剤として,また多くの無機,有機臭素製品の原料として用いられ,とくに写真材料,医薬品の原料として重要である.臭素化物難燃剤が電子機器・家電製品に多用されてきたが,EU・アメリカで規制が行われるようになり,生産量が減っている.液体臭素やその蒸気は触れると上気道,肺組織に障害を起こす.毒物劇物取締法・劇物指定.[CAS 7726-95-6][別用語参照]臭素の製造

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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