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自由詩【じゆうし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

自由詩
じゆうし
free verse; vers libre
伝統的な韻律法の規制から解放されたで,アクセントとノン・アクセントの機械的な繰返しよりも,意味のある強勢に従ってつけられた抑揚 cadenceによる。初めはフランスの象徴派詩人 J.ラフォルグや G.カーンが彼らの詩的手法について用いた言葉である。それより先にアメリカのホイットマンは独自の自由詩を書いていた。自由詩が盛んになったのは 1910年代で,E.パウンドらのイマジズム運動に始り,その後 T.S.エリオット,E.シットウェルその他のイギリス詩人,W.スティーブンズ,W.C.ウィリアムズ,C.サンドバーグらのアメリカ詩人によっていろいろな実験が試みられた。日本にはもともと西洋流の韻律や押韻詩形などがないので,当然違った意味で用いられ,川路柳虹が主張した口語詩と結びついて使われた。

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デジタル大辞泉

じゆう‐し〔ジイウ‐〕【自由詩】
伝統的な詩の韻律・形式にとらわれず、自由な内容や形式で作る詩。ホイットマンの詩集「草の葉」がその先駆的な作品とされる。日本では、川路柳虹(かわじりゅうこう)口語自由詩に始まる。→定型詩

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世界大百科事典 第2版

じゆうし【自由詩】
英語のフリー・バースfree verse,フランス語のベール・リーブルvers libreの直訳から用いられた言葉。しかし日本の詩における〈自由詩〉は,西洋の詩といちじるしく違っている。イギリス,アメリカの詩では,韻律と脚韻の伝統的な定型に従うことなく,その音韻的効果としては,もっと他の要素(たとえば類音,頭韻,全体の抑揚cadence)に依存する詩である。これを意識的にこころみたのは,フランス象徴派の詩人たちであった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じゆうし【自由詩】
韻律配列の制約にとらわれず、詩人の内的な感情の動きを自由なリズム(自由律)で表した詩。 ⇔ 定型詩散文詩

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日本大百科全書(ニッポニカ)

自由詩
じゆうし
free verse
伝統的な韻律によらない詩風を広くいう。自由詩ということばはもともと古典主義の詩行の十二音節(アレクサンドラン)alexandrinから詩を解放するために、19世紀後半のフランスで用いられた「自由韻文詩」vers libreに由来したもので、ラフォルグなどが実践し、英詩でもT・S・エリオットがその感化で話しことばのリズムに近い自由な詩を書いた。もともと無韻詩blank verseという、規則的な脚韻を踏まない弱強五歩格の伝統のあるイギリスでは、その発展した形として、19世紀後半にマシュー・アーノルドの『ドーバー海峡』(1867)のような自由詩が生まれた。アメリカにおける自由詩の発展は、ホイットマンが『草の葉』(1855)で、従来の英詩の韻律を大胆に無視して行分け散文を試みたことに端を発している。この散文的伝統を継承して20世紀初頭にエズラ・パウンドたちのイマジズムの自由詩運動が展開された。それは英詩の自由詩よりも大胆な変革で、従来の韻律の「メトロノームのような拍子によらないで、音楽の楽句(フレーズ)に従って詩を書くこと」を実践した。
 日本でも大正期に、従来の文語定型詩への反動として口語自由詩が生まれたとき、その指導者の一人萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)は、「拍子本位」でなく「旋律本位」であると、『自由詩のリズムについて』のなかで述べている。短歌や俳句に比べたら、もともと定型の要素に乏しい日本の近代詩であるが、七五調の外在律から自由詩の内在律へと変化を遂げてきている。[新倉俊一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

じゆう‐し ジイウ‥【自由詩】
〘名〙 伝統的な詩の韻律や形式にとらわれず、自由な内容・形式で作る詩。日本では特に現代口語を用いた詩をさすことが多い。イギリス・アメリカの詩では、韻律と脚韻の伝統的な定型に従わず、その音韻的効果としてはもっと他の要素(頭韻・全体の抑揚など)によるものをいう。近代自由詩の創始者としてホイットマンがあげられる。日本では、明治四〇年(一九〇七)九月、川路柳虹の口語詩「塵溜(はきだめ)」が新体詩の定型から脱離したときに始まり、相馬御風、河井酔茗らがこれを推進した。
※邪宗門(1909)〈北原白秋〉例言「概ねかの新しき自由詩の形式を用ゐたり」

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