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自由度【じゆうど】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

自由度
じゆうど
degree of freedom
(1) ある物理系の状態を記述するのに必要な変数の最小個力学では,自由に運動する質点の自由度は 3で,その位置は3つの座標変数 xyz で表わされる。質点の運動が曲面または曲線上に限られるとき,その自由度は曲面の場合 2,曲線の場合 1である。剛体の自由な運動の自由度は 6で,剛体上の代表点の位置座標 xyz とその点のまわりの回転位置を決める 3個の角変数により剛体の位置が定まる。分子振動などの連成振動では規準振動の数を振動の自由度という。(2) 平衡状態にある熱力学系を記述するのに必要な変数の数。系の自由度 f は,系を構成する相の数を p,独立な成分の数を c とすると,fcp+2 によって定まる。この関係は J.W.ギブズが導いたものであり,相律と呼ばれる。たとえば一様な一成分系c=1,p=1)では自由度は 2であり,一成分系で2つの相が平衡を保つ場合(c=1,p=2),自由度は 1である。(3) 統計学において物理学で使われている概念の類推から,R.A.フィッシャーにより導入された数。観測値の一組に対する自由度というのは,指定されたシステムのなかで任意に割当てることができる値の数のことである。たとえば,あらかじめ指定した大きさ n の標本の観測結果(x1,…,xn)を,R 個の区間にグループ分けするとき,(R-1)個の区間の度数が指定されれば,残りの 1区間の度数は n から決ってしまうから,その自由度は(R-1)である。また を標本平均値 (標本平均の値)とすると, の自由度は(n-1)である。これは常に という条件があるためである。χ2分布t分布F分布(→F検定)などでは,この自由度だけが母数として表われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

じゆう‐ど〔ジイウ‐〕【自由度】
一つの系の変形しうる度合い。ある物理系の運動状態または平衡状態を表すのに必要な、任意に独立に変化させることができるものの数。例えば、空間を自由に運動する剛体の自由度は、直交座標系での自由度3と回転の自由度とで計6である。→相律

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

自由度
 統計学で,データの数からデータで求められる平均値の数を差し引いたもの.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

じゆうど【自由度 degree of freedom】
(1)質点の位置を表すには,空間に適当な座標軸をとってx,y,z座標を与えればよい。これら3変数が時間tの関数としてxf1(t),yf2(t),zf3(t)の形で与えられれば,その運動は確定する。水平面上の運動のような平面運動であれば,変数はx,yの二つでよい。座標は直交座標とは限らず,平面運動を極座標r,θで表すように,他の適当な変数を用いてもよい。二つの原子A,Bが結合した2原子分子なら,xA,yA,zA,xB,yB,zBを用いてもよいし,重心の座標X,Y,ZとABの距離l,分子軸の方向を示す二つの角θ,φの計6個を用いてもよい。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じゆうど【自由度】
各質点の位置、剛体の位置や向きなどの力学系の状態をきめる座標のうち、自由に変化させることのできるものの数。また、温度・圧力・濃度などの熱力学的な状態を決定する変数のうち、その物質系の成分の状態を変えることなく勝手な値をとることのできる変数の数。この数が多いほどその系は弱い束縛条件下にある。 → 相律

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

自由度
じゆうど
一つの系において変形させることができる度合いを、その系の自由度という。
(1)力学系の自由度 系の配位を指定する座標のうち任意に独立な変化をさせられるものの数をいう。たとえば、質点の自由度は3である。なぜなら、その位置を指定するのに(直角座標系なら、xyzの、極座標ならr、θ、というように)三つの座標が必要で、それらは、質点を動かすことにより独立に任意に変えられる。変形しない固体(剛体)の自由度は6である。なぜなら、剛体内の任意の3点の座標(9個)を与えると剛体の向きも含めて配位が定まるが、3点の相互の距離は変わらないので、座標の間に三つの関係があり、自由に変えられる座標は6個になる。剛体の1点(たとえば重心)の位置を指定するのに3個の座標、その点を固定して剛体の向きを指定するのに3個の角を用いる必要があり、つまり自由度は6になる。しかし、たとえばこの剛体が摩擦のある平面の上を滑らずに転がる場合には、6個の座標は独立には変えられない。球形の剛体なら、平面から球の中心までの距離は変わらないので自由度は5になる。さらに、球が転がっていくとき、球の回転角と中心の位置の移動の量は独立ではない。したがって自由度は5より小となる。しかし、一般に滑りのある場合には、球の回転角と中心の位置の関係を表す関数はないことが示されるので、この球の運動を記述するには5個の座標を用いざるをえない。この種の力学系を非ホロノーム系とよぶ。
(2)熱力学的自由度 熱平衡の状態にある物質系において相の数を変えることなしに変化させることのできる状態変数の数をいう。ギブスの相律によれば
  (自由度)=(成分の数)-(相の数)+2
が成り立つ。[江沢 洋]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

じゆう‐ど ジイウ‥【自由度】
〘名〙
① 規則にしばられた中で、もちうるゆとりの程度。
② 一つの力学系で、物体の運動状態または平衡状態を表わすのに必要な独立変数の個数。〔現代術語辞典(1931)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

自由度
ジユウド
degree of freedom

相平衡にある一つの系の状態を完全に規定するために必要な独立変数(温度,圧力,各成分の濃度)の数を自由度あるいは自由度の数という.たとえば,水と飽和水蒸気の一成分二相系の平衡では,温度(または水蒸気圧)を規定すれば水蒸気圧(または温度)は自動的に決まるから,両者は独立な変数ではなく,この系の自由度は1である.自由度と成分の数および相の数との間には相律による一定の関係がある.[別用語参照]一変系二変系三変系

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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