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膵神経内分泌腫瘍

朝日新聞掲載「キーワード」

膵神経内分泌腫瘍
膵臓で血糖値を調整するインスリンなどのホルモンを作る細胞にできるがん。比較的まれで、一般的に進行もあまり速くないが、自覚症状に乏しく、他の検査でたまたま見つかることが多い。米アップル社の創業者で2011年に56歳で死去した故スティーブ・ジョブズ氏の死因になった。膵臓頭部・体部・尾部と区分され、切除手術の場合、頭部は難度が高く、尾部は糖尿病を起こすリスクが高いという。
(2018-05-25 朝日新聞 朝刊 岡山全県・1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

内科学 第10版

膵神経内分泌腫瘍(膵疾患)
 膵臓に発生した神経内分泌細胞由来の腫瘍を総称して膵神経内分泌腫瘍という.これにはホルモンの過剰産生により特徴的な臨床症状を呈する機能性腫瘍と,ホルモン過剰産生のない非機能性腫瘍がある.機能性腫瘍はインスリノーマ【⇨13-2-5)】,ガストリノーマ(Zollinger-Ellison症候群),グルカゴノーマ,ソマトスタチノーマ,VIPoma(WDHA症候群)の順に多い.非遺伝性に発症する場合が多いが,一部は常染色体優性遺伝の多発性内分泌腫瘍(multiple endocrine neoplasia)I型(MEN I型)として発症する.MEN I型では癌抑制遺伝子であるMEN1遺伝子の機能喪失型変異を認め,下垂体前葉腫瘍,副甲状腺機能亢進症,膵神経内分泌腫瘍を主徴とする.
病理学的特徴
 膵神経内分泌腫瘍の病理学的分類は2000年のWHO分類が最近まで用いられていたが,生物学的悪性度をより反映するものとして2010年に新たなWHO分類に改訂された(表8-9-9).新しい分類は核分裂像数とKi67指数をgradingし,悪性度の評価として細胞増殖能を重視したものとなっている(表8-9-10).膵神経内分泌腫瘍は細胞質が豊かで,円形ないしは楕円形の核をもつ比較的形のよく揃った細胞が索状,胞巣状,シート状に配列する.免疫組織化学染色でクロモグラニンA,シナプトフィジンなどの神経内分泌マーカーが陽性に染まり,機能性腫瘍では,それぞれのホルモン産生細胞の増殖が認められる.[清水京子・白鳥敬子]
■文献
Imamura M, Takahashi K, et al: Usefulness of selective arterial secretin injection test for localization of gastrinoma in the Zollinger-Ellison syndrome. Ann Surg, 205: 230, 1987.
Raymond E, Dahan L, et al: Sunitinib malate for the treatment of pancreatic neuroendocrine tumors. N Engl J Med, 364: 501-513, 2011.
Yao JC, Shah MH, et al: Everolimus for advanced pancreatic neuroendocrine tumors. N Engl J Med, 364: 514-523, 2011.

出典:内科学 第10版
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