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膀胱異物【ぼうこういぶつ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

膀胱異物
ぼうこういぶつ
膀胱内にある異物のことで、好奇心や自慰の目的で尿道内に挿入した小物体(ピン、紐(ひも)、ビニル管など)が膀胱内まで入ってしまった場合がもっとも多い。また、麻痺(まひ)のある患者が自分で導尿していて、カテーテル全体が誤って膀胱内にまで入り込んでしまう場合もある。このほか、腹腔(ふくくう)内または骨盤内手術の際に遺残したガーゼなどが膀胱壁を貫いて入り込んでいることもある。
 患者はたいてい、とまどってしまい、すぐには泌尿器科医を訪れてこない。異物自体は物理的刺激により膀胱炎をおこすし、また、無菌ではないので細菌性の炎症もおこす。診断は患者の申告があれば容易であるが、骨盤内異物が迷入した場合などは患者自身が気づいていないので、頑固な膀胱炎が続くような場合には、膀胱部のX線撮影と膀胱鏡検査を行うべきである。尿素分解酵素をもった菌(プロテウス属など)の場合には、尿が強いアルカリ性となり、異物を核にして膀胱結石が速やかに形成される。
 なお膀胱異物のほとんどは、異物鉗子(かんし)を装着した特殊な膀胱鏡で経尿道的に取り出すことができる。[松下一男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

膀胱異物
ぼうこういぶつ
Foreign body in bladder
(腎臓と尿路の病気)

どんな病気か・原因は何か

 何らかの原因で膀胱内に異物が入ったものです。いたずらや自慰(じい)行為のため、体温計、ろうそく、鉛筆、針金、チューインガム、電線、ヘアピン、乾電池などが尿道から膀胱内に入り、それを出せなくなった状態です。

 そのほか、魚の骨が腸を突き抜けて膀胱に入る場合や、手術の際に使用した糸などが膀胱内に残る場合もあります。尿道カテーテル留置中に、膀胱内でカテーテルが損傷した場合などにも膀胱異物となります。

症状の現れ方

 膀胱異物は膀胱炎の原因となります。症状として頻尿(ひんにょう)、排尿時疼痛、血尿が出現し、残尿感、下腹部痛、血尿などを伴うこともあります。

 膀胱内に異物がある場合には、細菌などの病原体がつきやすいため、抗菌薬を投与しても完治しにくいことが多く、慢性膀胱炎の原因になります。また、膀胱異物が核となり膀胱結石ができることもあります。

検査と診断

 病歴上、膀胱異物の診断が明らかな場合もありますが、X線や超音波検査、膀胱鏡検査などにより、膀胱内の異物を確認します。

治療の方法

 可能であれば膀胱鏡で除去しますが、異物の大きさや形状によっては非常に困難な場合もあります。放置すれば膀胱炎膀胱結石、膀胱穿孔(せんこう)などの可能性があり、膀胱鏡で除去できない場合には開腹手術を行うこともあります。

病気に気づいたらどうする

 頻尿、排尿時疼痛、尿混濁、血尿、残尿感、下腹部違和感などの膀胱炎症状が続いたり繰り返したりする場合には、これまでの泌尿器系の病気の有無や生活習慣などをきちんと話し、泌尿器科の専門医に相談してください。また、異物を尿道内に入れることは避けなければなりません。

西野 友哉, 古巣 朗, 河野 茂

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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膀胱異物
ぼうこういぶつ
Foreign body in urinary bladder
(外傷)

どんな外傷か

 異物が尿道から入る場合と、膀胱壁を通過して侵入する場合があります。

 男性に多いといわれており、20代前後にピークがあります。女性では30歳前後に多く、いずれも性的活動期に相当します。

原因は何か

 男性では自慰、性的行為、悪戯(いたずら)などによって挿入され、体温計、ヘアピン、ビニール製品、針、釘、鉛筆、蠟燭(ろうそく)類など多種多様です。

 女性では医療に関係するものが多く、たとえばカテーテルの破損物、手術時に使用した縫合糸、ガーゼなどがあります。また、外傷に伴う場合では、金属片、木片、骨片などがあります。

症状の現れ方

 異物の膀胱粘膜への刺激による頻尿(ひんにょう)、排尿時痛、肉眼的血尿がみられます。異物が長期に存在したり細菌感染を伴うと、結石を形成したり、膀胱壁に穴があくこともあります。

検査と診断

 X線検査、超音波断層検査、CTなどの画像による診断に加えて、膀胱鏡による観察で診断できます。

治療の方法

 まず内視鏡を用いて、尿道から異物の摘出を試みます。

 巨大なものや内視鏡操作では摘出が不可能な場合には、膀胱を切開して異物を取り出します。

応急処置はどうするか

 異物の侵入に気づいた時点で、救急外来を受診することをすすめます。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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