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腐食【ふしょく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

腐食
ふしょく
corrosion
固体材料が環境によって純化学的反応または電気化学的反応によって変質破壊される現象。水溶液中や大気中で起る金属の腐食大部分後者である。水分の存在する場合の腐食を湿食,高温の空気などの中で生じる腐食を乾食という。流体によって機械的に材料が侵される場合は特にエロージョン・コロージョンと呼ぶ。また全面で起る均一腐食,部分的な局部腐食結晶粒の間に沿って進行する粒間腐食,被膜のピンホールなどから内部にい進行する孔食,細いすきまで起るすきま腐食,応力のかかった部分で腐食とともに割れる応力腐食割れなどがある。

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デジタル大辞泉

ふ‐しょく【腐食/腐×蝕】
[名](スル)
腐って物の形がくずれること。また、腐らせて物の形をくずすこと。「土台が―する」
金属材料が水・酸素などとの化学反応によって表面から変質・消耗してゆくこと。また、その現象。「鉄板が―する」

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岩石学辞典

腐食
(1) 様々な材料,特に金属材料が使用環境との化学反応によって表面から金属でない状態になって失われていくこと[長倉ほか : 1998].(2) 溶媒や天然水の化学作用で岩石がすり減る過程[Grabau : 1920, Holmes : 1965].(3) 斑晶または捕獲岩が,周囲のマグマによって部分的に融食作用(resorption)を起こすこと[Eskola : 1915, Johannsen : 1932, Schieferdecker : 1959].ラテン語のcorrodeは腐食すること.

出典:朝倉書店
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栄養・生化学辞典

腐食
 金属類が酸化されて強度が低下していく現象.

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世界大百科事典 第2版

ふしょく【腐食 corrosion】
金属学の用語。金属がそれをとりかこむ環境物質との間の化学反応もしくは電気化学反応によって損耗すること。かつては腐食現象を材料の固有の性質と考えた時代があるが,現在では使用環境に大きく依存する現象であるとする考えが定着した。このように環境中に存在する特定の物質との化学的相互作用によって材料が変質や劣化する現象は,金属に限らずすべての材料にとって,その使用寿命を決める重要な因子の一つであるが,単に腐食という場合には金属腐食metallic corrosionを意味するのが通例である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ふしょく【腐食】

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

腐食
ふしょく
corrosion
金属材料が使用環境中の物質と反応して金属イオンまたは非金属の化合物となって損耗していく現象。金属材料の種類と使用環境との組合せに応じてさまざまな形態の腐食が現れるが、使用環境が水溶液であるかガスであるかによって湿食と乾食とに大きく分けられている。さらに腐食現象のなかには、材料に応力が作用している状態でのみ現れるものもあるので、応力下での腐食であるか否かによってこれらは細分化されている。機械や装置の腐食は事故の原因となることが多いので、防食対策には日ごろから十分の配慮が必要である。次に、おもな腐食形態とその原因について述べる。[杉本克久]

全面腐食

金属が厚さ方向に均一に減少していく型の腐食。金属の表面に腐食生成物の皮膜が形成されないような強い腐食性の環境中で生じ、酸の中での鉄やアルミニウムの腐食がこれに相当する。[杉本克久]

粒界腐食

金属の粒界のみが選択的に溶解される型の腐食。熱処理などにより粒界およびその近傍に溶解されやすい組成の析出物や溶質欠乏帯が形成されたときに生ずる。そして、これは500~800℃に短時間加熱された18-8ステンレス鋼を硫酸‐硫酸銅溶液につけたときなどにみられる。[杉本克久]

孔食

表面の大部分は健全であるにもかかわらず、ごく一部にのみ針で突いたような小さくて深い孔状の腐食がおこることがある。この型の腐食は、環境中の塩素イオンにより表面皮膜が局部的に破壊されるときに生じやすく、海水中につけられたステンレス鋼やアルミニウムによくみられる。[杉本克久]

すきま腐食

金属どうしの継ぎ目や金属の表面に付着した異物の下などにできた狭いすきまに生じる腐食。すきま内部は外部に比べて溶存酸素の供給が不十分であるため、すきま内部の金属は不動態化しにくく、そのためこの部分の金属が活性溶解を続けることによって生ずる。[杉本克久]

応力腐食割れ

腐食性でない環境中ではけっして機械的破壊を生じないような弱い引張り応力が腐食性環境中で使用されている金属材料に作用したとき、ある期間経過後に突然その材料の破壊が生ずる型の腐食。機械的応力により表面皮膜の一部が破壊され、そこに腐食が集中することにより生ずるといわれている。塩化物水溶液中の18-8ステンレス鋼、アンモニアガス中の黄銅、カ性アルカリ水溶液中の炭素鋼などに生ずることが知られている。[杉本克久]

水素脆性

腐食時に生じた水素が金属材料中に吸収され、それによって金属材料が脆(ぜい)化し、弱い引張り応力の下でも破壊してしまう現象である。硫化物水溶液中における高張力鋼などにみられる。[杉本克久]

腐食疲労

腐食性環境中で引張り―圧縮の交番応力が作用している金属材料に生ずる。腐食性でない環境中では疲労破壊が生じないような小さな応力の下でも、腐食性環境中では比較的短時間で疲労破壊が生ずる。[杉本克久]

エロージョン・コロージョンerosion corrosion

流体または粉体粒子の連続的な衝突により金属表面の皮膜がはぎ取られ、その部分が活性溶解をおこして局部的に深く侵食される型の腐食。スラリー輸送の配管やポンプなどによくみられる。[杉本克久]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

腐食
フショク
corrosion

広義には環境との化学反応により物質の量または質が劣化する現象であるが,狭義には,金属のイオン化を含む化学変化に限られる.金属は多くの場合硫化物あるいは酸化物から製錬されてつくられたもので,熱力学的には安定状態ではない.それゆえ,通常の環境では酸化して安定な状態に落ち着こうとする傾向をもっている.この変化過程を腐食という.この意味では腐食は製錬の逆過程であるが,腐食という用語には,品質の低下,損失などの評価が含まれている場合が多い.電気化学的には,腐食は金属のアノード溶解

M → Mnne

と被還元物質のカソード反応

2H + 2e → H2,O2 + 2H2O + 4e → 4OH

などの同時反応と考えられる.腐食は通常,低温腐食と高温腐食あるいは湿食(wet corrosion)と乾食(dry corrosion)に分類される.また腐食形態などから次のように分類される.
(1)均一腐食(uniform corrosion),
(2)局部電池腐食(galvanic corrosion),
(3)すきま腐食(crevice corrosion),
(4)孔食
(5)粒間腐食(intergranular corrosion),
(6)選択腐食(selective corrosion),
(7)摩耗腐食(erosion corrosion),
(8)応力腐食割れ

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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